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はじめに
かなた(@d123monoris)です。
今回は、 2023年1月28日に宮城県仙台市で開催されました第25回東北ポケモンオフで準優勝した構築記事の紹介になります。
構築経緯
東北ポケモンオフ、及びランクマッチシーズン2の構築を考えるに当たって、友人のぐんぐる(@gunngunnguluto)に相談したところ「バンギラス+ルガルガン+ヘイラッシャ+シャリタツ」のパーティが海外大会で活躍していると聞き、自分もその並びを試してみました。
試したところ、シーズン序盤もあり初手バンギルガンは簡単に2桁順位に入るくらいの強さはありましたが、回していくと徐々に順位を維持できなくなり以下の点が気になっていきました。
〇1ターン目の駆け引きだけ見れば出し勝ちか五分五分しかない初手は強力だが、実際はバンギラスにテラスタルを切ることを強要されており、バンギラス自体はテラスタルによってD上昇と
スリップダメージ無効を失い弱体化しているため、後半逆転されるパターンがある。
〇相手のバンギルガンへの対策が進んでいる。単純にいかくに弱い。
また、以下の改善点にも気付きました。
〇初手にひこうテラスタルを切るならば、いかくも効かないせいしんりょくカイリューの方が火力が高い。そもそもテラスタルを切らずともじならしが撃てるようになる。
〇チョッキバンギラスは受けだししやすいので後ろにいても強い。
以上のことから、初手でバンギルガンから入るより、ルガルガン+カイリューから臨機応変にバンギラスにスイッチする動きが強いと考えました。
そこにミラー及び長期戦対策のじわれヘイラッシャ、寿司コンボへの偽装かつルガルガンが出せない場合の高速ポケモン枠としてスカーフシャリタツ、最後にイッカコノヨ、サーフゴーを意識した2枚目のエースとしてウルガモスを採用した6匹となりました。
「ルガルガンを出すときはバンギラスと一緒」と出し方を固定するよりは選出の幅が広がる形となりますが、これは考え方によっては選出ジャンケン、択ゲーの要素が増えて動かし方が難しくなったとも言えます。
しかし、そもそも知られている並びを使うと決めた時点でシンプルな立ち回りで勝つことは不可能であり、オフ会の優勝はランクマッチで上位を目指すよりは対戦回数が少なくて済むこと、対面対戦であるため、顔見知りや別の大会、過去の公式戦の上位入賞者であればある程度動き方が予測できることから、パーティの扱いやすさを犠牲にして対応力を上げる形をとりました。
個別解説
ルガルガン(まひるのすがた)
すなかき | |
きあいのタスキ | |
ゴースト | |
ようき | |
H150(0)-A167(252)-B85(0)-C×↓-D86(4)-S180(252)↑ | |
いわなだれ/まもる がむしゃら/じならし |
アタッカーというよりは主軸、パーティの攻撃の起点を作るゲームメイカーと表現した方が適切でしょうか。上からいわなだれを連打し、ひるみによるスキ作りと相手の警戒をいわなだれに向けさせることで脇のアタッカーの攻撃を通すように立ち回ります。じならしも脇のサポート用です。
初手からバンギラスと並べることは少ないため最速。テラスタルはしんそく、ねこだましの裏をかいてがむしゃらを通せることと、すなかきによっていわタイプじゃなくてもスリップダメージが発生しないためゴーストとしました。
バンギラス
すなおこし | |
とつげきチョッキ | |
ひこう | |
いじっぱり | |
H197(172)-A204(252)↑-B131(4)-C×↓-D121(4)-S91(76) | |
いわなだれ/テラバースト かみくだく/けたぐり |
S:じならしと合わせて耐久ベースのコノヨザル抜き
