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はじめに
はじめまして、初のリバティノートへの投稿となりますシャングリラ(@pokeShangrira)です。
今回はJCSの会場大会において、4勝2敗の39位で世界大会への権利を獲得できたグラゼルネ構築について紹介させていただきたいと思います。過去作とは異なり剣盾ではあまり見なくなってしまったゼルネアスですが現環境でも十分強いことをお伝えできたらと思います。
作成経緯
3月の予選前、一緒に考察していたQSさんという方に「初手ガエンバレル+身代わりゼルネアスとその補完に地面禁止伝説を加えた並びが強い。特にゼルネアスの身代わりはザシアン前でのノーリスクの二連守るとして使う事できて強力」と教えてもらい、実際にランクマッチにおいて使用したところ本当に強いと感じたのでそれを軸に構築を組み始めました。強さの詳細については後程別の章を設けて解説します。
構築作成の話に戻りますが、ゼルネアスの相方となる禁止伝説としてザシアンに対しダイマの有無に関わらず確実に対面勝てるポケモンとしてビルドアップグラードンを採用しました。
単体で防御を上げられ為、ガエンの威嚇が無くとも巨獣斬を2耐えできるのが特徴であり剣舞型と比べて殴り合い性能に秀でたグラードンとなっています。残りの2体はカイオーガ軸とグラードン軸に対してそれぞれダイマできるエースとして3月から6月までカミツルギやサザンドラ、リザードン等紆余曲折ありましたが最終的にはオーガザシアンランドロスに対し耐性と耐久値を以て打ち合えるチョッキを持たせたキョダイカメックスと晴れ軸(特にグラリザザシアン)に対する最終兵器としてズガドーンを採用し6匹を決定しました。
剣盾のGS環境におけるゼルネアス
この章では今世代のGSルールにおけるゼルネアスというポケモンについて述べさせて頂きたいと思います。
ダイマックスの耐久上昇による制圧力低下、タイプ一致であるダイフェアリーの追加効果が他のダイマックス技と比較して強力とは言い難い性能である点、そしてゼルネアスのより早くフェアリー耐性を持ち即時火力に優れ安定打点で弱点を突いてくる鋼タイプであるザシアンの登場と過去世代と比べ環境的にゼルネアスには強烈な向かい風が吹いており、実際にその数自体は昔と比べ激減しておりそんなに頻繁に遭遇するポケモンではなくなってしまいました。そんなゼルネアスですが、少なくともこの構築において“ゼルネアスはザシアンに弱い”という理屈は存在してません。ザシアンが居ようが普通に選出し活躍させますし、ザシアンの相方となる禁止伝説によっては有利判定まで出せます。その理由を解説するためにまずゼルネアスの強みについて述べさせて頂きたいと思います。
ゼルネアスの強みの根源、それは言うまでもなくジオコントロールという一手でCDSを2段階上昇させるという破格の性能を持つ積み技の存在です。ゼルネがジオコンを積むとどうなるのか、まず+2ムンフォでほとんどの一般枠のポケモンをワンパンできるようになります。
H175-D160カイオーガが87.5%の高乱数1発(97.7%~115.4%)
上の2体へのダメージ計算から明らかですが等倍相手であれば一般枠だけではなく禁止伝説までが圏内に入ります。重要なのはこの打点をダイマを必要とせず尚且つ特殊打点で打てる点です。先ほどゼルネアスの向かい風として“ダイマックスによる制圧力低下”と述べましたが言い換えればダイマックスしていない相手への打点は一切ナーフを喰らっておらず、むしろメガシンカやゲンシカイキ組が居なくなり数値が落ちた分過去作と比べ相対的に火力が上がっているとまで言えるでしょう。ジオコンを積めば大体カイオーガの雨150ダイストリームに迫る打点を通りの良いフェアリー技で打てるようになります。
ゼルネアスのジオコンムンフォ C193×90×2×1.333×1.5=69480
ザシアンの+1巨獣斬 A222×100×1.5×1.5=49950
このダイマを必要としない打点としてゼルネのジオコンムンフォは他のポケモンと比較して傑出しており、しかもWキュレムの流星群やディアルガの時の咆哮と異なりリスク無しで連打することができます。ゼルネアスの強みの1つ、それはダイマ無しでワンパン打点を連打できる点となっています。
