チームID:99S350
はじめに
こんばんは、ユウキ(@yuki_rotom)です。
ポケモンSV最初の構築記事になります。
今回はダブルランクマッチのシーズン1にて最終24位を記録したパーティを紹介します。
コンセプト
②純正トリパとしての動きも可能
③このゆび+トリルを押さない
④全体技メイン
①くだけるよろいグレンアルマ軸
特性「くだけるよろい」のグレンアルマをエースとしたパーティ。
イエッサン♀+グレンアルマの組み合わせは「このゆびとまれ」+「トリックルーム」の表択を持ちつつ、裏択としてこの「くだけるよろい」グレンアルマによる高速展開を狙えるのが強力。この低速展開・高速展開の両方に初見で対応しきるのは難しく、相反する二択を突き付けられるのは今までにない性能のポケモン。
特にランクマッチのようなBo1形式では初見殺しである程度高い勝率を稼げると考え、見た目を純正トリパになるべく寄せた上で「くだけるよろい」グレンアルマを通せる形を目指した。
②純正トリパとしての動きも可能
グレンアルマが「くだけるよろい」を発動させても上を取れない「おいかぜ」系統に対しては素直に「トリックルーム」を通しに行った方が勝率が高い。
その為、サブプランで「トリックルーム」から攻め切る選出もしっかり狙えるように構成することを意識した。
コータスの採用はその最たる例で、見た目のトリパ感を増すだけでなく実際にトリルから攻め切るカードとして非常に有効。
③このゆび+トリルを押さないトリパ
長年トリパを使って来た経験上、初手「このゆびとまれ」+「トリックルーム」から入る動きの弱さを痛感しているため、なるべくこれ以外の動きから入る構築を目指した。
今作から「おんみつマント」の登場で特性「せいしんりょく」以外のトリル要員も「いわなだれ」等の怯みをケア出来るようになり、前作までよりは裏目は減ったとは言え、1匹を犠牲にして素早さ優位を取った所で上手く「まもる」や交代、テラスタルでトリルを凌がれてしまうと釣り合いが取れない場合は多々ある。
今回は下記大きく2通りの動きで強い「トリックルーム」の使い方を目指した。
今作から新登場のコノヨザルは「いのちがけ」習得ポケモンの中で過去最高のHP種族値をしており、実数217以下のポケモンを問答無用で1-1交換出来る。
ゴーストタイプなので「ねこだまし」無効で、こだわりスカーフを持てば環境にいるほとんどの相手を上から縛れることになる。
イエッサン♀が隣にいればゴーストタイプは大きな意味を持たないように見えるが、それ以外の出し方(例えば初手コノヨザル+グレンアルマ)でも「ねこだまし」で展開を阻害されないのは非常に優秀。
初手「いのちがけ」+「トリックルーム」の動きは「このゆびとまれ」+「トリックルーム」と異なり下記多くのメリットがある。
・スムーズに裏のエースを出せる(壁やデバフによる遅延プランを選択されてもペースが乱れない)
隣のアタッカーで攻撃技を押しながらトリルを選択する。
ここでは簡略化の為相手の攻撃一発ではこちらのポケモンは倒されず、集中攻撃でのみ倒れるとする。
すると大きく下記3パターンに分かれる。
・アタッカー役を集中された場合→トリルが無償で決まり裏からコータス死に出し→「てだすけ「ふんか」連打へ移行
・攻撃を散らされた場合→両者生存で殴りつつトリル成功して一番お得な展開
特にミソとなるのがトリルが失敗しても第二プランがある所。
トリル成功の為に1匹犠牲にせずとも良いというのが気が楽で、柔軟な試合運びが可能。
④全体技メイン
強い単体攻撃を軸にすると「まもる」の択が面倒で勝率が読みや噛み合いに左右されるので、なるべく全体技を主軸に攻められるようにした。
「ワイドフォース」「ふんか」「ねっぷう」「ハイパーボイス」と言った全体技で効率良く相手を倒して行ける為、上を取る盤面さえ用意出来れば「まもる」やテラスタルの読み合いをある程度放棄して展開出来る。
構築経緯
①グレンアルマ軸
まず軸となるグレンアルマを「くだけるよろい」で採用。
トリルでも運用出来るキャラが加速手段を持つことで、二段構えの素早さ操作で相手の上を取って行ける戦術が強力。
