レンタルチームID: 0000 0003 G75Y 3R
はじめに
リバティノート運営のシャンディ(@ChandyHolmes609)です。
ポケモン日本一決定戦2020 王者決定戦のマスターカテゴリで優勝することができました。
応援、お祝いしてくださったみなさま、ありがとうございました。
構築経緯
このパーティは日本一決定戦 本戦で使用したパーティの改良版なので、まずは簡単に本戦で使用したパーティの構築経緯から紹介します。
日本一決定戦 本戦の使用パーティ
本戦で使用するパーティを考えるにあたって、流行しているフシギバナ+コータスを軸としたパーティをまずは自分で使ってみようと思いました。
↓そのときのパーティはこんな感じです。
先発トゲキッス+ウーラオスで場を荒らし、後発ダイマックスフシギバナかサブプランのトリックルーム+ダイマックスバンギラスのどちらかに繋げることをコンセプトとしたパーティになっています。
このパーティを使って感じたことは以下の通りです。
・先発トゲキッス+ウーラオスは技を急所に当てやすく、いかくやバークアウトなどの能力ダウンを受けても交代せずに相手を削り続けられることが強い。
・トゲキッス+ウーラオスの先発は相手のドラパルトやバンギラスに圧力をかけられるため、サマヨールやフシギバナにつなぎやすい。
・逆に先発フシギバナでキョダイベンタツを打って相手全体を削り、後発ウーラオスのふいうちで詰めていく動きも強力。
・サブプランとしていれたトリックルームバンギラスがかなり強く、むしろこっちの選出がメインになっていった。
・エースバーンとダイマックストゲキッスが重く、これらに負けることが多かった。
ということでトリックルームバンギラスをメインとするパーティに方針を変え、フシギバナをトゲキッスに強いダイスチル持ちのエースバーン、コータスをエースバーンにいかくを入れることができるガオガエンに変更しました。トリックルームを軸にする場合モロバレルが厄介になるため、モロバレルがいても積極的にトリックルームを狙えるようにサマヨールにちょうはつを採用し、モロバレルとのS関係が逆転しないようにじならしをじしんに変更しました。
本戦で使用したパーティのレンタルチームも公開しておきます。
レンタルチームID: 0000 0004 Y5CF YY
結果は9勝2敗、レート1593の3位で王者決定戦の出場権を獲得することができました。
日本一決定戦 王者決定戦の使用パーティ
本戦のあとも上記のパーティをそのまま回し続けていたところ、本戦で何人かが使用していた耐久振りコータスが爆発的に流行しており、特に耐久振りコータス+ガオガエンの組み合わせはエースバーンとバンギラスにダイマックスを切るこのパーティで相手をするのは厳しいと感じました。これはパーティ全体が物理に寄っていることが原因で、同じ理由でジュラルドンやアーマーガアなどの物理耐久が高いポケモンを採用したパーティにも負けることが多かったです(本戦でこのあたりのポケモンにあまり当たらなかったのは運がよかったです)。
ということでエースバーンを特殊ドラパルトやジュラルドンに変更したり、バンギラスを特殊型に変更するなど試行錯誤してみたものの、なかなか納得のいく形に仕上げることができませんでした。
そんなときに、王者決定戦のちょうど1週間前に開催された「てるるんチャレンジ#5」で優勝したTakaさん(@taka_na_u)が使用していた耐久振りコータス+リザードンを完コピして回してみたところこの組み合わせに強さを感じ、コータス+ガオガエンにも有利を取れるためこれをベースに組むことにしました。
↓てるチャレ#5のリザルト
↓Takaさんの構築記事
Takaさんのパーティを使っていて感じた点は以下の通りです。
・耐久振りコータスが自分が思っていた以上に強い。
・トゲキッス、バンギラスといった晴れに依存しないダイマックスの選択肢が存在する点が強力。
・軸となるダイマックスポケモンのリザードン、フシギバナ、トゲキッスがいかくの影響を受けない点が強力。
・相手のバンギラスが重い。
・サマヨールはほとんど出さない。
そこでサマヨールとバンギラスを抜き、ウーラオスとガオガエンを採用しました。
ウーラオスは前述の通り本戦のパーティの調整段階での並びを使って強さに気づいており、バンギラスにも有利ということですぐに採用を決めました。