そしてジオコンの効果によりSも2段階上昇してレジエレキの上も取れる素早さも獲得します。当然のことではありますが相手より上から動けるとそれだけで行動回数が増え、また行動の自由度が上がります。何が言いたいのか、みがわりを絡めることによりザシアン前で動けるようになります。
ザシアンの上を取れる点は黒バドレックスを除く他の禁止伝説と明確に異なるゼルネアスの強みです。単純にザシアンの巨獣斬で切り裂かれる前にザシアンの隣のポケモンを+2ムンフォで2回ワンパンすればそれだけで残数有利ですから。「相手に守られたら1-1交換じゃないか、どうするんだ」という懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかしこちらのPTに居るのは猫威嚇捨て台詞を持つガオガエンと怒りの粉とキノコの胞子を使えるモロバレルです。これらのポケモンを用いればゼルネアスの行動回数は増えますし、更にゼルネアスがヘイトを集めることを利用して裏のグラードンのビルドアップの起点を作ることも可能です。
以上を要約するとゼルネアスの強み、それは
・レジエレキも上回る素早さに起因する行動の自由さ
だと考えています。もちろんゼルネアスはダイマックス適正が低くダイマ無しでも強いだけで、ジオコン後にダイマックスできたら凄まじい性能を誇ります。Dも2段階上がっているのでHP上昇と併せて耐久値が大いに上昇し、殴り合いではまず負けなくなります(無降りディアルガくらいなら珠ダメ込みのダイフェアリーで吹っ飛ばせる)
長くなってしまいましたがここまで述べてきたゼルネアスの強みを元に、断片的には記していますが何故ゼルネアスはザシアン軸に有利なのかについてまとめようと思います。
ゼルネアスの基本的な運用はジオコンを積んで火力と素早さを確保、身代わりやガエンバレルにより行動保障を付与しながらワンパンできる相手を倒し残数有利を取る、と言う強みを押し付けるものです。ザシアン軸が有利な理由はこの“ワンパンできる相手”が比較的多く存在している為です。構造的に、ザシアンがいる構築はザシアンという最強の鋼タイプが存在するためそれ以外の取り巻きはフェアリー耐性を軽視し、結果フェアリー技が一貫していることが非常に多くなる傾向にあります(※晴れ軸は除く)。
つまりゼルネアスが非常に良く通り、やりたい事が押し付けやすいのです。ザシアンはダイマができず確実に猫が通り、単体打点しかなくジンゴを持てない為確実に怒りの粉で攻撃を吸うことが出来ることもこちら視点立ち回りを楽にしてくれます。ザシアンの相方がイベルタルやキュレム、ディアルガ等ゼルネが有利な相手であれば尚更強く出ることができ、ザシアン以外をゼルネで吹っ飛ばし最後に残ったザシアンはグラードンで詰めて勝つルートが非常に強力です。
確かによーいドンのタイマンでゼルネアスはザシアンに勝つことはできません。しかしゼルネアスの持つ強みをしっかり活かすことができれば、4vs4のダブルバトルにおいては互角と考えていますし実際そこまで勝率は落としていない結果として残せています。
以上が、自分がゼルネアスを信頼する理由となっています。
<参考:ゼルネアスを使用した3/1~6/1の間の233戦における対伝説ごとの勝率>
全体 | ザシアン | カイオーガ | 黒バド | グラードン |
---|---|---|---|---|
233戦 | 125戦 | 68戦 | 50戦 | 46戦 |
67.81% | 64.9% | 54.8% | 70.8% | 73.1% |
白バド | パルキア | ディアルガ | イベルタル | ソルガレオ |
---|---|---|---|---|
28戦 | 25戦 | 23戦 | 20戦 | 12戦 |
67.8% | 88.8% | 61.9% | 72.2% | 72.7% |
(※対カイオーガで大幅に落としている勝率は他禁止伝説相手に回収できているのでお許しください)
個別解説
ゼルネアス
フェアリーオーラ | |
パワフルハーブ | |
ひかえめ | |
207(44)-*-116(4)-193(196)-122(28)-149(236) | |
ムーンフォース/ジオコントロール みがわり/まもる |
HD:C222カイオーガのダブルダメ雨しおふき耐え(83.0~98.5%)