攻撃性能に関してもC125族とかなり高く、じゃくてんほけんを持たせることで更に制圧力が増す。
②相棒にはイエッサン♀
グレンアルマのメインウェポンを「ワイドフォース」にしたかったのでサイコフィールドを貼れるイエッサンも採用。
エースを「このゆびとまれ」で守る役割も持てる為単純にじゃくてんほけんコンボとの相性が良い上、今作から「トリックルーム」を習得したので、トリル展開の始動役にもなれる万能サポーター。
イエッサン+グレンアルマの組み合わせはこのような相性の良さから鉄板の並びとして高い使用率となっている。
③保険起動役にコノヨザル
グレンアルマのじゃくてんほけんを起動しつつ「ワイドフォース」を全体技で撃とうとした場合、先発で味方に攻撃しつつ裏のイエッサンを出したい。
すなわち攻撃と交代を同時に行う技「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」「クイックターン」の採用が必要。
これらを使えるポケモンの中でも
・スカーフを持つことで環境のほとんどの相手の上を取れる
・環境にスカーフ型以外も存在する(型を一点読みされにくい)
・トリル始動のサポート役にもなれる
・ヘイラッシャ対策にもなれる
という要素から、コノヨザルを採用した。
④トリルエースのコータス
トリルから攻める場合にエースとなれるポケモンを探した際に真っ先に候補になったのがコータス。
・高威力命中安定全体技の「ふんか」による圧倒的な制圧力
・グレンアルマの炎技強化も可能
という点で噛み合いが良い。
⑤第二エース兼起動役のニンフィア
グレンアルマのくだけるよろい+じゃくてんほけんを発動させる手段は「とんぼがえり」以外にも複数仕込みたかったので探した結果、悪タイプにテラスタルして「フェアリースキン」「でんこうせっか」を撃ち込むコンボに辿り着いた。
ニンフィア自体が下記の通りパーティと噛み合う要素が多々あり、非常に頼れる存在。
・ドラゴンタイプに強く、コータスの「ふんか」との相性補完に優れる
・全体技「ハイパーボイス」で効率良く攻められる
・素早さが遅くトリル下での運用が強い
・「でんこうせっか」コンボが読まれにくい
「でんこうせっか」+悪テラスグレンアルマのコンボはシーズン1でカ・エールさんやshulivgcさんも結果を残してレンタルを公開しており今でこそメジャーになりつつあるが、使い始めた当初はあまり広まっておらず相手の考慮外から決められることが多かった。
また、全体技の「ハイパーボイス」を主体とする為相手の「このゆびとまれ」を選ばせにくいのもコンボ成功率向上に貢献している。
⑥第三起動役兼壁対策のエルレイド
最後はここまでアタッカーが全員特殊に寄っており「ひかりのかべ」「バークアウト」「むしのていこう」等に弱くなり過ぎた為、物理アタッカーを探した。
特に壁+ウインディや壁+ウルガモス等の耐久戦術が非常に辛く、じゃくてんほけんを発動させても耐えられてデバフを入れられてしまい押し切れない展開が多かった。
そこで壁対策となる急所戦術を無理なく組み込める物理アタッカーであるエルレイドを採用。
・ピントレンズ+急所技で50%で壁や「いかく」「てっぺき」等を貫通可能
・相手の悪に強く、グレンアルマの「ワイドフォース」の障害を取り除ける
・「サイコカッター」を味方のイエッサンで強化出来る
・「せいなるつるぎ」でヘイラッシャ等の防御上昇も無視
・味方「かげうち」でグレンアルマのコンボ始動も可能
・「トリックルーム」習得可能な中速アタッカーなのでトリパ感も損なわれず、実際にトリル下運用も強い
これにて綺麗に最後のピースがハマった。
以下に個別に解説する。
個別解説
グレンアルマ
くだけるよろい | |
じゃくてんほけん | |
あく | |
ひかえめ | |
H169(68)-A×↓-B121(4)-C194↑(252)-D101(4)-S118(180) | |
ねっぷう/ワイドフォース はどうだん/まもる |
・A152(+2)ヘイラッシャのW「じしん」耐え
・A200ガブリアスのW「じしん」耐え
・A200ガブリアスの地面テラスハチマキW「じしん」耐え ※等倍時
