ブーさんの構築記事

【PJCS2025予選第3回 最終17位】ぽんぽこカイナと暗示バド

ブーさんのパーティ

チームID:QHTJJ8

はじめに

ブー(@poke_love_cIub)と申します。思考の言語化が好きです。本記事でも曖昧な表現は極力避けて詳細に言語化することを心がけます。

第3回予選にて18勝2敗 最終17位で爆勝ちできたウハウハモテモテ構築をご紹介します。

構築経緯

はじめに着想を得たのは流音さんの「壁チオンジェン×カイオーガ構築」でした。

この構築と実際に対戦して

・壁下でカイオーガとチオンジェンが並んだ時に「どちらか一方を無視するともう一方が突破できなくなる詰み盤面となり、こういった盤面を能動的に作成できる点」が強力

だと感じました。(理由は以下3点)

①範囲攻撃ではチオンジェン、カイオーガを倒しきることが難しい。
②チオンジェンに集中した場合、カイオーガが自由に動いて大ダメージを被弾してしまう。チオンジェンの”まもる”の存在も考慮しなければいけない。
③カイオーガに集中した場合、チオンジェンが「やどりぎのたね+たべのこし」でHPを大幅に回復してしまい、”まもる”を絡めて突破不可能になり得る。

一方で、レギュレーションGにおいて受け寄りの構築は「運要素との向き合い方」が難しいことも痛感していました。

禁止伝説ポケモンの高いステータス水準から放たれる「きゅうしょ」への一撃は能力ランク無視、壁貫通によって受けが成立しないダメージになり、一瞬でゲームプランを崩壊させます。

また、”でんじは”は禁止伝説ポケモンの機能停止を狙える点で採用率が増加しており、受け構築が前提とする「行動の試行回数」が増える程こちら側に不利な永続運ゲーとして向き合うことを余儀なくされています。

そこで思いついたのが「攻め要素で無視できない2体のポケモンを並べる」構築です。

「どちらか一方を妨害するともう一方の攻撃が上から通りゲームが終了する」
これを理想展開として構築作成を開始しました。

要素の抽出

僕が構築に組み込んだ「無視できない攻め要素」は三つです。

無視できない要素①

圧力の高い禁止伝説ポケモンです。
レギュレーションGにおいて禁止伝説ポケモンが試合に与える影響は非常に大きく、禁止伝説ポケモンを上手く処理することは時として勝利に直結します。
そのため、禁止伝説ポケモンは存在するだけで無視しづらい要素となり得ます。
ここで求める要素は火力と制圧力です。「相手よりも素早く」「多くのポケモンを一撃で瀕死にさせる」ことを重要視します。
また、要素②③との攻めの相性補完も重要視します。

無視できない要素②

一般枠の”はらだいこ”による超速展開を採用しました。
リスクは伴うものの、展開できれば一般枠であれど十分に「無視できない攻め要素」となります。
ここで求める要素は「奇襲性(はらだいこのイメージが無いこと)」「高い耐久力」「禁止伝説ポケモンとの攻めの相性補完が取れること」です。

無視できない要素③

持ち物、場の状態(天候,フィールド等)によって初速から高火力を出せるポケモンを採用しました。
全てのポケモンに対して無視できない要素になるわけではないが、多くのポケモンを倒しきることができ、構築全体としての立ち回りが柔軟になることを意識します。
サポート要素を強く持ちながらダメージレースに干渉できるポケモン、こだわりアイテム(Choice Band or Specs)で相手の調整意図を崩すポケモンのイメージです。
ここに求める要素は「汎用性」「柔軟性」です。

各要素の落とし込み

要素①~③で攻めの相性補完を取りたいため、考えやすい要素②の”はらだいこ”アタッカーから選定しました。

要素②
テツノカイナが最適と判断しました。
構築作成時のシーズン27~28時点で、テツノカイナの持ち物は「とつげきチョッキ」が採用率90%前後というデータが残っており、型が画一化している傾向があったためです。
要素②に求めた「はらだいこのイメージが無いこと」を満たしつつ、「耐久力」も申し分ないです。