C217黒バドレックスのアストラルビットを93.7%で2耐え(43.4%~51.2%)
C217黒バドレックスの手助け珠アストラルビットを最高乱数以外耐え(85.0~100.0%)
ジオコン後C222ディアルガの珠130ダイスチル耐え(84.7~99.7%)
C:H195-D137ザシアンを+2ムーンフォースで確定2発(50.7~60.0%)
H350-D121ディアルガを+2ダイフェアリーで31.2%の乱数1発(88.5%~104.5%)
S:1加速で最速黒バドレックス抜き
鹿です。先に散々述べたよう今作においてもジオコンによる理不尽な性能は健在であり、グラードンの出番やダイマックスを必要としないままゼルネアスが大暴れして降参を貰った試合も少なくありません。過去GS比べて明らかにメタが薄く、どこから飛んでくるか分からない吠えるやクリアスモッグ、黒い霧、レッドカードに怯えなくていいのもゼルネ的には嬉しい点でした。
過去作においてはムンフォ/マジシャ/ジオコン/守るで技構成は完成とされており、自分もその固定観念から抜け出せていませんでした。相手を確実にワンパンできる単体打点のムンフォ、ダメージ効率に優れ守る択を回避でき削りとして優秀な範囲打点のマジシャの2ウェポンはゼルネアスを使う上で必須だと。
しかし実際にみがわりを使用したところ今作のゼルネアスに凄まじくマッチしており、必須級と言っても過言ではない技だと感じました。身代わりの強さは先ほど述べましたが、マジシャが必須ではなくなった理由としてやはりザシアンとダイマックスの存在が挙げられます。耐性でフェアリー技を半減のザシアン、耐久上昇によって実質的に耐性を獲得するダイマックスを相手にした時、マジシャのダメージ効率はムンフォと同じ((80×0.75)+(80×0.75÷2)=90)になってしまいます。ジオコン後とは言え威力60の打点では相手をワンパンするには至らないため倒しきるには少なくとも2発必要になってしまいますが、そうなるとザシアンが隣にいる時では身代わりを置いておいても相手1体+ザシアンに対する3割程度の削りとジオコンゼルネアスの不利交換となってしまいます。
逆にこれがムンフォであればたいていの相手はワンパンできる為、相手2体とゼルネアスを交換することが出来ます。 2人に1人以上が構築にザシアンを採用している現環境です、ザシアンは基本相手の場に居るものだと考えましょう。単純な相性では不利なザシアンと戦う上で“対フェアリーとしてザシアンが強力過ぎる故に構築全体ではフェアリー耐性が薄い”という弱点を突くことが重要になる以上、剣盾GSに限ってはウェポンとしてマシシャよりムンフォが優先され身代わりも必須になるのかと考えています。実際、マジシャがあれば勝てた試合も確かにありましたがそれ以上に身代わりのお陰で勝てた試合の方が圧倒的に多いのでこの技選択は間違っていないと感じています。あと身代わりのおかげでパルバドを単騎で破壊できます。
因みに実際にゼルネアスを使うと分かりますが割と2週目のジオコンを積む機会は有り、通ります。パルバド相手に3週目のジオコンを日和って選択せず負けた試合が未だに悔しいので、それ以来ジオコンのチャンスは常に伺うようにしています。ジオコントロールはパワフルハーブが無くても積める点は頭から抜け落ちがちなので注意です。+4ダイフェアリーはH199-D141までのザシアンなら倒せるくらいの火力です。性格は臆病では火力不足を感じる場面が多々あったので控え目推奨。
グラードン
ひでり | |
たべのこし | |
いじっぱり | |
207(252)-200(92)-162(12)-*-128(140)-112(12) | |
だんがいのつるぎ/ストーンエッジ ビルドアップ/まもる |
HB:A222ザシアンの+1手助け巨獣斬耐え(84.0~99.0%)
HD:晴れ下でC222カイオーガの雫ダイストリーム耐え(84.0~99.5%)
A:H306-B99リザードンをストーンエッジで最高乱数以外1発(99.3~117.6%)
S:余り
”天災と呼ばれた“グラードンです。HDに厚く大きく努力値を割き突撃チョッキを持つことでカイオーガ相手にも打ち合える対応範囲の広い一般的なグラードンとは異なり、ビルドアップと食べ残しによりザシアンをより強く意識した型です。