・A186バンギラスの「かみくだく」耐え
・C189シャリタツのW「だくりゅう」15/16耐え
・C194サザンドラの「りゅうせいぐん」耐え
・C(+2)「はどうだん」で176-121チョッキ砂バンギラス確定
・S(+2)でスカーフ最速コノヨザル(S234)抜き
・S準速ペリッパー抜き
・S4振りウインディ+2
火力を最大にしつつ、「このゆびとまれ」で吸えない全体技を指標として最低限の耐久調整を施した。
素早さラインはスカーフコノヨザルを抜くかどうかが難しい問題で、味方のスカーフコノヨザルより遅くすることでvs寿司戦で削れたヘイラッシャを「いのちがけ」で倒した後にシャリタツへ「ワイドフォース」を撃ち込む「着地狩り」の動きが可能になる一方で、相手のスカーフコノヨザルに全抜きを止められるストレスが付き纏うことになる。
今回は相手のスカーフコノヨザルに怯えずに済む点、素でペリッパーや耐久ウインディ等の上を取れる利便性からS118としたが、スカーフシャリタツ抜き程度に留めるのも選択肢の一つ。
・ねっぷう
タイプ一致全体技。環境に多いエスパー無効ポケモンであるマスカーニャ、ドドゲザン相手に抜群なのが偉い。
専用技の「アーマーキャノン」も非常に強力だが、特攻を2倍にするか「このゆびとまれ」でサポートしつつ行動することを想定している為相手の「まもる」を読まずに効率よくダメージを稼げる全体技の方が良いと判断。
耐久が下がらないのも偉いが、たまに当てたい方に外れるのが難点。
・ワイドフォース
イエッサン♀と組むことでタイプ一致威力120にフィールド補正も乗る壊れ性能の全体技。
前作で登場以来猛威を振るった技だが、今作ではグレンアルマしか覚えない。
「ねっぷう」と異なり命中安定なので、基本はこの技をいかに一貫させるかを意識して立ち回る。本パーティで最も押す回数が多くなる主砲。
・はどうだん
エスパー無効の悪タイプへの有効打。特に炎も半減するサザンドラ、バンギラスを意識して採用。
不採用としていた時期もあったが悪打点があるかないかで選出・立ち回りの幅が格段に異なる為、余裕があれば是非採用したい。
他には「アシストパワー」や「ワイドガード」等も非常に強力。
・まもる
エースとなる為必須。並びを調整して「このゆびとまれ」のサポートや味方殴りからのコンボ起動を待つ。
●テラスタイプ:悪
「とんぼがえり」とフェアリースキン「でんこうせっか」が弱点の悪タイプ。
虫弱点だけならエスパーテラスで「ワイドフォース」の火力を増す選択肢もあるが、過剰気味な火力よりニンフィアとの並びでも起動出来るメリットを優先して悪とした。
元の弱点を消せるのが本当に便利で、マスカーニャの「はたきおとす」「ふいうち」、ドドゲザンの「ドゲザン」「ふいうち」、サーフゴーの「シャドーボール」あたりを半減で受けられるのが強かった。
地味に「むしのていこう」でじゃくてんほけんを発動出来るようになる為、サポートウルガモスに対しても一方的に弱体化されないメリットもある。
テラス前は「バークアウト」でじゃくてんほけんが発動する為、「このゆびとまれ」持ちの隣に置く特殊アタッカーの弱点をかなり克服した存在となれる。
イエッサンのサイコフィールドが切れても特性「いたずらごころ」による妨害を受けない点も高速エースとして優秀。
●持ち物:じゃくてんほけん
弱点技で火力が二倍になる。色々な味方殴りギミックを入れており能動的な発動を狙える。
高い素早さからの高火力全体技で相手を一掃する。
●特性:くだけるよろい
物理技を受けた際に防御が1段階下がり、素早さが2段階上昇する。
「トリックルーム」も習得する為素早さ操作の二択を迫れるのは革命的。
環境初期は「もらいび」がメジャーだったが、最近はこの強力さに気付いた人が多く「くだけるよろい」使用率が上がっている。
尚、複数回発動も可能な為HPに余裕があれば4段階加速して相手の「おいかぜ」展開に真っ向から無理やり抗うことも可能。
イエッサン
サイコメイカー | |
サイコシード | |
ゴースト | |
のんき | |
