はじめに
はじめまして。ぽけにし(@pokenishi)です。
剣盾ダブルランクマッチS5で最終8位、INC MAY でレート1813で最終13位を記録した構築について紹介します。
コンセプトは「あくび+ひらいしん+後発ダイマックスギャラドス」です。
交代など立ち回りのスキルに頼る部分が少なく、やることが単純で扱いやすい構築を目指して組みました。
構築時の自分用のメモをもとに書いたので多少読みづらいかもしれませんがご容赦ください。
構築経緯
エース:ギャラドス
INC FEB で補完で入れたギャラドスの後発ダイマックスによる逆転性能が強いと感じ、後発ダイマックスギャラドス軸の構築を煮詰めていくことにしました。
あくび:カビゴン・ニンフィア
後発ギャラドスで制圧していくために、ダイマックスを使わずに相手の先発ダイマックスをしのぎ、かつギャラドスのお膳立てのできる先発を考えて、あくびによる行動制限・起点作り性能に注目しました。
あくびは必中で、眠りにしろ交代にしろダイマックス技を打たれる回数を減らすことができ、かつあくびを入れて倒されることでギャラドス着地のターンに実質2対1の状況を作れるため、安全にダイジェットを積み始めることができます。
あくび役を選ぶ条件として、相手の先発ダイマックスポケモンにあくびをいれ、かつ1ターンは耐えてほしいことから
①高耐久であること
②あくび読みの選出やあくびを阻害する行動を取られにくいこと
③あくびが通らない場合や非ダイマックス先発に対して打ち合える最低限の火力があること
の3点が重要だと考えました。
最初に、弱点が少なくて攻撃・耐久の種族値が高いカビゴンが挙がりました。
いまでこそあくびカビゴンはちらほら見ますが、当時のダブルでは鉢巻型やはらだいこ型が多く、ほとんど読まれませんでした。覚える技のタイプが豊富なため、弱点をつけば相手を大きく削ることも可能です。
次に、相手の初手に応じて柔軟にあくびを入れられるように、もう一体のあくび役としてニンフィアが入ってきました。
ニンフィアの優秀な点は、特殊耐久の高さに加えて、ハイパーボイスの火力がある点、ハイパーボイスがあるのでこの指とまれを打たれにくく狙ったポケモンにあくびを入れやすい点、トゲキッスに比べてあくびを読まれにくくタイプ上初手ダイサンダーを誘わない点です。初手でカビゴンと並べた時に相手の格闘タイプに圧力をかけられる点もうまくマッチしていました。
ひらいしん:ドサイドン
上記のように考えながら、気分転換で某ポケモン漫画の手持ちを真似て、ピカチュウ、フシギバナ、ギャラドス、カビゴン、ニンフィア、ピッピで潜っていたところ、S4最終89位とかなり勝てました。その過程で、ピカチュウのひらいしんがギャラドスの弱点を守るだけでなく、あくび回避のために打たれるダイサンダーを吸う動きが強いことに気づきました。
ただ、ピカチュウはあまりにも耐久が低い上に火力を求めるとタスキも持てないため、その代わりに準速タスキひらいしんドサイドンの採用を決めました。
ドサイドンは攻撃力と物理耐久が高く、特殊技や弱点技はタスキで耐えてひらいしんを残すことができ、素の素早さは遅いもののダイジェットで加速すれば上から岩雪崩で圧力をかけることができます。
物理アタッカーが並ぶので威嚇がきついようにも思えますが、ギャラドス、ドサイドンともに主要な威嚇ポケモンであるガオガエンやウインディの弱点をつけ、ギャラドスは相手を倒せば自信過剰でリカバリーできるので妥協できる範囲と考えました。
補完:シャンデラ、ペルシアン(アローラのすがた)
ここまでで、先発カビゴン+ニンフィア、後発ギャラドス+ドサイドンとして結構勝てそうだったので、これを基本として補完のメンバーを考えました。
試合を振り返って多かった負けパターンが以下の3点でした。
②先発が晴れサンパワー、うそなき、弱点保険、ふくろ叩きなどの超火力や岩雪崩怯みで崩壊する
③ダイマックスポケモン(特にひこうタイプ)のラムのみ、ダイフェアリー、特性等であくびが通らない
上記の①に対しては、最後に倒せればいいので、後発ギャラドスの横に置くポケモンを変更して対応することにしました。①のようなパーティは電気タイプのポケモンがあまり入っておらず、ドサイドンを外しても問題ないケースが多いと思いました。そこで、炎技持ち、かつ、挑発または霊悪技持ちの特殊アタッカーを探したところ、シャンデラが浮かんできました。