ガオガエンはサマヨールを抜いたことによりおいかぜやトリックルームをある程度しのげるようにしたいこと、高速アタッカー(特にエースバーン)に厚くしたいことから採用しました。
プランとしては基本的に
①先発リザードンorフシギバナのキョダイマックス技で荒らして、後発の襷ウーラオスで削りきる。
②コータスのあくびで交代を強要しながらマジカルシャイン、ねっぷう、あんこくきょうだなどで相手を削り、後発のダイマックスポケモンで削りきる。
のどちらかで考えます。
構成
フシギバナ
特性 | ようりょくそ | |
持ち物 | たつじんのおび | |
性格 | ひかえめ | |
実数値(努力値) | 175(156)-*-104(4)-165(236)-121(4)-114(108) | |
技 | リーフストーム/ヘドロばくだん だいちのちから/まもる |
H:16n-1、ダイマックス時臆病C252振りトゲキッスの急所ダイジェットを10/16で耐え
C:11n
S:準速バンギラス抜き
リザードンで相手をしづらい御三家+テラキオンのようなパーティに対してよく選出します。リザードン、フシギバナともにダイマックスせずともある程度戦えるため、同時選出もします。
ピントレンズトゲキッスがどのパーティにも入っているような環境でそれに1発で落とされるフシギバナを使う気になれなかっため、急所ダイジェットをそこそこいい乱数で耐えられる配分で使用しました。
補助技はねむりごなではなくまもるを採用。初めはねむりごなを使用していましたが、この技はようりょくそが発動していないとあまり強くなく、天候への依存度が上がってしまいます。ねむりごなは強力な技ですが自分はまもるで勝ちを拾える試合の方が多いと感じました。
持ち物はいのちのたまが余っていないのでたつじんのおび。いのちのたまよりも耐久振りが生かせる点も高評価です。
リザードン
特性 | サンパワー | |
持ち物 | いのちのたま | |
性格 | おくびょう | |
実数値(努力値) | 154(4)-*-98-161(252)-105-167(252) | |
技 | ねっぷう/エアスラッシュ ねっさのだいち/まもる |
ほのお技はブラストバーンにすると単体技のみになってしまい、パーティ公開制だと相手視点でこのゆびとまれを安定して打ててしまう点が不満だったのでねっぷうを採用。
ひこう技はダイマックスが切れた後にドラパルトなどを削りたいときに打つことが多く、晴れぼうふうは命中50%で全然当たらなかったのでエアスラッシュを選択しました。
ダイアース(ねっさのだいち)はサンパワー込みでガオガエンを1発で倒せる点が優秀です。
コータス
特性 | ひでり | |
持ち物 | オボンのみ | |
性格 | ずぶとい | |
実数値(努力値) | 175(236)-*-179(20)-105-122(252)-25 ※S個体値0 | |
技 | しっとのほのお/ボディプレス あくび/まもる |
HD:臆病トゲキッスの急所ダイジェットを11/16で耐え
S:地ならし後の最遅ドサイドン-1
B:残り ようきエースバーンのいのちのたまダイジェットでオボンを食べる
最近流行りの耐久振りコータスです。ランクマッチで何度も使われて、このポケモンがめちゃくちゃ強いことに気づき、王者決定戦に持ち込みました。
HBに特化することでボディプレスの火力が上がったり、対バンギラスやエースバーンにかなり厚くすることができますが、パーティ全体としてなるべくトゲキッスに厚くしたいという考えからHD振りにし、トゲキッスダイマックスに対してあくびを入れられるようにしました。
パーティ公開制なのでしっとのほのおが無いことがバレるとこのゆびとまれ+ダイジェット、このゆびとまれ+りゅうのまいといった動きを許してしまうため、それを防ぐためにほのお技はしっとのほのおを選択しました。
トゲキッス
特性 | きょううん | |
持ち物 | ピントレンズ | |
性格 | ひかえめ | |
実数値(努力値) | 184(188)-*-116(4)-165(76)-136(4)-130(236) | |
技 | マジカルシャイン/エアスラッシュ このゆびとまれ/まもる |
HB:いじっぱりドラパルトのいのちのたまダイホロウ15/16耐え
C:急所ダイフェアリーでH252振りドラパルトを14/16で1発
S:ダイジェット後準速ドラパルト抜き