クッション兼ルガルガンの擬似的なS操作役です。「実際に選出する見せポケ」とも言えるかもしれません。積極的にバンギルガンから繰り出すのではなく、あいてのおいかぜやくだけるよろいに合わせてバンギルガンの形にします。イエアルマのワイドフォースorアシストパワーをテラスタルを切らずに止められるのも優秀。
ひこうテラスタルは、バンギラス自身が弱体化する要素もあるので、なるべく切らずに済む立ち回りを目指します。
ルガルガンと並べる場面が多くないためだめおしではなくかみくだく採用。技の威力が大人しいためA振り切りで、Sはじならしと組み合わせて耐久ベースのコノヨザルは抜けるように多少振ってあります。(準速まで振り切られると抜かれます)
バンギルガンの並びを全く作らない訳では無いので、テラスタルはひこう。
シャリタツ(のびたすがた)
よびみず | |
こだわりスカーフ | |
ドラゴン | |
おくびょう | |
H171(220)-A×↓-B85(36)-C140-D115-S147(252)↑ | |
だくりゅう/りゅうせいぐん りゅうのはどう/こごえるかぜ |
ガブリアスとケンタロスが同居するような、明らかに初手ルガルガンから出せない相手に出すゲームメイカーその2です。
ルガルガンにはいわなだれとじならしの二つの展開ルートがありましたが、こちらはこごえるかぜから展開する形になります。パーティ全体の特殊火力が低めなので、りゅうせいぐんも重宝する場面があります。調整は最速かつ物理耐久優先。
ヘイラッシャ
てんねん | |
たべのこし | |
ひこう | |
いじっぱり | |
H225-A143(76)↑-B135-C×↓-D108(180)-S87(252) | |
ウェーブタックル/まもる じわれ/みがわり |
A:11nで最低限の火力確保
S:Aを確保したうえでミラーで先にみがわりを貼るため準速
対寿司ミラー及びキョジオーン等の耐久戦で力を発揮します。
長期戦志向のパーティにはいわなだれのひるみのアドバンテージが薄まるため、強引に対処するためじわれ採用です。
あくびではなくみがわりなのは、しおづけやほうしを防いでヘイラッシャ自身の場持ちを良くした方がいいと判断したことと、じわれを当てたいポケモンは限定されているので、それらに引きを誘発するあくびは役割と噛み合っていないと判断しました。
いわゆる合体しない寿司ですが、これは「ヘイラッシャに求める役割で技を決めたら、合体したら弱い構成になった」「後述のウルガモスorカイリューを通す構築なので、無理して寿司コンボを通す必要が無い」ことに起因します。
調整はミラーで相手のあくびより先にみがわりを撃ちたいのでようき最速にしたかったのですが、じわれへの依存度が上がって低命中技を振り回すだけのポケモンになってしまったので最低限の火力確保のためにいじっぱり準速。Aは11n調整。
カイリュー
せいしんりょく | |
こだわりハチマキ | |
ひこう | |
いじっぱり | |
H198(252)-A204(252)↑-B115-C×↓-D120-S101(4) | |
しんそく/テラバースト じだんだ/アイススピナー |
構築のエースアタッカーその1です。
ルガルガン+カイリューから出して、いわなだれもしくはじならしから高火力テラバーストを通していきます。
いわなだれは、思考停止で撃ってもアドバンテージを取れるお気軽な技の印象がありますが、一度ひるみを引いたらそこでゲームを決めなければいつか相手は行動してくるため、構成段階では緻密な調整が必要な技でもあります。
初手のルガルガン+カイリューも強いし、後ろから出しても、しんそくでスイーパーになってくれるので何かと便利です。
少しでも相手の攻撃を耐えて欲しいのと縛れる範囲を増やしたいため明確な調整先は無くHA振り切り。
ウルガモス
ほのおのからだ | |
ヨロギのみ | |
くさ | |
ひかえめ | |
H187(212)-A×↓-B94(68)-C176(36)↑-D126(4)-S144(188) | |