サマヨールやナットレイと一緒にいるミロカロスやアシレーヌへの打点がある点、相手の格闘技や味方カビゴンのじばくをすかせる点、パーティの見た目が少しトリックルームっぽくなり、型の誤認を誘える点が良いと思いました。
②と③に対しては、おのさん原案(@onoDyna)、だびでさん(@dabide_Ggst)作成のもの同じ後発ギャラドス構築のレンタルパーティを使い込んでみて、先行での壁やバークアウト、素早さ操作による行動回数確保が強いと感じ、その要素を取り入れることにしました。
リザードンやジュラルドンより素早くこれらの動きができて耐久力のあるポケモンを探して、ペルシアン(アローラのすがた)にたどり着きました。
素早さ種族値115からのバークアウトやこごえるかぜに加えて、悪タイプによるいたずらごころ無効、特性による高耐久、イカサマにより火力に振らなくても攻撃性能があり弱点保険やふくろ叩きを牽制できること、ねこだましやちょうはつによる補助など、ほしい要素をたくさん持っていました。
こうして構築の6体が決まり、使いながら技や持ち物、振り方を調整していきました。
個別解説
ポケモン及び技は採用順です。INCではランクマッチS5の構成を少し修正して使ったので、INCの構成を基本として、ランクマッチ版との相違点は適宜注釈で示しています。
ギャラドス
特性 | じしんかじょう |
持ち物 | ラムのみ |
性格 | ようき |
実数値(努力値) | 171(4)-177(252)-99-*-120-146(252) |
技 | とびはねる/たきのぼり まもる/パワーウィップ |
本構築の軸でダイマックス率9割以上のエース。
火力と素早さに振り切り、1段上昇でドラパルトを抜けるようにようきにしました。
特性は勝ち気負けん気にも出して行けて、火力UPや相手の威嚇に対するリカバリーができるじしんかじょう。
エースとしてギャラドス自身が機能停止しないことが最も大事なので持ち物はラムのみ。
タイプ一致技2つのほか、トリックルーム・追い風ターンの消費、盤面整理に使えるまもるを採用。最後の技は水タイプに打点を持ちたかったのと、ダイマックスが切れた後の使い勝手を考慮してパワーウィップを採用しました。
カビゴン
特性 | あついしぼう |
持ち物 | フィラ |
性格 | いじっぱり |
実数値(努力値) | 251(124)-154(76)-117(252)-*-131(4)-57(52) ※ランクマッチではHP36 攻撃164振り |
技 | あくび/DDラリアット かわらわり/じばく |
先発あくび役その1
1ターン目の相手の攻撃を耐える必要があるため防御は振り切り。HPは陽気バンギラスの手助け馬鹿力をほぼ耐えるまで振りました。タイプ一致格闘技が絡まなければ、集中攻撃を受けてもだいたい耐えることができます。
ダイジェットやこごえるかぜの恩恵を受けることが多いので、1段上昇で無振り付近の60族やバンギラスを抜けるように素早さに振っています。
最低限の火力がほしいので補正は攻撃にかけて残りの努力値を振りました。
特性は晴れパに強くするためあついしぼう。
持ち物はオボンのみが使いやすかったのですが、おみとおしでの型誤認も期待してINCではフィラのみとしました。
技構成は、あくびの他、ドラパルトやサマヨールへの打点となるDDラリアット、バンギラスへの打点となりラプラス軸に勝ちやすくなるかわらわりを採用。
残り一つの技は、自主退場による盤面形成、ギャラドスの圏内に入れる削り、この指とまれ+積みへのカウンター、あくびや宿り木の解除などに使えるじばくを採用。相手にあくびを入れてから自爆することで守られる可能性が低く、また交代読みで相手の削りたいポケモンに当てやすくなります。
守るやノーマル技がほしい場面もありましたが、この構築では上の4つの技のほうが有用と感じました。
ニンフィア
特性 | フェアリースキン |
持ち物 | リリバのみ |
性格 | ひかえめ |
実数値(努力値) | 201(244)-63-105(156)-154(76)-151(4)-84(28) |
技 | あくび/ハイパーボイス まもる/マジカルフレイム |
先発あくび役その2
1ターン目の相手の攻撃を耐えるため、HPと防御に厚く振りました。いじっぱり珠ドラパルトのダイホロウ(130)をほぼ耐えることを目安にしました。