テツノカイナ

要素①
「テツノカイナ」の素早さ種族値は50と鈍足なため、”トリックルーム”を主軸にする必要が生まれました。
禁止伝説ポケモンの超火力が飛び交うレギュレーションGにおいて、一般ポケモンで安定して”トリックルーム”を展開することは難しいため、禁止伝説ポケモンで”トリックルーム”を展開することに決定しました。
ソルガレオ、ルナアーラ、白バドで迷いましたが紆余曲折して白バドレックスに決定しました。

白馬バドレックス

決定理由は以下3点です。

①”じこあんじ”、強力な範囲技を覚えるため、はらだいこテツノカイナをコピーすることで白バド自身も強力な「無視できない要素」になり得る
②高水準な耐久種族値により、テラスタルによる耐性変更を加味して多くの攻撃を受けきることができる
③使用率が高く、テンプレートが存在するポケモンのため、相手との共通認識外のムーブを取り入れることがそのまま強力な要素になり得る

要素③
トリックルーム展開を採用するにあたり、少ないターン数で相手のリソースを削ることが重要になります。
特に”まもる”はターン稼ぎとして優秀な技で、トリックルームを使用する側は相手から”まもる”の正当性を剥奪する必要があります。
特性ふかしのこぶしにより、唯一”まもる”を無視することができるウーラオス「こだわりハチマキ」を持たせることで要素③としました。

ウーラオス

能力上昇ギミックで対応しづらいヘイラッシャを処理しやすい点を評価して「いちげきのかた」で採用しています。

要素①:じこあんじ白バド
要素②:はらだいこテツノカイナ
要素③:こだわりハチマキウーラオス(いちげき)

の3体を軸として決定し、補完枠に以下3体を採用することで構築が完成しました。

①いかく、”すてゼリフ”で起点盤面を作成し、はらだいこ展開の安定性を高めるガオガエン
②先制技対策、対ミライドン構築におけるフィールド奪取の役割を持ちながら、サイコフィールドのエスパー技威力補正により攻め要素を兼ねるイエッサン♀
③特殊技の威力を弱めることでトリックルーム展開の安定性を高めつつ、”カタストロフィ、じわれ”で自身も無視しづらい要素になり得るディンルー

ガオガエンイエッサンメスディンルー

白馬バドレックステツノカイナウーラオスガオガエンイエッサンメスディンルー

個別解説

白馬バドレックス

特性じんばいったい白馬バドレックス
持ち物メンタルハーブ
テラスタイプくさ
性格なまいき
実数値(努力値)H207(252)-A194(68)-B170-C×-D191(188)-S50
ブリザードランス/タネばくだん
じこあんじ/トリックルーム
調整
HD:テラスタル時、C217黒バド@こだわりメガネ ゴーストテラスてだすけWダメアストラルビット確定耐え
A:余り
S:個体値3で実数値最遅テツノカイナ+1

”はらだいこ+じこあんじ”によって超火力を実現できるため、無理なくクリアチャームの破棄、極端な特殊耐久調整が可能になっています。

レギュレーションGにおけるトリックルームはアストラルビット、しおふきを受けきることが必要なためテラスタイプはみず、くさから選択することになると考え、サブウェポンとして採用した”タネばくだん”の威力上昇、”キノコのほうし、いかりのこな”対策を兼ねられるくさにしました。

S実数値はテツノカイナの”いわなだれ”で倒しきれなかったポケモンをしろのいななきの起点にできたり、1ターンで”はらだいこ+じこあんじ”が可能になる点を評価して50にしました。51になると最遅アカツキガチグマと同速になるため、50の必要があります。

