レンタルチームID: 0000 0004 LPH1 F3

※記事下部にミミッキュの持ち物を「リリバのみ」にしたレンタルチームもございます。

はじめに

こんにちは、リンヤ(@gozira2004)と申します。

今回は、PJCS2021本戦(ネット大会の方)で10勝1敗のレート1623をマークし、1位となった構築の紹介をさせていただきます。

「え?ライブ大会準優勝の構築記事じゃないの?」って思われた方。ごめんなさい。謝りますから絶対許してください。
そちらも近いうちには上げる予定なので…。

時期的には少し前の構築にはなってしまうのですが、既存にはないタイプの構築であること、ネット大会向きでもあること、そして何よりかなりいい成績を出せた構築ではあるので、何らかの形では残しておきたいと思い寄稿する運びとなりました。

構築経緯

PJCS本戦のルールが伝説抜きの全国ダブルと決まった4月中旬頃から構想を練り始めました。

そもそも僕の全国ダブルの記憶はオーロンゲ+サンダー構築を組んだところで完全に止まっていたので、環境にどんな構築がいたかを思い出すところからでした。

その頃、てるチャレチーム戦で共に優勝したチームメイト兼オーストラリアの英雄のYTさんが、「チョッキブリザポスでダイマ技撃ちながらレヒレをガチガチに固めるのが強い」と言っていたので、なるほどシンプルだけど強そうやなあと思い、そこから構築を組むことにしました。

ブリザポスはダイスチルを搭載したい+バナコーやセキタンザンを返り討ちにできるのが強いためチョッキで採用し、レヒレはめいそう型に決定。

あとは当時YTさんが組んでいたというメンツを真似し、中身は好きに弄って組んでみることにしました。

レジエレキ霊獣ランドロスカプ・レヒレガオガエンブリザポス

レジエレキにはこうかくレンズを持たせ、いやなおと+珠ランドロスの攻撃で全てを破壊できるようにしたりと初見殺し要素もいれました。
ポリゴン2でトリックルームをはる旨味もあまり感じなかった(トリル下のブリザポスだけで勝てるようなPTが存在しなかった)ため、ピン刺しのブリザポスで回していました。

全員が高種族値な上、予想通りブリザポスのダイマ技のバフ技を乗せたレヒレがとても強く、なかなかの好感触でした。

しかし課題も見つかりました。

①伝説戦の名残か、壁オーロンゲ+メタグロスといったPTが非常に多かったオーロンゲのアイコンメタグロス
リフレクターをはられた状態のダイマメタグロスだと珠ランドロスでも押し切れず、取り巻きのファイヤーやレヒレの存在も考えるとウーラオスだけでも解決しにくい。
②ランドロス+ガオガエンの2枚威嚇に負けん気ボルトロスを加えたようなPTに勝てない。化身ボルトロス霊獣ランドロスガオガエン
PT内で明確にボルトロスに強いのがブリザポスのみで、威嚇を咎める要素をいれることができなかったため威嚇を回されると簡単に腐ってしまう。

「序盤に高火力で畳みかけた後にめいそうレヒレで詰める」というコンセプトは間違いなく強いものの、メタグロスやボルトロスに対する明確な回答が得られなかったために一旦この構築はボツに。

 

ミミッキュメタグロス

なんかいい案ないかなーと思いつつ仲間大会に潜っていたところ、ミミッキュ+メタグロスというあまり見かけなかった珍しい組み合わせを入れたPTに何度か当たりました。
(記憶が正しければ、cobaltさんと、あと別の方が2人ほど使っていた気がする)

この組み合わせを見たとき、「これ絶対強いな」と確信しました。強いポイントとしては

①メタグロスの天敵であるウーラオス(悪)にミミッキュがタイマンで勝てる
②相手が高速寄りのPTであればトリックルームでメタグロスを動きやすくすることができ、低速のガチトリパであればちょうはつでトリックルームを阻止することができる
③じならしで弱点保険を発動させるコンボは相手のメタグロスのじゃくてんほけんも発動させてしまうが、影うちであれば味方のメタグロスのじゃくてんほけんのみを発動させられる
④クリアボディで能力下降しないメタグロスと化けの皮があるミミッキュ、初見殺しされにくい
⑤あまり環境に存在しない組合せであったため、対応できるプレイヤーが少なそう

ざっと挙げただけでもこれだけ強みがあります。JCS本戦ではメタグロスミラーが多発したので、③が予想以上にメリットとなりました。

カプ・レヒレ

また、使いたいと思っていたカプ・レヒレとメタグロスが相性がよいことも追い風でした。

①メタグロスのダイスチル、ダイアースでレヒレを強化できる。めいそうレヒレをより強く扱えるようになる。
②レヒレの展開するミストフィールドのおかげでメタグロスが状態異常にならない。
③メタグロスが弱点を突かれる炎・地面・悪タイプにレヒレが強い。

メタグロスをレヒレのパートナーとすることで、前述のPTを使っていた際の課題も多少強引にではありますが解決することができます。
ということで、メタグロス+ミミッキュ+カプ・レヒレを構築の軸とし、残りの穴を埋めることにしました。