60族の同速を避け、上からマジカルフレイムを入れたりガオガエンを削ったりするために素早さに少し振り、残りを火力に振りました。
持ち物は初手のドリュウズやジュラルドン、トリル下のナットレイに対して動かせるようにリリバのみを採用しています。
技構成は、あくびの他、雑に削りを入れるハイパーボイス、初手で落とされそうな時に1ターン稼ぐ必要があるのでまもる、特殊アタッカーの火力低減とナットレイへの打点のためのマジカルフレイムを採用しました。
ドサイドン
特性 | いじっぱり |
持ち物 | きあいのタスキ |
性格 | ひらいしん |
実数値(努力値) | 191(4)-221(252)-150-*-75-92(252) |
技 | いわなだれ/10まんばりき まもる/がんせきほう |
ギャラドスの横に並ぶ非ダイマアタッカーその1。
ギャラドスの弱点を守り、ダイサンダーを吸ってあくびを通すために特性はひらいしん。
ダイサンダー読み繰り出し時の出落ちリスクの低減と、弱点技を気にせず強気で立ち回れる点から、持ち物はきあいのタスキを採用しました。
ダイジェットで加速して上から岩雪崩などで圧力をかけるために準速で攻撃と素早さに振り切り。
素早さ1段上昇でだいたいのロトムやトゲキッス、2段上昇で非砂ドリュウズやウインディ、3段上昇でドラパルトを抜くことができます。
地面技はじしんも選択肢ですが単体火力を重視して10まんばりきとしました。場にひらいしんを残したり、ねこだましや状態異常を防ぐためのまもるを採用。
最後の技にはがんせきほうを採用しています。単純にタスキで耐えた後の最大火力となるほか、後発で出てくるサマヨールやミミッキュをギャラドスの1段上昇タイプ一致ダイマックス技とあわせて倒せる可能性があり、タスキを盾にして先に展開されたダイマックス飛行タイプに切り返すことができます(耐久無振りならほぼ一撃)。
シャンデラ
特性 | ひかえめ |
持ち物 | いのちのたま |
性格 | もらいび |
実数値(努力値) | 159(188)-54-111(4)-190(60)-111(4)-132(252) ※ランクマッチでは特攻と素早さに振り切り |
技 | ねっぷう/シャドーボール まもる/エナジーボール |
ギャラドスの横に並ぶ非ダイマアタッカーその2。
まれにダイマックスさせます。
技構成はナットレイやアーマーガアを倒すためのねっぷう、安定打点となりサマヨールを倒すためのシャドーボール、様子見や延命したいときのためのまもる、水や地面タイプへの打点となるエナジーボールを採用。
ギャラドスのタイプ一致ダイマックス技とシャドーボールでサマヨールをほぼ倒せるように、いのちのたまを持たせて必要な努力値を振りました。
また、ギャラドスのダイソウゲンとフィールド込エナジーボールでダイマックスHP252振り水ロトムを倒すことができます。
素早さはロトムやホルード意識で準速、残りは耐久向上のためHPに振りつついのちのたまの反動ダメージ最小としています。
ペルシアン(アローラのすがた)
特性 | おくびょう |
持ち物 | ロゼルのみ ※ランクマッチではとつげきチョッキ |
性格 | ファーコート |
実数値(努力値) | 172(252)-72-88(60)-96(4)-92(52)-168(140) |
技 | バークアウト/イカサマ こごえるかぜ/ちょうはつ ※ランクマッチではちょうはつではなくねこだまし |
リザードンやキュウコンの上から動けるように素早さに振り、残りをHPに全振りした上で防御と特防に振り分けました。
防御は陽気ドラパルトの2段上昇物理ダイドラグーン(130)を耐えるくらい、特防はチョッキまたはバークアウト込みでひかえめ珠ジュラルドンのダイドラグーン(140)を耐えるくらいです。
技構成は、特殊アタッカーの火力を下げるバークアウト、物理アタッカーへの打点となるイカサマ、隣の行動回数確保や後発へのつなぎになるこごえるかぜを採用しました。
残り1枠は、ランクマッチでは相手の行動阻害やとつげきチョッキによる特防上昇のために猫騙しを採用していましたが、基本的に先発で出して交代させないのでねこだましが腐りがちなこと、受ける特殊攻撃の多くがフェアリータイプだったことから、INCでは持ち物をロゼルのみに変更してちょうはつを採用しました。