ビルドアップを1回積むだけで圧倒的な物理耐久を誇るようになり、ガエンやボルトロスは勿論ランドロスやグラードン、ザシアンといった物理アタッカーまで詰ませられる事が可能となっています。威嚇や捨て台詞によって簡単に攻撃は下げられる一方、防御を下げる手段は非常に限られている現環境において自ら永続的にBを上げられるのは非常に強力かつ相手視点見えてない択でありグラードン仁王立ちエンドが決まりやすかったと感じます。
剣舞グラードンと違いABを同時に上げる為イカサマに強く出れる他、火力と耐久を同時に上げるので行動回数を確保しやすく、断崖外しによる負け試合が劇的に少なくなります。ゼルネ以外とも組ませてビルドグラードンを使ったのですが、3月の初めからJCS本戦に至るまでの384戦で断崖外しが直接の敗因になった試合は片手で数えられる程しかありません。
断崖の剣を使っていれば当然相手に外すこともありますが、その外しは試合の勝敗にほとんど影響しない場面でのものがほとんどで次のターンに打ち直せばいいだけでした。更に試合の勝敗を決める場面では当然のように命中させてくれるのがこの構築におけるグラードンであり、非常に頼れる存在です。
下にザシアンとのダメ計一覧を載せておきますが、ビルドと威嚇を併せてどんどん確定数がズレていきます。素の物理耐久が高いので威嚇を入れておけば1回までなら急所被弾も許容できうるのが偉いポイントとなっています
B±0時、A244ザシアンの+1巨獣斬: 61.3~72.9%(確定2発)
B±0時、A244ザシアンの±0巨獣斬: 41.0~49.2%(2耐え)
A244ザシアンの+1聖なる剣: 37.1~43.9% (B+1時、A244ザシアンの±0巨獣斬: 28.0~33.3%(3耐え))
A244ザシアンの±0聖なる剣: 24.6~29.4% (B+2時、A244ザシアンの±0巨獣斬: 20.7~25.1%(4耐え))
ガオガエン
いかく | |
シュカのみ | |
しんちょう | |
201(244)-144(68)-122(92)-*-135(100)-81(4) | |
フレアドライブ/DDラリアット ねこだまし/すてゼリフ |
A:H177-B127イエッサンを霰ダメ+ダイアーク (94.9~111.8%)で落とせる値
HD:C222Wキュレムの珠140ダイドラグーン耐え(84.0~99.5%)
D軸のガエンです。バレルと共に基本選出の初手を担っていることもあり、動ける相手が広がるシュカのみを持たせています。猫威嚇捨て台詞によるサポート性能は言うまでもなく、この構築においても大いに活躍してくれました。
キュレムイエッサンに対してはダイマックスをしてダイアークでイエッサンを早期処理しに行くことがあるので少しAを伸ばしています
モロバレル
さいせいりょく | |
きあいのタスキ | |
なまいき | |
221(252)-*-111(164)-105-123(92)-31 ※S個体値0 | |
かふんだんご/キノコのほうし いかりのこな/まもる |
HB:A244ザシアンの+1巨獣斬耐え(84.1~99.5%)
HD:C217黒バドレックスのアストラルビット2耐え(40.7~47.9%)
ガエンと組む基本選出の初手要因です。怒りの粉によるヘイトコントロールときのこの胞子による催眠は当然強かったのですが、禁止伝説がどちらも積みポケモンであるこの構築において花粉団子も非常にマッチしており優秀でした。
身代わりを貼ったゼルネアスに対し使用して体力を維持したり、グラードンが初手から無理やりビルドを積んでもHPが残せるようにしたり多くの場面で活躍してくれました。
カメックス
げきりゅう | |
とつげきチョッキ | |
ひかえめ | |
185(244)-92-121(4)-149(244)-126(4)-100(12) | |
ハイドロカノン/あくのはどう ウェザーボール/ねこだまし |
C:H199-D136ザシアンを晴れダイバーン(82.4~97.4%) +砲撃スリップダメで大体落ちる
H177-D126シードイエッサンがダイアーク(44.0~53.1%) +キョダイホウゲキで落ちる(57.6~67.7%)
H:8n-1
HB:A222ザシアンの+1巨獣斬2耐え(41.6~49.1%)