削り役としても、ダイマックスの選択肢としても、隣のダイジェットに乗せても強い万能ポケモン。トゲキッスを採用するだけで立ち回りの選択肢が格段に増え、特にこのルールのBO3では採用しない理由はないレベルで強力なポケモンだと思っています。
パーティ公開制ではこのゆびとまれを見せることによって相手にとれる選択肢を狭められる(例えば味方殴りじゃくてんほけんを安定させないなど)と思い、必須だと考えました。
持ち物はダイマックスさせてもさせなくても強力なピントレンズ。
ウーラオス(いちげきのかた)
特性 | ふかしのこぶし | |
持ち物 | きあいのタスキ | |
性格 | ようき | |
実数値(努力値) | 175-182(252)-120-*-81(4)-163(252) | |
技 | インファイト/あんこくきょうだ ふいうち/まもる |
高めの素早さからのまもる貫通といかく無視(あんこくきょうだのみですが)によってこちらが建てたプランを妨害されにくい点が強力です。
ウーラオスがダイマックスする場面はねこだまし+トリックルームの動きを読んでダイアーク+マジカルシャインみたいなことをする場面が一番多いかと思い通常ダイマックス個体で使用しましたが、そのせいで準決勝3戦目はイエッサンダイウォールの負け筋が存在していたのでどちらがいいのかは不明です。
ガオガエン
特性 | いかく | |
持ち物 | イトケのみ | |
性格 | しんちょう | |
実数値(努力値) | 201(244)-136(4)-118(60)-90-136(108)-92(92) | |
技 | フレアドライブ/バークアウト すてゼリフ/ねこだまし |
HD:ラプラスのてだすけ+いのちのたまダイストリーム耐え
S:最速モロバレル+2
エースバーンに極力厚くしたいということで採用したガオガエンですが、ガオガエンは便利屋ということもあり王者決定戦に参加するメンバーが使いそうなパーティを意識した型になっています。
バークアウトは本戦で使用した際にポリゴン2+アシレーヌのようなパーティに対する使用感が良かったためそのまま採用。ミガワリさんが本戦で御三家系統のパーティを使用していたので役立つ場面がありそうだと思いました。
のっとんさんが本戦で最速モロバレルを使っていたため、素早さはそれを抜けるところまで上げる必要がありました。
持ち物は準決勝の対戦相手のいとうさんが本戦でエルフーン+ラプラスのパーティを使っており、それをガンメタしてやろうという遊び心からイトケのみを持たせました。結局ラプラスは使われずイトケの発動機会はなかったのですが、持ち物が発動しなくても強いポケモンなので悪くはない選択だったかなと思います。
各選手パーティ公開後の選出と立ち回り考察
vs イトウ ユウキ選手
準決勝の相手です。確実に対戦することになるので前日は対いとうさんの立ち回り考察に時間をほぼ費やしました。
基本的には
先発:+
後発:+
の選出が有効だと考えていました。
しかしバンギラスの素早さが不明で、もしバンギラスが準速であれば
先発: +
の並びが対リザードンで最も強く、こちらは受け出しからでは対応が難しいです。そこで1戦目は
先発:+
後発:+
の選出をしてエースバーンバンギラスの先発を牽制し、2戦目以降で本筋のリザードン+コータスを選出することに決めました。
この選出ではコータスを倒された後にトリルバンギラスが止められないため、相手がそのようなプランを狙ってくる場合はガオガエンをトゲキッスに変更し、このゆびとまれでウーラオスのサポートをしてバンギラスを突破しようと考えていました。
バンギラスが遅い場合は
先発:+
後発:+
の選出でコータスを倒してからトリックルームorダイジェットでバンギラスを動かすプランを基本選出としてくると予想。これに対してリザコータスを対面させた場合はしっとのほのおがあるせいでエースバーンが動かしづらく、相手はバンギラスに引いてくるだろうと予想して交換読みボディプレスを打つことを決めていました。
実際の対戦では1戦目の選出は予想外の先発で、ウーラオスとコータスを削ってからエースバーンを通していくプランでした。
サマヨールをトリルせずにナイトヘッドの削り要因として使うプランは想定できておらず、ここは考察が甘かったですね。
かなり厳しかったですが相手も想定していなかったであろうウーラオスダイマックスを通してなんとか切り返すことができました。