チョッキを着ないことでジュラルドンなど特殊アタッカーへの安定性は下がりますが、バークアウト込みでたいていのダイフェアリーを耐えられたり、おみとおしで補助技がないことがばれないのは良い点でした。
ねこだましがほしい時もありましたが、2ターン目以降も使えて、やることがない時に打っておけば守るやこの指とまれを考慮しなくて良くなる点ではちょうはつに分があります。
選出と立ち回り
基本的にどんな構築に対してもやることは同じで、先発で相手の攻撃をしのぎながら削り、後発ギャラドス+もう一匹で一気に勝ちにいきます。
基本選出
先発:から2体
後発:+or
先発は相手のやりたいことをうまく凌げそうな二体を選びます。
感覚的なものですが、基本的にカビゴンとニンフィアを出すつもりで、ジュラルドン、リザードン、アイアント、ギャラドス、ウオノラゴン、ホルード、ふくろ叩きの並び、ひらいしん+飛行タイプの並び、ドラパルト+格闘タイプの並びなどを見たらペルシアンの選出を検討する、くらいのイメージです。
後発は基本はドサイドンで、ナットレイやアーマーガア入り、晴れパや電気技のなさそうな構築にはシャンデラの選出を検討します。
イレギュラーな選出の例として、パッチラゴン入り、アイアント入り、サマヨール入り晴れパ、ウォーグル入りなどに対しては、ドサイドンやシャンデラを先発に出すことも検討します。
基本的な動きは、1ターン目はダイマックスしてきそうなポケモンにあくびをうちつつ、2体が生き残ることを目指します。
2ターン目は、相手を削ったり素早さを下げたりしつつ、ダイサンダーが想定される場合はドサイドン交代を検討します。
2ターン目にこちらの先発が倒されたとしても、無傷のギャラドスを繰り出し、相手が1ターン確定眠りをしている間にダイジェットを積みながら上から制圧する体制を整えます。相手のダイマックス権を消費させてギャラドスとドサイドンの並びを作れれば、残数3対4でも(時には2対4でも)十分逆転できます。
相手が初手でダイマックスを切ってこない場合には、あくびで相手の選出を見ながら削ってギャラドスやドサイドンの圏内に入れていきます。特に、ダイマックスされて辛いポケモンを交代際に削ることを狙います。
相手の先発にあくびが有効でない場合には、初手から攻撃して数的有利をとりにいったり、特攻ダウンやこごえるかぜで相手を弱めながらギャラドスを着地させてダイジェットで上からの制圧を目指したりします。
対トリックルーム軸
基本的に先発のトリックルームは防がずに、あくびなどを使ってターンを稼いでいきます。
こちらの先発は高耐久で、後発は守るとダイマックスやタスキがあるので、だいたい5ターン耐えきれます。
トリル最終ターンにギャラドスをダイマックスさせて相手のトリックルーム役を削りに行ったりシャンデラを繰り出したりして、2度目のトリックルームを防ぎます。
あくびによるターン稼ぎができないブリムオンやダイマックスアシレーヌには、マジカルフレイムやバークアウトを当てていきます。
対おいかぜ軸
こごえるかぜやあくびを使って、ギャラドス、ドサイドンが上から殴られる回数をできるだけ減らすように立ち回りながらダイジェットを積んでいきます。
カビゴンの自爆や、ドサイドンのタスキを盾にした動きを使って無理やり打ち合いに持っていくこともあります。場合によってはギャラドス先発も選択肢に入ります。
対ダイジェット軸
先にダイジェットを積まれて上から制圧されないように立ち回ります。
ダイマックス飛行タイプはラムのみ持ちが一定数いるので、こごえるかぜを使い、あくびが通らなくても最低限ダイマックスギャラドスでの殴り合いに持ち込めるようにします。
ギャラドスを早めに出したり、タスキドサイドンで圧力をかけに行くことも時には有効です。
さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
もしご質問、感想、改善案などあればtwitter(@pokenishi)までご連絡ください。
幸運にも恵まれたとはいえ結果を出せてとても嬉しいです。
まだまだ対戦経験が浅いので、上達に向けて更に精進していきたいと思います。
構築を考えるに当たり、先人の残した記事などをたくさん参考にさせていただきました。この場を借りてお礼いたします。
パーティ作成者
ぽけにし
社会人ポケモントレーナーです。 シングル、ダブルちょっとずつやります。コダックがまあまあ好き。剣盾S5ダブル最終8位