また、”ちょうはつ、いたずらごころアンコール”を選択されやすいため、持ち物はメンタルハーブにしました。次点でラムのみ、おんみつマントも良いと思います。

テツノカイナ

特性クォークチャージテツノカイナ
持ち物オボンのみ
テラスタイプみず
性格ゆうかん
実数値(努力値)H252(180)-A176-B138(76)-C×-D120(252)-S49
はらだいこ/ドレインパンチ
いわなだれ/みきり
調整
A:配分効率を考慮して補正あり。
HB:テラスタル時、A200ウーラオスのすいりゅうれんだ+アクアジェット、A特化(238)白バドのWダメブリザードランスを受け、全ての被弾時に最高ダメージ乱数を引かなければ被ダメージ50%未満で”はらだいこ”したうえで生存。
HD:できるだけ高く

自身が無視できない攻め要素②になりつつ、白バドの強化パーツになるポケモンです。
特殊耐久が低いためHDベースにしつつ、テツノカイナを初手出ししたい対白バド構築における「ウーラオス(れんげき)+白バド」の盤面をケアできるようHBに努力値を割きました。

オボンのみをたべられないこと、A+6テツノカイナの攻撃で倒しきれない点から対白バドとの殴り合いを意識してみずテラスタルです。

ウーラオス

特性ふかしのこぶしウーラオス
持ち物こだわりハチマキ
テラスタイプどく
性格ゆうかん
実数値(努力値)H187(92)-A200(252)-B120-C×-D101(164)-S91
あんこくきょうだ/ふいうち
インファイト/どくづき
調整
HBD:A以外の努力値258を総合耐久指数が最大になるよう配分
S:最遅

遂行速度を重視したこだわりハチマキ型です。

持ち物によって行動を保障できないため、耐性変更とサブウェポンの強化を兼ねられるどくテラスタルを選択しました。

Sは多くのタケルライコ、ゴリランダーをトリックルーム下で先に攻撃できる点を評価して最遅にしています。特にタケルライコはテラスタルによるダメージ軽減ができないため、上から行動することがウーラオスの行動回数を増やすことに繋がります。

イエッサン♀

特性サイコメイカーイエッサンメス
持ち物ぼうじんゴーグル
テラスタイプフェアリー
性格のんき
実数値(努力値)H177(252)-A×-B128(252)-C115-D126(4)-S81
サイコキネシス/このゆびとまれ
いやしのはどう/トリックルーム

調整意図:特になし

他の攻め要素のサポートをメインとしつつ、威力補正サイコキネシスで自信も攻め要素を兼ねるポケモンとして運用します。
モロバレル、ウーラオス(れんげき)に打点を持てる点が優秀です。

ディンルー

特性わざわいのうつわディンルー
持ち物とつげきチョッキ
テラスタイプどく
性格のんき
実数値(努力値)H261(244)-A130-B177(124)-C75-D118(140)-S45
カタストロフィ/バークアウト
じごくづき/じわれ

調整意図:特になし

特性とバークアウトの連打によるデバフ効果で攻め要素の行動回数を増やすこと、カタストロフィによってブリザードランスの確定範囲を伸ばし、しろのいななきの起点を作成することが主な役割です。

盤面によっては無視され得るポケモンなので、選択するだけで相手に無視しづらい強制力を与える”じわれ”を採用しています。

ガオガエン

特性いかくガオガエン
持ち物おんみつマント
テラスタイプフェアリー
性格のんき
実数値(努力値)H202(252)-A135-B151(220)-C×-D115(36)-S58
ねこだまし/はたきおとす
ほえる/すてゼリフ
調整
HB:B特化ザマゼンタのボディプレスのダメージ乱数が変動するライン
S:最遅

白バドと共に初手選出し、下からすてゼリフを撃ちながらテツノカイナを安全に着地させることで起点盤面の作成を担います。
立ち回りの噛み合い次第で詰み得るてっぺきザマゼンタを強制交代させる目的で”ほえる”を採用しました。

