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はじめに
初めて構築記事を書かせていただきますユウ(@yu_to5115)と申します。
今回ご紹介する構築はINC Aprilで11位、5月インターネット予選で6位だった構築の完成形で、5月ランクマッチは最終13位、PJCS2022本戦は74位でした。私自身ポケモンというゲームに本気で向き合ったのはソード・シールドからなので、至らぬ点もあるかもしれませんが、読んでいただけると幸いです。
構築経緯
禁止伝説2匹を選出できるGSルールは、私にとって初めての体験になります。
去年の禁止伝説1匹ルールでは結果を残せていたので、同じような構築、気持ちで回していたところ全く勝てず、投げ出してしまおうかと思ったほどでした。
お世話になっている某有名プレイヤーに相談をしたところ、「GSルールはパワーが重要」というアドバイスをいただけたので、こちらを参考に構築を一から組み直すことにしました。
まずはじめに禁止伝説2匹を選びます。
1匹目はカイオーガ。
雨下での潮吹きはものすごい破壊力で、パワーというキーワードにピッタリのポケモンです。
2匹目はザシアン。
場に出た瞬間に攻撃を1段階上昇するこのポケモンも、この構築のコンセプトに相応しいです。
この2匹の並びはGSルールにおいて最もポピュラーといっても過言ではないため、メタの対象になるのは必須でしたが、圧倒的なパワーで押し切ればいけるだろうと判断しました。
ここから5匹目まではスムーズに決まりました。
追い風を悪戯心により先制で貼り、素早さをサポートできるトルネロス。
対ザシアンや物理アタッカーにおいて威嚇を撒くことができ、優秀なタイプと耐久性を合わせ持つガオガエン。
環境に多いカイオーガやグラードンにも打点を持ち、グラスフィールドと合わせると超火力を誇るゴリランダー。
残り1匹は検討がつかなかったため、白バドレックスとパルキアに強いナットレイを採用したり、壁を貼ることのできるオーロンゲだったりとフワフワしていました(主にナットレイではありました)。
実際に回してみると、トルネロスとカイオーガを並べて追い風を貼り、潮吹きでイージーウィン、なんて試合は全然できませんでした。
相手に壁を貼られると潮吹きでは落としきれない場面が多く、カイオーガがすぐにやられてしまい残りのザシアンも相手のガオガエンやランドロスに火力を削がれてしまいやられてしまうことが多々ありました。
ここで思いついたのが、DMをするカイオーガです。
DMをしたカイオーガの潮吹きベースダイストリームは威力150の単体攻撃なので、威力が分散にならず超強力です。
さらに命の珠を持たせることによって、壁を貼られてもその破壊力で確実に1匹ずつ仕留めていき、数的有利を取ったところ裏のザシアンで〆る。
このやり方でだいぶ勝てるようになってきたのですが、問題が発生しました。
相手にダイジェットと追い風をされると素早さ合戦では勝てなくなり、上から殴られて負けてしまう。トリックルームをされて素早さを逆転されると負けに直結してしまう。
この問題を解消するべく考えた結果、トルネロスの代わりにエルフーンを採用。
エルフーンはトルネロスと違いトリックルームを覚えるので、相手に追い風をされても素早さを逆転できる、相手にトリックルームを貼られてしまっても最悪貼り返すことができます。
また、対レジエレキにおいてもトリックルームは優秀で、カイオーガが狙われる間にトリックルームを貼れば一気に勝ちに繋がる場面もありました。
しばらく回しているうちに、ある構築が結果を残し流行りだしました。
それがRinyaSunと呼ばれるザシアングラードン構築です。
この構築において私のカイオーガは全くと言っていいほど歯が立たず、どうすれば勝てるのか必死に考えました。
そこで、素早さの遅いカイオーガを採用してみることに。
環境にいるグラードンの素早さは大体110〜112が多く、初手で出されても天候を取れるようカイオーガの素早さを準速から101に変更。
天候を取られたグラードンは一度引いてトリトドンを出してくることが多いので、それに合わせてエルフーンのエナジーボールでトリトドンを倒せれば一気に流れを掴めます。
また、天候を取られる=遅いカイオーガと判断されるので、リザードンとグラードンが並んでいる場合はトリックルーム警戒でそのままダイジェット等で突っ込んでくることもありますが、エルフーンが追い風をすればカイオーガの素早さは202になりどちらも抜けるので、潮吹きでイージーウィンなんてことも多々ありました。
他の構築においては遅いカイオーガなので基本はトリックルームを貼って動かしていくのですが、それを読まれてエルフーンがやられてしまうと不利になるため、まさに初手からギャンブルを通すかたちになります。
しかしここでまた問題が発生します。
レジエレキとイベルタルといった出され方をされると、ギャンブルを通そうにも通せず、負け戦になることが度々ありました。
レジエレキがDMをしてくるのか?イベルタルがバークアウトで火力を削いてくるのか?