ねっぷう/ちょうのまい ギガドレイン/まもる |
B:悪テラスドドゲザンの珠ふいうち耐え
C:11n
S:ちょうのまい1回で最速ドラパルト抜き+1
採用の意図としてはカイリューから出せない時に代わりにルガルガンとペアを組むエースアタッカーその2なのですが、環境的にこちらの出し方の方が多くなってしまいました。イッカコノヨ、サーフゴーあたりがいたらこの初手から入るので、当たり前と言えば当たり前ですが・・・
いわなだれで相手が怯んだ隙に、カイリューは高火力技で相手の残数を減らしにいきますが、ウルガモスはちょうのまいを積んでアドバンテージをとりにいきます。
流行っていたウルガモスが、むしのていこう、いかりのこなでサポートに特化するか、めがね+オバヒでアタッカーに特化するか二極化してところに7世代のカポエラー+ウルガモスのような構成だったので後で飲み会で「実質チヲハウハネ」とか言われましが、ルガルガンのいわなだれ連打は相手目線では非常に厄介である一方、使い手目線でも不安要素が多すぎる為、せめてその相方は恒常的に安定火力を出せるほうが良いと判断しての積みアタッカー採用となっています。
物理耐久は悪テラスドドゲザンの珠ふいうち耐えを意識しています。(多少余裕を持たせています)。
素早さはちょうのまい1回で最速ドラパルト抜き+1。Cは11の倍数、と各方面ギリギリの調整です。
ヘイラッシャにギガドレインで弱点が付けるのと、パーティ全体でじしんが重めなので、テラスタルは草。
選出と立ち回り
基本選出
後発:+ or or
ルガルガンでサポートしながらカイリューのテラバーストを通す選出です。
ひるみ+テラバーストで残数を削っていきます。
カイリューに強力な単体攻撃があるため安易にワイドガードが打てないのも良し。
対イッカネズミ+コノヨザル、サーフゴー
後発:+
結果的には基本選出以上の選出率となった並びです。
対イッカコノヨ戦は、いわなだれ+ちょうのまいから入りますが、イッカネズミからのちょうはつがウルガモスに入るとやや厳しいです。
ウルガモスにテラスタルを切らなくても戦えるため、ウルガモスが落ちてもルガルガン+カイリューの形にできればコノヨザルは対処できます。
ルガルガンが先に落ちると中速ポケモンだらけになるためなかなか厳しいです。
対トリックルーム(イエッサン+グレンアルマ含)
後発:+
いわなだれを連打するか、バンギラスの単体攻撃と合わせていきます。
バンギルガンはイエアルマに強めの並びですが、相手もそれは承知で初手からイエアルマの形で来ることは少ないため、
対イエアルマではなく、対トリパと表記しています。
対ガブリアス等
後発:+oror
どうしてもいわなだれが通らない時の選出ですが、一番選出率が低いです。
シャリタツとヘイラッシャを同時選出する際は、よびみずが味方のウェーブタックルも吸ってしまうため注意してください。
さいごに
東北ポケモンオフは、LPR(リバティポイントランキング)2023の集計対象になっていないため、構築記事の掲載も無いものと思っていましたが、試しに寄稿を申し出たところ受け付けて頂ける運びとなりました。リバティノート様がプレイヤーにとって開かれた場であることに感謝すると共に、プレイヤー側からも、コンテンツが充実するように働きかけるような形がこれからも続いたら素敵だと思います。
余談:直撮りで見えにくいですが、本パーティを使用した決勝戦はこちらになります。
第25回東北ポケモンオフ 決勝戦 かなたVSくうはく
余談その2:構築名は、実在するか賛否両論なゴビ砂漠の未確認生物「モンゴリアンデスワーム」から
チームID:XLHY2N
パーティ作成者
かなた
近所のスーパーボール掬い大会優勝/PJCS2021全国出場/旧裏ポケカ2020準優勝(新殿堂)/そろばん3級/東北ポケモンオフ主催/みんなもポケモン、ゲットだ勢。/アイコンはゆりちゃんから