A197ランドロスの珠ダイジェット2耐え(41.3~49.4%)
HD:C222カイオーガのダイサンダー2耐え(34.0~40.5%)+ (44.3~52.4%)
C177サンダーの140ダイサンダー2耐え(41.0~48.6%)
C167レジエレキの珠140ダイサンダー耐え(74.1~88.1%)
※砲撃スリップダメは1/6=16.7%
相手のカイオーガ軸に対してのダイマックスエースです。巨獣斬とダイストリームに耐性を持ち相手のランドロスとも殴り合える耐久値とタイプを持つポケモンとして白羽の矢が立ちました。普通に火力は足りずホウゲキのスリップダメ込みでなんとか戦えるくらいのポケモンですが、カメックスに求めているのは相手のダイマックスと打ち合うことなのでその点については目を瞑ります。
技構成についてはHPが減った状態からでも打てるハイドロカノン、黒バドに打てて火力補助もできるダイアーク、ダイマ後にもゼルネグラードンのサポートができる猫騙しに加え、最後の1つにウェザーボールを採用しています。これは味方に日照りのグラードンがいるためこの2体が並んでも火力を出せるようにしたかった為です。
ダイバーンはスリップダメ込みでザシアンを落とせる他、構築全体で重いカミツルギを焼けたり、砲撃を受ける為のザシアン→ゴリランダーへの交換を許さなかったりと初見殺し技として要所要所で活躍してくれました。
ズガドーン
ビーストブースト | |
いのちのたま | |
むじゃき | |
128-177(236)-73-180(68)-89-168(204) | |
ビックリヘッド/ねっぷう ロックブラスト/さいみんじゅつ |
A:H306-B99リザードンを-1ダイロックでも確定1発(100.3~118.9%)
HB:A222ザシアンの+1巨獣斬で丁度確定1発(100.0~117.9%)
A222グラードンの威嚇が入った断崖の剣+珠ダメを最高乱数以外耐え(80.4~96.0%)
C:H207-D142までのチョッキグラードンを+1晴れダイバーンで1発(100.4~119.3%)
対グラリザザシアン最終兵器です。この構築においてはグラードンが残飯ビルド型なので相手のリザードンさえ倒せばガエンの威嚇台詞のサポート込みで、グラードンが相手全員詰めてくれます。 ただこっちのグラードンでリザードンを相手にするとHPが削られ過ぎて役割遂行が怪しくなる、カメックスだとトドンを出された瞬間怪しくなってしまう、と言う事でこの系統のリザードンを相手にする事に特化させたダイマエースが欲しいと考えていました。
以前は諸刃の頭突きサザンドラや原子の力リザードン、珠化身ボルトロスなどを使用していましたがどれもリザに上から行動されたりあからさま過ぎて裏のザシアンに交代されたりと安定しませんでした。そんな折、叩きパ繋がりで交流のあったジョンさんに相談したところズガドーンを提案され調べると
・なんかA種族値が127もあるので珠を持ち努力値を回せばリザードンをダイロックで倒せる
・相手のリザをビーストブーストの起点にできたら、ビックリヘッド媒体のダイバーンの威力が150なのでサンパワーリザードンを上回る火力を出せる
等の事実が判明し「相手のリザードンの上からダイロック打てるリザードンじゃん!!!」とテンションが上がった為行けそうな雰囲気を感じ勢いで採用しました。
炎タイプでスカーフや襷も考慮できるためザシアンやグラードンは後出しし辛そうなのも強みであり、実際にはH-Bの種族値がポッチャマと同じ(53-53)であり+1巨獣斬で丁度ワンパンされるなど不安な面もありましたが威嚇で誤魔化せそうな点、何よりズガドーンのロックブラスト及び物理耐久についてちゃんと把握している人はなんてそうそう居ないだろうと考えました。
その後実際に2人のRinya-Sun使いの方とフレ戦したところちゃんとズガドーンが活躍し勝てた為、まぁ大丈夫だろうとJCS本番に持ち込みました。その結果、3-2で迎えた最終戦において実際に相手のダイマリザードンとグラードンを吹っ飛ばす大活躍で世界大会への権利をもぎ取ってくれたのでズガドーンで正解だったと思います。
選出と立ち回り
基本選出(対ザシアンイベルタル、対ザシアンディアルガ、対ザシアンカイオーガ(壁軸))
後発:+