ギャンブルを通しても勝てないことが多かったため、ここをキッチリと対策するために前々からしっくりこなかったナットレイを変更することに。
確かにナットレイは対白バドレックスやパルキアにおいて優秀なポケモンですが、パルキアのダイバーンは雨下でも大ダメージを受けてしまうこと、鉄壁を積んでもザシアンの聖なる剣で貫通ダメージが入ってしまうことから、本当に強いのか?と疑問に思っていました。また、DMするポケモンがカイオーガしかいないと相手に悟られやすいのも問題です。
ここからカチッとハマる6匹目を選定するのに時間がかかりました。
候補①
ポリゴン2
耐久性のあるDMアタッカーとして不意打ちをする、トリックルームを貼れる、サイドチェンジ等で勝ちをもぎ取ることができる等の理由で採用しましたが、明らかなトリックルーム構築と判断される点と、DMしてもパワーが足りず押し切れないため不採用。
候補②
ブラッキー
こちらも高い耐久性と欠伸やバークアウトで妨害することができて強かったのですが、構築全体のパワーが大幅に下がってしまいダメージレースで勝つことができなかったため不採用。
候補③
ボルトロス(化身)
レジエレキとイベルタルの並びに強く、ガオガエンも牽制できる強いポケモンでしたが、ボルトロスは環境に多く対策されていることがほとんどで、DMをしても倒し切ることができる火力でもない、ダイジェットをしても隣のポケモンが遅いためシナジーもなく不採用。
候補④
サザンドラ
突撃チョッキを持たせてバークアウトを撃ち、レジエレキとイベルタルの火力を削いでいく。悪くはなかったのですが、これまたパワー構築としては微妙なところなのと環境にいるエルフーンやオーロンゲのフェアリー技で簡単にやられてしまうため不採用。
色々と試しているうちに見えてきた求めるポケモンの理想像が
①レジエレキに強く電気技を全く受けない地面タイプ
②パルキアやディアルガに対しても強く出れる
③DMすると捨て台詞で腐らせてくるガオガエンを一発で仕留められる
これらの点をふまえて採用したのがガブリアスになります。
同じ地面タイプで最も採用されているのはランドロスですが、ガブリアスを採用した理由は明確で、
②素早さのサポートがなくてもイベルタルやリザードンより速く行動できる
③ダイジェットを起点とするランドロスにおいて、全体的に素早さの遅いこの構築はシナジーがない
④ゴリランダー採用の中での地震は有効に働かず、地団駄の方が強い
⑤威嚇を撒かない為ボルトロスに対しても積極的に出していける
などなど…
その他鮫肌で確定数を変える、または倒せるのも強かったですし、ヌケニンに対しても鮫肌が強いです。
ガブリアスを採用してからはイベルタルとレジエレキに負けることも少なく、白バドレックスとパルキアといった並びにも強くなりました。
また、環境にほぼガブリアスはいないため通しやすかったのも決めての一つです。
個別詳細
エルフーン
いたずらごころ | |
きあいのタスキ | |
ひかえめ | |
H67(252)-*-105-129(164)-107(92)-136 | |
エナジーボール/あまえる おいかぜ/トリックルーム |
C:HBと多少Dに振ったトリトドンを最低限倒せる
D:珠レジエレキのエレキネットと強化無し黒バドレックスアストラルビット確定耐え
エナジーボールはカイオーガに対しても割といいダメージが入る、甘えるでザシアンやゴリランダーの火力を削いでカイオーガを動かしやすくするなど、場に残れば残るだけ仕事をしてくれました。