H177(252)-A×-B128↑(252)-C115-D126(4)-S81↓ ※S個体値0 | |
シャドーボール/このゆびとまれ てだすけ/トリックルーム |
・HB特化
・S最遅
・シャドーボール
唯一の攻撃技。マスカーニャやヤミカラス等の悪タイプに触れる(タスキをケア出来る)ことを条件としていたのでエスパー技は候補から除外し、悪タイプに強い「マジカルシャイン」も候補に挙がりつつもこのポケモンの火力では微々たるダメージしか出ない為見送り。
自身のエースとなるグレンアルマ、コータス、ニンフィアが相手のグレンアルマへの打点に乏しい上「ワイドガード」を押されると厄介なので、グレンアルマの弱点を突ける単体技として「シャドーボール」を採用。
ゴーストテラスタルでタイプ一致に出来る為、不意に相手のグレンアルマやラウドボーン等を大きく削ることで崩しに加われるパターンも存在する。
更に味方グレンアルマに撃ち込むことでじゃくてんほけんの起動も出来るため、イエッサン+グレンアルマの並びでのトリル展開時にもスムーズに超火力を押し付けられる。
(ただし被ダメージが大きい為、グレンアルマのHPよりも目先の制圧力の方が重要と判断した場合のみ狙う)
コノヨザルの「いのちがけ」や「インファイト」、エルレイドの「せいなるつるぎ」をスカして来るゴーストタイプへの打点にもなり、これらとの並びで格闘技と重ねることで相手のゴースト交代にある程度保険を掛けることも可能。
・このゆびとまれ
味方のエースアタッカー達の行動回数を稼ぐサポート技。どのアタッカーと並んでも仕事が出来る。
攻撃を自分に引き寄せて倒して貰うことで任意の並びを作れる点も強力。
「いかりのこな」と異なり草タイプの攻撃もしっかり据える点はマスカーニャが多いこの環境では重要なポイント。
・てだすけ
味方の全体技の制圧力を引き上げる最強技。トリル下のコータスが無敵になる。
・トリックルーム
今作から習得。ただでさえ豊富なサポート性能を持つこのポケモンが素早さ操作まで出来てしまうのだから強過ぎる。
採用理由である「おいかぜ」系統へのカウンターだけでなく、ガチトリパに対するトリル返しにも使えて便利。
●テラスタイプ:ゴースト
イッカネズミ+コノヨザルの対策としてゴースト。「いのちがけ」「ネズミざん」をスカせるので相手の型に依らず安全に展開出来る。
「ドレインパンチ」「ふんどのこぶし」コノヨザルに対してもイエッサンが生存している限り攻撃技は「ドレインパンチ」を選択される為、1ターンを安全に買うことで試合を決めきれそうな場面ではテラスタルを切ることも。
●持ち物:サイコシード
登場時に自身の特性発動と同時に特防が1.5倍になる。特殊耐久を増すことで「このゆびとまれ」のサポート回数増加や「トリックルーム」成功率向上が見込める。
●特性:サイコメイカー
サイコフィールドを展開し、地に足の着いたポケモンは先制技が無効となる(味方攻撃時を除く)。
グレンアルマとの相性が非常に良く、「ワイドフォース」の威力増強だけでなく「くだけるよろい」の弱点となる防御ダウンを先制技で突かれる心配がなくなる。
特性「いたずらごころ」による妨害への耐性も得られる。ヤミカラスやヤミラミの「さきおくり」等に邪魔されずにトリルエースや高速エースを通せるようになる。
コノヨザル
やるき | |
こだわりスカーフ | |
かくとう | |
ようき | |
H217(252)-A136(4)-B100-C×↓-110-156↑(252) | |
いのちがけ/インファイト ふんどのこぶし/とんぼがえり |
先制「いのちがけ」の縛り範囲を最大にする配分。攻撃は抑えて味方グレンアルマの負担を軽減。(A4振りしてもB121悪グレンアルマへの「とんぼがえり」のダメージは変わらない)
・いのちがけ
トリル展開時の最強技。面倒な相手を無理やり持っていくことで技の一貫を作れる。
特にテラスタルによる耐性変化の影響を受けない点が最高で、サザンドラやバンギラス、ドドゲザン等が格闘耐性を持つテラスタルで凌ごうとしても問答無用で倒せる為、彼らを倒してグレンアルマの「ワイドフォース」を通しやすくなる。