2戦目は想定していた対面で迷わず交換読みボディプレスを選択しましたが、エースバーン引きではなくイエッサン引き。ダイマックス要因のエースバーンは体力を残しておきたい&とびひざげりよりもワイドフォースの方が打ちたくなる場面だと考えてエースバーン引きかと思っていましたが、ここはうまく読みを外されました。その後バンギ守る択に負けて敗北。
2戦目でトリルバンギラスを通されて負けたため、3戦目は予定通りトゲキッスを選出。
初手でねっぷうを外したことでイエッサンの処理が遅れて厳しくなり、ウーラオスダイマックスをせざるを得ない場面になってしまいました。
最終局面ではイエッサンにダイウォールされた場合負けでしたが、1、2戦目の選出から相手視点でこちらの残りの1匹はガオガエンだと思っているはずで、その場合イエッサンダイウォールでバンギラスが落とされたら負けなのでできないだろうと思いイエッサンに攻撃。無事に通って勝利することができました。
vs ヤマモト タカシ選手
3人の中では一番きびしい相手だったと思います。
選出は
先発:の中から2匹
後発:+の残りの1匹
と予想し、コータスが面倒だと感じた場合はガオガエンをアシレーヌに変更してくる可能性がありそうだなと考えていました。
バンギラスが確実に素早さが速く、ダイジェットを使えるポケモンも2匹いるのでリザードンを通すのは難しそうです。
こちらは
先発:+
後発:+
で相手のバンギラスはまもるを持っていないのでねこだましでタスキを削りつつ、コータスのあくび、ボディプレスで場を荒らして後発のトゲキッスかフシギバナにダイマックスを切る展開を想定していました。
vs ノトハラ タクト 選手
決勝戦の対戦相手です。
このゆびとまれを2枚採用しているのが特徴で、ドラパルトの隣にこれらを並べて攻めてくることが予想できます。
ジバコイルとガオガエンはあまり通りがよくないため、選出は
先発:+
後発:+
と予想していました。
ピッピやトゲキッスを削ることでトゲキッスを通しやすくなると考え、こちらの選出は
先発:+
後発:+
に決めました。相手はドラパルトにあくびが入るのを防ぐためにこのゆびとまれを選択する必要があるため、その隙にヘドロばくだんで削ってトゲキッスのダイジェット圏内に押し込むことを目的とした選出です。
ただ、この選出はジバコイルが若干重いため、2戦目にジバコイルを選出されて負けた場合は3戦目でトゲキッスをリザードンに変更することを考えていました。
実際にされた選出はトゲキッスとピッピが逆だったものの、1戦目は想定したプラン通りに勝つことができました。
2戦目は相手はダイマックスを1ターン目に切らないことで、このゆびとまれを選択しなくてよいプレイをされましたが、初手のヘドロばくだん急所が大きかったですね。うたうで捲られますが初手のアドバンテージを維持して勝つことができました。
他の選出パターン
選出1
先発: +
後発: +
リザードン+ウーラオスで上から殴っていくパターン、コータス引きキョダイゴクエンで相手を1発で倒しに行くパターン、コータス引きねっぷうで相手を削ってトゲキッスにダイマックスを切るパターンなど、相手の選出を見てからいろんな動きができる汎用性の高い選出です。
選出2
先発: +
後発: +
御三家+ドラパルトテラキオンポリゴン2のような相手に対して出すことが多かった選出です。
キョダイベンタツで相手全体を削ってウーラオスで相手を倒すプランを目指します。
その他
ダイジェットを軸としたパーティに対してはコータスを先発に置いてあくび、しっとのほのおでダイジェットを牽制し、ペースを握らせないようにします。
王者決定戦で使われなさそうだと思ったパーティは対策薄めです(やは厳しい)。
おわりに
今年は世界大会が中止となってしまいましたが、その中でも最高の結果を出すことができたことはとても嬉しいです。
とはいえ自分もまだ改善していける部分が多くあると思っていますし、世界大会で上位に入るという以前からの目標はまだ達成できていないため、来シーズンも引き続きポケモンに取り組み、さらに強いプレイヤーを目指していきたいです。
また、リバティノートをいつもご覧いただいたり、構築記事を寄稿していただきありがとうございます。今後もダブルバトルの役立つ情報を発信していくのでこれからも当サイトをよろしくお願いします!
レンタルチームID:0000 0003 G75Y 3R
パーティ作成者
シャンディ
ポケモン日本一決定戦2020 優勝/WCS2017 Day2/WCS2020 Day1