甘えるのおかげで勝ちを拾えた場面は何回もあります。
気合いの襷は何が飛んできても耐えるために採用。
カイオーガ
あめふらし | |
いのちのたま | |
ひかえめ | |
207(252)-*-110-222(252)-160-101 ※S個体値13 | |
しおふき/こんげんのはどう ふぶき/まもる |
潮吹きと命の珠の相性は良いとは言えないですが、基本的にはDMをして動かしていくため問題はありません。ダイスリームで相手のポケモンをひたすら薙ぎ倒して数的有利をとります。Hに全振りしているのでDM中は中々倒されないのも魅力。
S101は相手のグラードンよりほぼ遅いため天候を取ることができ、追い風時は準速ザシアンのS200を抜くことができます。また、こちらが追い風を貼って黒バドレックスにトリックルームをされてもS202のカイオーガの方がS222の黒バドレックスより速く動くことが可能です。
ガオガエン
いかく | |
シュカのみ | |
わんぱく | |
202(252)-135-132(76)-*-133(180)-80 | |
ねこだまし/フレアドライブ DDラリアット/すてゼリフ |
B:A244ザシアン(A上昇なし)のインファイトを確定耐え
環境にいるパーティに必ずと言っていいほど組み込まれているポケモン。
最初はHBで使っていましたが、威嚇によって物理方面は耐久を上げられるので、BDほぼ均等に割り振ることに。
シュカの実は対グラードンやディアルガ意識。
シュカの実を警戒してディアルガの命の珠ダイドラグーンが飛んできた場合は乱数50%なので注意が必要です。
ザシアン
ふとうのけん | |
くちたけん | |
いじっぱり | |
199(252)-244(252)-136(4)-*-135-168 | |
じゃれつく/きょじゅうざん せいなるつるぎ/まもる |
HA全振りの高耐久、超火力のザシアン。
カイオーガが仕留めきれなかった相手のポケモンをザシアンできっちりと〆る。
聖なる剣とインファイトは迷いどころですが、ディアルガやナットレイなどBを上昇されてしまうとインファイトでは仕留めきれないので聖なる剣を採用。
トリックルーム下で相手のザシアンより速く動きたいためSは無振りに。
身代わりも検討しましたが、攻撃的な動きがメインのこの構築では合わなかったので不採用に。
ゴリランダー
グラスメイカー | |
きせきのタネ | |
いじっぱり | |
203(220)-194(252)-112(12)-*-93(20)-105 | |
ねこだまし/グラススライダー ウッドハンマー/まもる |
A:H4振りDMカイオーガを確定一発
相手のカイオーガを倒すことだけを目的とした技構成。
最近ではウッドハンマーの採用率が少なくなってきていますが、DMしたカイオーガを一発で倒せるのは魅力しかありません。
グラスフィールドと奇跡の種を合わせた草技は超火力で、ウッドハンマーでザシアンのHPを4割程削れるのは凄まじい。
ガブリアス
さめはだ | |
しろいハーブ | |
ようき | |
184(4)-182(252)-115-*-105-169(252) | |
じだんだ/いわなだれ かみくだく/まもる |
A:H全振りザシアンをダイアースで確定一発
Bにそこまで振られていないガオガエンをダイアースでほぼ倒せる
レジエレキとイベルタルが相手にいた場合はほぼ選出して活躍してくれました。
白バドレックスやパルキアにも選出していき、ダイアースで自身と隣のポケモンのDを上昇しながら攻めていきます。