ヘイラッシャ対策にもなれる点が非常に優秀。これまた相手のテラスタイプに左右されない対策である点も重要。
・インファイト
タイプ一致で悪タイプの弱点を突けるメインウェポン。純粋にグレンアルマとの相性が良い。技威力のお陰で無振りでも火力が意外と出る。
・ふんどのこぶし
「いのちがけ」無効のゴーストタイプを殴れる。攻撃を食らう毎に威力が50増す壊れ技で、スカーフ型以外ではこの技がメインとなるがスカーフ型ではあまり撃つ場面はない。試合終盤に数的不利を取っていて「いのちがけ」も選べず、味方が2匹以下で「とんぼがえり」も意味がない場合に選択する候補。初撃はタイプ一致で威力75で「とんぼがえり」の70と大差ない為、状況によっては最悪味方グレンアルマを殴る選択肢にもなれる(残り2匹でグレンアルマと並んだ場合等)。
・とんぼがえり
味方殴りによるギミック起動用。隣のグレンアルマを悪テラスしつつじゃくてんほけんを起動し、くだけるよろいを発動する。
そしてそのまま裏のイエッサンに交代することでCS+2のフィールド「ワイドフォース」を一手で放てるのが強い。
実際に綺麗に決まる場面は多くはないが、この動きを警戒させることで相手の選出や立ち回りに制限を掛けられる点も採用価値が高い。
マスカーニャの4倍弱点を突くことが出来、たまにいるタスキ以外のマスカーニャを出オチさせられるのは強い。
●テラスタイプ:格闘
基本は「いのちがけ」で退場するか味方にテラスタルを切りつつ「とんぼがえり」なのでこのポケモンでテラスタルを切る場面は下記を除いてほとんどない。
それが「いのちがけ」を選択せずに生存してテラスタルを温存したまま試合終盤を迎えた場合だが、その場合は何かしらの技で上から相手を倒し切りたいと想定される。
「インファイト」か「ふんどのこぶし」のどちらでビートして行く方が多いか考えた際、「ふんどのこぶし」は初撃の威力が50であり全抜きにはかなり手数が掛かることから「インファイト」の方が適していると判断し、「インファイト」選択時の縛り範囲を拡大出来る格闘を選択した。
「ふんどのこぶし」による全抜きを狙う場合は耐性変化で被弾数を稼いで威力UPを狙える鋼や炎が候補だろうか。
●持ち物:こだわりスカーフ
上から「いのちがけ」「とんぼがえり」を撃てる範囲を増やす為のこだわりスカーフ。
最速ドラパルトを大きく上回る素早さとなり、こだわりスカーフや素早さ上昇特性のない相手には上から動ける安心感が素晴らしい。
●特性:やるき
元々の役割と配分的にアタッカーとしての性能は期待しておらず、「いかく」を貰っても問題ないため「まけんき」は除外。
むしろグレンアルマに「とんぼがえり」を撃ちたい展開で「いかく」で攻撃が上がると被ダメージが増えるのはデメリットである。
残るは「やるき」と「せいしんりょく」の二択だが、パーティ全体でモロバレルを始めとする催眠技への耐性が不足している点から「やるき」とした。
最近増えている「あくび」ヘイラッシャに対しても仕事を完遂しやすくなる点は大きなメリットだと感じた。
一方で対バンギラス+ルガルガンで「いわなだれ」怯みに対して運負けをケア出来る「せいしんりょく」も悪くない。
現環境では圧倒的にヘイラッシャの方が多いため「やるき」で良いが、構築の弱点や環境によりカスタマイズ性があるのはこのポケモンの魅力の1つ。
コータス
ひでり | |
こだわりメガネ | |
ほのお | |
れいせい | |
H177(252)-A×-B160-C150↑(252)-D91(4)-S22↓ ※S個体値0 | |
ふんか/ねっぷう ソーラービーム/だいちのちから |
・S最遅
・ふんか
HP満タンで威力150の全体技となるメインウェポン。トリル下で先制で撃てれば高い制圧力となる。
・ねっぷう
HPが削れた場合の全体技。非トリル時でも行動させられる。
・ソーラービーム
vs水タイプ用。「ワイドガード」の厄介なキョジオーンに対する最高打点でもある。
・だいちのちから
vs炎タイプ用。「もらいび」を持つグレンアルマやウインディ、コータスミラー等で役立つ。
●テラスタイプ:炎
このポケモンは整地してから殴るポケモンなので純粋に火力を追求した炎。