また、ザマゼンタに確実”ほえる”を当てるため、”ボディプレス+隣のあく技”をタイプ受けできるフェアリーテラスタルにしています。

選出と立ち回り

基本選出

先発:白馬バドレックスガオガエン orディンルー
後発:イエッサンメスウーラオス or テツノカイナ

ガオガエンで”すてゼリフ”をしながら”トリックルーム”を展開し、起点盤面を作成して”はらだいこ+ブリザードランス or じこあんじ”
”ねこだまし”読みの”まもる”、交代を誘発しやすいため強気に選択しても通りやすい。

対白バド

先発:白馬バドレックステツノカイナ
後発:イエッサンメスウーラオス

レジエレキ、岩オーガポン等が共存するSラインが高めなことが予想される白バド構築にはこの選出をします。1ターン目はテラスタルはらだいこ+トリックルームで展開し、トリックルームを返されることを避けつつテツノカイナに”じこあんじ”することで制圧を目指します。

対ミライドン(対面、サイクル)

先発:白馬バドレックスディンルー
後発:イエッサンメステツノカイナ

不利な構築です。ミライドン+リキキリンで選出されることが多いです。

1T目:テラスタルトリックルーム+カタストロフィ→リキキリン
2T目:ブリザードランス+じごくづき→リキキリン

で、トリックルームを返される可能性があるリキキリンを最優先で処理します。
トリックルーム終了後にミライドンの”マジカルシャイン”でスイープされる展開になりやすいため、6T目の盤面は白バド+イエッサンを並べたうえでフィールドを奪取できている状態が望ましく、”いやしのはどう”で白バドのHPを7~8割程度まで回復しておきたいです。

対カイオーガ(対面)

先発:白馬バドレックスガオガエン
後発:イエッサンメスウーラオス

ガオガエンはカイオーガ構築に共存しやすいアマージョやパオジアンにいかくを入れる目的と、相手にねこだまし読みのアマージョ交代を誘発させる目的で初手に選出します。また、シンクロイエッサン+カイオーガの選出は”ねこだまし+しおふき”が選択されやすいためガオガエンもカイオーガに対して”ねこだまし”を選択します。ガオガエンの役割はこれだけなので、”しおふき”で迅速に倒してもらいます。

多くのカイオーガ構築にあくタイプの一貫性があるため、”ブリザードランス+あんこくきょうだ”で1回のトリックルーム中に相手のリソースを大幅に削ることを意識します。

対ルナアーラ(メテオビーム型)

先発:白馬バドレックスガオガエン
後発:ウーラオスディンルー

あくタイプに対する打点が少ない構築が多いため、複数のあくタイプで圧力をかけます。
特化ルナアーラのメテオビームは白バドに対して70.5~84.1%のダメージ量かつ、メテオビームはガオガエン方向に選択されやすいため、メテオビーム受けのためにテラスタルを切る必要性は薄いです。

1T目:すてゼリフ→ルナアーラ+トリックルーム
2T目以降:カタストロフィ+ブリザードランス、ブリザードランス+あんこくきょうだで制圧を目指す

対寿司入り構築

先発:白馬バドレックスガオガエン
後発:ウーラオスイエッサンメス

寿司合体後に”あんこくきょうだ”2回で倒します。

合体ヘイラッシャに対して”じこあんじ+あんこくきょうだ”を選択すると、白バドとウーラオスの素早さ関係が逆転するため、次のターンに”あんこくきょうだ”でヘイラッシャを倒しつつ”ブリザードランス”でシャリタツに攻撃することができます。(トリックルーム中想定)

また、全能力+2白バドが強いためその後の展開が楽になります。
ボディプレスを受けるためにテラスタルはウーラオスで切りたいです。

さいごに

新しい白バド、はらだいこテツノカイナを開拓できたので嬉しいです。
残り期間が少ないルールですが、ぜひこの構築で遊んでみてください。

ブーさんのパーティ

チームID:QHTJJ8

パーティ作成者

ブー

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