きのこの胞子か捨て台詞のどちらかを通しゼルネアスのジオコンを積む隙を作ります。威嚇を受けるグラードンは極力後発に控えさせ、ゼルネアスで暴れた後に展開させるのが基本ですが1回限りなら相手のオーガの潮吹きにグラードンを後投げして天候を奪えるのでその隙にジオコンを積み鹿で全抜きを狙う事もあります。
対ザシアンカイオーガ(追い風軸)、黒バドカイオーガ
後発:+oror
追い風ザシオーガは先に述べたゼルネアスの強みが基本潰される相手なのでしょうがなくキョダイカメックスを立てます。カメの隣に並べるのは相手にダイマしそうなエレキやボルトが居るならバレル、カミツルギがいるならガエン、ゼルネが全く刺さっていない相手ならゼルネを出して雑にジオコンを積みに行きます。逆に黒バドオーガはジオコンを積んだら勝なので大事に扱いましょう。
対ザシアン黒バドレックス(化身ボルトロス無し)
後発:+
黒バドレックスを迅速に処理するために初手からムンフォとダイアークを集中します。処理した後はグラードン詰めを目指しましょう。
対ザシアン黒バドレックス(化身ボルトロスあり)
後発:+
猫騙し+ビルドアップを積みグラードンにすべてを託します。ゼルネを大事にしても動けないので通ったらラッキーくらいのノリでジオコンを積みましょう、通ったら勝てます。
対ザシアンWキュレム
後発:+
キュレムの隣にイエッサンが居るせいで台詞が通らないので素直に怒りの粉+ジオコントロールを選択、裏からガエンを出しダイアークでイエッサンをさっさと倒します。極力ゼルネアスが身代わりを残した状態で裏のポケモンを引きずり出すようにしましょう。
対白バドパルキア
後発:+
ジオコンを積みながら捨て台詞を選択しバレルを場に置きます。後は身代わりと花粉団子によりゼルネアスのHPを管理しながら相手を削りトリルが切れる1ターン前から攻勢に転じれば大体鹿が全部壊してくれています
対リザードン入りの晴れ軸(Rinya-Sun、グラルナ等)
後発:+
ダイロックでリザードンを吹っ飛ばします。リザが出てこないなら来るタイミングでズガドーンを合わせ直してください。リザさえ倒せばグラードンで詰めて勝ちなので基本初手で試合が決まります。
会場大会におけるグラゼルネの立ち回り
普段のランクバトルと比べ、対戦相手が慎重に長考しがちになる会場大会においては慎重に丁寧にガエンバレルを回しジオコンのタイミングを伺っているとTODで嵌められて負ける可能性があります。実際にJCS前のてるオフの配信卓では時間ギリギリになる試合が散見されたことから、2019ルール時と違い総合20分であってもTODの可能性があることが予想されました。
超速攻型のポケモンであるズガドーンや、砲撃のスリップダメにより無理やり相手を削れるカメックスがいるとは言え試合展開をスピーディーにするため、ジオコンを積むためのサイクルは必要最小限にする、出来るだけ技選択は即決しさっさと試合を進める等を意識したプレイングに本番は寄せた方が無難かとは思います(実際TODでの敗戦は回避できた)
さいごに
約3カ月間使い続けたグラゼルネを使い4-2の成績で世界大会の権利を獲得することができたのは非常に嬉しく思っています。ここまで色々述べてきましたがゼルネアス最大の強みはジオコン後の全能感、無敵感であり他の禁止伝説では味わい難い感覚です。
鹿でイベルガエンエレキを倒しザシアンを場に残したまま降参もらった試合とか最高でした。この記事を読みゼルネアスに興味を持ち使っていただければ幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
レンタルチームID:0000 0000 Y8P5 TK
謝辞
ガエンゼルネバレルの構築の基礎を教えてくださったQSさん、ズガドーンというポケモンを提案してくださったジョンさん、会場大会におけるグラゼルネについて経験を交え丁寧に教えて下さんったkouさん、ポサダブルオフの際にゼルネ構築についての相談にのってくださったユーカリさん、ちゃいぬさん、仮想敵とのフレ戦に付き合ってくださったいとうさん、さとちん、パピュラ、JCS前々日に色菱ゼニガメを交換してくださったラルクさんにはこの場を借りてお礼申し上げます、ありがとうございました。
パーティ作成者
シャングリラ
ゆきふらし所属 PJCS 2022出場&WCS 2022 権利獲得