晴れ+炎テラス+「てだすけ」+こだわりメガネ「ふんか」のダブルダメージでHP振りガブリアスやサザンドラすらほぼ一撃。
半減でも関係なく沈める超火力が手に入り、テラスタルによる耐性変化でも凌ぎ切れない。
●持ち物:こだわりメガネ
基本炎技しか撃たない上に一撃で倒し切ることを狙う為、最大限火力を伸ばせるこだわりメガネ。
●特性:ひでり
晴れ状態にして自身やグレンアルマの炎技の威力を増す。
砂や雨パに対して天候を取り返す目的でも使える。
ニンフィア
フェアリースキン | |
のどスプレー | |
ほのお | |
ひかえめ | |
H191(164)-A76↓-B90(36)-C178↑(252)-D151(4)-S87(52) | |
ハイパーボイス/テラバースト でんこうせっか/みきり |
・HP16n-1
・A162マスカーニャのハチマキ「トリックフラワー」耐え
・A167(+2)ヘイラッシャの地面テラスW「じしん」耐え
・C178ニンフィアのメガネW「ハイパーボイス」255/256で2発耐え
・S4振り65族(ブラッキー等)抜き
火力を最大にしつつ、耐久も非トリル下で動かしても殴り合える程度に。
・ハイパーボイス
ノーリスクの全体攻撃であるメインウェポン。
・テラバースト
「ワイドガード」対策の単体技。それだけなら追加効果が強い「ムーンフォース」も悪くないが、テラスタル時に炎タイプのサブウェポンとなれる点を評価。
・でんこうせっか
味方のグレンアルマへのコンボ起動用。単純にタイマン性能が向上し、タスキマスカーニャ等の処理を狙えるのは優秀。ただしサイコフィールドが切れてからでないと地面に足が着いた相手には通らないことに注意。(味方にはフィールド下でも通る)
・みきり
グレンアルマとの並びを作るのに使ったり、単純に狙われやすい為採用。「まもる」でないのは「ふういん」対策。
●テラスタイプ:炎
主にサーフゴーの「ゴールドラッシュ」やミラーの「ハイパーボイス」への耐性獲得を意識。
ついでにマスカーニャの「トリックフラワー」、ドドゲザンの「アイアンヘッド」耐性も。
鋼半減となるタイプの中では水や鋼も視野だが、攻撃面で「テラバースト」でサーフゴーやモロバレルの弱点を突ける点を評価。コータスの晴れとの相性も良い。
●持ち物:のどスプレー
一度「ハイパーボイス」を使うことで火力が上がり、相手を制圧しやすくなる。
特攻を上げることで自身にヘイトを向けさせてからの「でんこうせっか」グレンアルマが強く、うまく行けば火力が上がったグレンアルマ+ニンフィアの並びで一気に試合を持って行ける。
エルレイド
きれあじ | |
ピントレンズ | |
はがね | |
いじっぱり | |
H159(124)-A194↑(252)-B86(4)-C×↓-D136(4)-S116(124) | |
サイコカッター/せいなるつるぎ つじぎり/かげうち |
・HP16n-1
・A200ガブリアスの地面テラスW「じしん」耐え
・A182ガブリアスのハチマキW「じしん」15/16耐え
・C147ペリッパーの「ぼうふう」15/16耐え
・C194サザンドラの珠「りゅうせいぐん」14/16耐え
・C203サーフゴーの鋼テラス珠W「ゴールドラッシュ」耐え
・C203サーフゴーの「シャドーボール」15/16耐え
・S無振りウインディ抜き116
・S準速バンギラス+3
壁パや砂パとのマッチングを意識した素早さ調整。
・サイコカッター
急所に当たりやすいメインウェポン。特性で威力70→105に強化される上にサイコフィールドで更に強化される為非常に高威力。
自身の持つ格闘技を半減するモロバレル等の弱点を突けるのが優秀。
・せいなるつるぎ
特性込みで威力135と「インファイト」以上の威力になるのに反動もない壊れ技。
急所率は普通だが、相手の能力上昇を無視する追加効果のお陰で「てっぺき」やヘイラッシャの合体に強い。
・つじぎり
メインウェポン2つを半減以下にするサーフゴー、ヤミラミ、エスパータイプ全般への打点となるサブウェポン。
特にパーティ単位で打点不足気味なグレンアルマに対する貴重な有効打。