岩雪崩はホウオウやリザードンに対しての打点、怯みでチャンスをもぎ取るなど。
噛み砕くはルナアーラや黒バドレックスにも強いですが、ダイアークでDを下げてカイオーガの超火力を押し付ける動きも強かったです。
ドラゴンクローも一時期採用していましたが、対パルキアにおいてはダイアースでDを上げて盤面に居座ることの方が強かったため不採用。
この構築で苦手なヌケニンに対しても特性や技で強く、ヌケニンを牽制できたりする時もありました。
白いハーブはガオガエンの威嚇やオーロンゲの怖い顔など、様々な場面で役に立ってくれたので正解だったと思います。
選出と立ち回り
基本選出
後発:or+
基本的な動きとしては最初にトリックルーム、相手が中速以下だった場合は追い風を貼って、カイオーガをDMしてひたすらダイスリームで攻めていきます。
カイオーガが仕留めきれなかったポケモンを、後発のザシアンで〆ます。
対ザシアンカイオーガ
後発:+
基本の動きと同じでトリックルームを貼り、カイオーガDMで攻め続けます。
ポイントとしては、エルフーンの甘えるで相手のザシアンやゴリランダーをいかに弱体化できるか。弱体化さえできればカイオーガはDM中生き残れますし、後発のザシアンも動きやすいです。
対ザシアングラードン(Rinya Sun)
後発:+
初手でグラードンを出された場合、基本的にカイオーガの方が素早さが遅いので天候を取れます。天候を取られたグラードンは高確率でトリトドンに引くことが多かったので、そこに合わせてエナジーボールを撃ち込み、カイオーガは強気のダイストリームをするなどギャンブル勝負。
オーロンゲとグラードンで選出されて光の壁を貼られた場合は、エナジーボール一発ではトリトドンを落としきれないのでダイアイスを重ねるなどして対処していく必要があります。
対ザシアンイベルタルレジエレキ
後発:or+
相手の構築にゴリランダーがいる場合はカイオーガを選出しません。
レジエレキとイベルタルが出てきた場合、エルフーンはトリックルーム、ガブリアスはイベルタルにダイロックで削りにいきます。
エルフーンがトリックルームを貼って砂ダメージで綺麗に退場出来るのが理想で、裏のカイオーガで潮吹きを連打して〆ます。
相手にゴリランダーがいる場合はエルフーンはトリックルームをせずに追風で、ガブリアスはダイアースでイベルタルの隣をガンガン削っていく攻め方です(エルフーンバックザシアンでD上昇でもOK)
対白バドレックスパルキア
先発:+
後発:+
モロバレル+パルキアで出してきた場合、パルキアを集中されるのを嫌がり、怒りの粉とパルキアDMのダイドラグーンでガブリアスを倒しにくる傾向が多かったので、ガブリアスをDMしてダイアースをモロバレル方向に、カイオーガは潮吹きでモロバレルを倒しにいきます。ここでパルキアがDMせずトリックルームを貼ると後発の白バドレックスに全てを持っていかれますので、ここもギャンブルになります。カイオーガDMのモロバレルにダイアイスも手としてはありですが、守られてしまうと相当キツイのでやはりギャンブルです。
さいごに
上記のように安定した構築ではなく、ギャンブルを通してパワーを押し付けてく構築になりますが、まずまずの結果を残せていますので割と強いとは思います。
カイオーガやザシアンの素早さが遅いので慣れるまで少し難しいですが、慣れてしまえばやることは単純なので良ければ使ってみて下さい。
レンタルチームID:0000 0008 903T WY
パーティ作成者
ユウ