こちらも急所率が高い上に特性で威力105になり、強力。
・かげうち
タスキのケアに便利な先制技。
味方グレンアルマのじゃくてんほけん+くだけるよろいコンボを先制で起動出来るのが便利。
●テラスタイプ:鋼
アタッカー性能は充分ある為、行動回数を確保したい場合に使えるテラスタイプを選択。
主に「このゆびとまれ」で防げない「ゴールドラッシュ」「ハイパーボイス」「ワイドフォース」への耐性、バンギラスの「テラバースト(飛行)」への耐性を意識して鋼とした。
「まもる」不採用の為盤面に維持するのが難しいが、耐性変化を駆使して生存出来る場面が増える。
●持ち物:ピントレンズ
「サイコカッター」「つじぎり」の急所率が1/8→1/2まで上昇。
瞬間火力が低いサポーターや積みアタッカーが多めの壁パーティに対しては「このゆびとまれ」サポートを受けて充分に試行回数を稼いで突破が狙える。
●特性:きれあじ
今作からの新特性。切る技の威力が無条件で1.5倍となる壊れ特性で、元々の高い攻撃種族値と相まって想像を遙かに上回る火力を手にした。
他にも「アクアカッター」「リーフブレード」等、対象となるサブウェポンが充実しており選択肢が多い。
選出/立ち回り
高速始動選出
後発:+or
初手で悪テラスした味方グレンアルマに「とんぼがえり」を選択し、イエッサンを出すことで初動で実質S234からのC194(+2)サイコフィールド「ワイドフォース」を相手全体に撃ち込める。
この動きが分かっている相手は大きなプレッシャーを受けてこれをケアした行動することになる為、そこを突いて有利な展開を作れる。
相手が隙を見せた場合はそのまま上から相手2匹を倒してイエッサン、グレンアルマが生存し、次ターン「このゆびとまれ」で援護しつつ再度攻撃すればあっという間に4タテが決まる程の爆発力があるコンボ。
実際は相手が何とかしてグレンアルマを倒しに来るが、その場合は相手を大幅に削った上でイエッサンが安全に着地しておりコノヨザルも無傷の為、「いのちかげ」+「トリックルーム」によるスイッチトリル展開へ移行出来る。
全体技を持つコータスやニンフィアはトリルエースとしても優秀だが、トリルしない場合においても役に立つ。
コータスは晴れでグレンアルマの「ねっぷう」の威力を増せる為初手で「ワイドフォース」ではなく「ねっぷう」を選んだ場合の交代先候補になれる。
ニンフィアは「でんこうせっか」でグレンアルマのじゃくてんほけんを起動出来るため、コノヨザルで「いのちがけ」を選ぶことも可能になる。
上から、下からの柔軟な展開を場合によって選んで行けるのがこのパーティの強み。
(参考動画)
ガチトリル選出
後発:+or
トリル下のコータスで制圧出来そうな場合の選出。
主に「おいかぜ」系統はアタッカーが多く全体的に耐久が低い為、炎テラス「ふんか」が受からない場合が多い。
とつげきチョッキ持ちでなければ半減程度ではガブリアス、サザンドラ、ウインディ等がいても貫けるため、天候を奪う手段や壁がなければこの選出が可能。
初手で「ちょうはつ」等を持っていそうな方や「ふんか」を耐えそうな方に「いのちがけ」をしながら「トリックルーム」をし、コータスを死に出し。
後は適宜「てだすけ」や「このゆびとまれ」をしつつ炎テラス「ふんか」で相手を一掃する。
グレンアルマがトリル終盤~終了後に相手と殴り合える性能をしており、相手の最後が物理アタッカーならトリルが切れた後もくだけるよろいで上を取って倒し切れるのが偉い。
ニンフィアはコータスが倒しにくいドラゴン勢に強めで、耐久も高く「でんこうせっか」もある為最後の詰めの駒として優秀。
中速選出
後発:+
「このゆびとまれ」+「ハイパーボイス」でダメージを効率良く稼ぎつつタスキ削り。
通りが良ければニンフィアだけで数的有利を狙える。
イエッサンが倒れたらグレンアルマを死に出しし、悪テラス+味方「でんこうせっか」で「くだけるよろい」+じゃくてんほけん発動。一気に上からの「ねっぷう」or「ワイドフォース」で一掃を狙う。
相手にサーフゴーやウインディ、ウルガモス等がいて「ハイパーボイス」の通りが悪いまたはニンフィアの行動に不安が残る場合はエルレイドを先発させ、後発にニンフィア。
グレンアルマの刺さりが良く、全体技でグレンアルマを倒されそうにない場合は先発からイエッサン+グレンアルマとしても良い。
いずれにしても「このゆびとまれ」によるサポートでアタッカーの攻撃回数を稼ぎつつ先制技+グレンアルマの並びに繋げて行くプランは同じ。
いかにして最終的に「ワイドフォース」を一貫させるかを考えて試合運びをする。
事前に悪タイプを処理したり悪タイプにテラスタルを切らせること、きあいのタスキ等を削ることが重要。
ニンフィアもエルレイドも対面した悪タイプを処理するかテラスを切らせやすいポケモンなので、相性が良い。
逆にグレンアルマやエルレイドのエスパー技を警戒して悪テラスを切った相手を後から「せいなるつるぎ」や「ハイパーボイス」で回収する動きも可能で、これらのアタッカー達の攻撃範囲の相性が非常に良い。
また、相手に「おいかぜ」要員がおり上からの制圧が厳しい場合やトリルの刺さりが良い場合はトリルから攻めて行くプランもある。
この時、攻撃技とトリルを同時に押すことでトリルが通ればトリル下の低速アタッカーで制圧、イエッサンが集中されてトリルが通らなかった場合はグレンアルマによる高速展開へとプランを柔軟に切り替えて行けるのが本選出の強み。
vs寿司
後発:+
味方「とんぼがえり」+悪テラス「ワイドフォース」を択の1つとして押し付けつつ展開。相手はそれをケアした行動(ウルガモスの「いかりのこな」やグレンアルマ方向集中等)をする為、こちらはグレンアルマとコノヨザルを大事にしつつ数的有利を狙う。
特にコノヨザルは相手のヘイラッシャ合体まではHPを温存したいので、安全に「とんぼがえり」を決められそうにない場合はグレンアルマ「まもる」+イエッサン退き。
相手の選出は寿司以外の2匹を先発にしていることが多いので、「このゆびとまれ」と全体技を駆使して相手の2匹を先に倒してから寿司を引きずり出し、「ワイドフォース」+「いのちがけ」で処理する。事前にグレンアルマが加速出来ていると展開が楽。
最後はニンフィアでシャリタツを倒して勝ち。
(参考動画)
【ポケモンSV】イエッサングレンアルマvs寿司【ダブル対戦動画】
vs壁パ
後発:+
コノヨザルの「いのちがけ」でオーロンゲを即処理して「リフレクター」しか貼らせず、裏のグレンアルマを通しに行く。
エルレイドが50%で「リフレクター」や「いかく」を貫通してくれる為、イエッサン+エルレイドで「このゆびとまれ」をしながら殴っているだけでも勝ってしまう場合すらある。
グレンアルマは「かげうち」によるじゃくてんほけん起動を狙いたいので、序盤から行動回数確保の為エルレイドにテラスタルを切っても良い。
vs雨/砂パ
後発:+
天候要員が初手で出て来ない場合はコノヨザルの「いのちがけ」でさっさと相手の頭数を減らして天候合戦の交代先を減らす。
出て来た場合はコータスに下げつつ相手の「すいすい」要員等の高速エースを「いのちがけ」で倒す。
高速エースを潰して天候を奪取してしまえばグレンアルマで制圧を狙える。
相手の高速枠がルガルガン、カジリガメのような全体技持ちの場合はこれが良いが、フローゼル等の単体技持ちの場合はイエッサンの「このゆびとまれ」を駆使して処理を狙ったり、「トリックルーム」を狙うプランもあり。
ただしペリッパーの「ワイドガード」には注意が必要。「ワイドガード」読みの単体技を駆使して崩したい。
おわりに
今回の記事は以上となります。最後までお読み下さりありがとうございました。
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ではまた次回の記事でお会いしましょうノシ
チームID:99S350
パーティ作成者
ユウキ
関東の子育てポケモントレーナー。シングルとダブルの二刀流。【公式実績】PJCS2018 36位、WCS2018 DAY2 世界51位、PJCS2021,2022本戦出場 【執筆】ポケフリーク、ポケストラ、三才ブックス「真・バトル奥義」シリーズ、GameWith育成論/パーティ紹介【オフ運営】シングル厨のつどい、真皇杯