相手のメタグロスを確実に倒せる駒が欲しかったので、ウーラオス(悪)もほぼ同時に採用を決めました。

ガオガエン

猫だまし+トリックルームや捨て台詞+トリックルームの動きをとりたい、レヒレの障害となる草タイプを倒してもらいたいことからガオガエンも採用。

ここまでで欲しい要素はほぼ詰め込めましたが、あとのラスト1体に欲しい要素は

①セキタンザン、コータスなどのメタグロスを出しにくい強力な炎タイプに対して出せる
②電気の一貫がヤバいのでレジエレキにそこそこ強い

でした。

普通に考えればランドロスがまず第一に上がるのですが

①味方が一切浮いていないため地震がうちにくい
②セキタンザンに対してもセキタンザンがダイマを切らずに逃げるパターンや、鬼火ドラパルトドラパルト、ウーラオス(水)ウーラオスの存在を考えるとそこまで有利でもない
③化身ランドロスなら解決しそうだがそうすると相手のランドロスに対して打点がなく困る

といった課題が浮き彫りに。ガブリアスも似たような理由でなし。
いやーーーここまでうまく組めたのにあと1体が決まらねーーって頭を抱えていると、ある考えがフッと頭をよぎりました。

ブリザポス

「チョッキブリザポスいれれば全部解決しないか?」
→しました。

炎タイプに対してブリザポスをぶつけようなんて一見頭がイカれているようにしか見えませんが、ブリザポスが攻防共に数値がイカれているため成立してしまいました。
しかも都合がいいことにブリザポスであればセキタンザンは逃げずにキョダイフンセキを素直に打ってきてくれることが多く、耐えてダイアースで返り討ちにしてそのまま勝利、というパターンが多かったです。
カプ・レヒレとの相性も非常によく、補完として自然にPTに馴染んでくれました。

この6体に決めてから仲間大会に何回か潜ったところ、全て一桁順位をマークすることができたり、ランクバトルでもかなり高い勝率をキープできていたのでそのまま本番に持ち込みました。

メタグロスミミッキュカプ・レヒレガオガエンブリザポス

個別解説

メタグロス

特性クリアボディメタグロス
持ち物じゃくてんほけん
性格いじっぱり
実数値(努力値)187(252)-191(148)-151(4)-*-118(60)-96(44)
アイアンヘッド/じだんだ
しねんのずづき/まもる
調整
ダイマックス時C157ヒートロトムの晴れダイバーン確定耐え、ミミッキュと並べた時にD>B
気持ちミラー勝てたら嬉しい程度のSふり

本構築のメインアタッカーです。ミミッキュの味方かげうちで火力を一気に上昇させ、相手の残数を一気に減らしてもらいます。

相手が対応を少しでも誤ると一瞬でゲームセットまでもっていくだけのパワーを秘めており、これまで使ったメタグロスの中でもダントツで強さを感じました。

まもるはボルトロス+ウーラオスと初手対面してしまった時に、ダイナックル+あんこくきょうだをダイウォールで透かしながら横のミミッキュでトリックルームをはりたかったため採用。
やや珍しいしねんのずつきは、構築単位できついヒートロトムを奇襲したり、増えると予想した水ウーラオスに刺さるため採用しました。

ミミッキュ

特性ばけのかわ
持ち物メンタルハーブ
性格しんちょう
実数値(努力値)162(252)-111(4)-114(108)-*-148(76)-125(68)
じゃれつく/かげうち
ちょうはつ/トリックルーム
調整
A168エースバーンのキョダイカキュウ確定耐え
メタグロスと並べた時D>B
最速バンギラス抜き

メタグロスの最強の相方。かなり耐久に厚くしたため、弱点のダイマ技以外であればほぼ耐えてくれます。
基本的にはトリックルームをはった後にメタグロスにかげうちをしてじゃくてんほけんを発動させ、自身も攻撃に参加します。

コンセプト上トリックルームとかげうちは切れず、じゃれつく・ちょうはつ・おにびのどれをいれるかで非常に悩みました。
結論として、せっかくウーラオスにタイマンで勝てるのにじゃれつくを切るのは勿体ないためじゃれつくを採用、ちょうはつはないとポリゴン2やサマヨールに好き勝手されてしまい、処理がもたつくためちょうはつも必須となりました。

ロトムのわるだくみやレジスチルのてっぺきを阻止したりと、キツいポケモンを誤魔化すのにも大変役立ちました。
技構成で相談にのってくれたカンザキさんに感謝。

メンタルハーブケアしてこないプレイヤーにちょうはつされて負けるのはムカつくのでメンタルハーブを持たせましたが、テッカグヤやカミツルギの餌にされなくて済むリリバのみも強いと思います。

カプ・レヒレ

特性ミストメイカーカプ・レヒレ
持ち物たべのこし
性格ひかえめ
実数値(努力値)177(252)-*-136(4)-140(100)-156(44)-119(108)
ねっとう/ムーンフォース
めいそう/まもる
調整
D一段階上昇後にC167レジエレキのいのちのたま10万ボルト確定耐え
ロトム抜けたら嬉しい程度のSふり

本構築最強の詰め筋。メタグロスが敵をなぎ倒している横で悠々とめいそうを積み、最後のダメ押しを行います。
このルール、熟練者であってもミスをすると最後のカプ・レヒレを処理できないという状況に陥りがちですが、じゃくてんほけんを発動して殺戮マシンと化したメタグロスの攻撃を捌きながらカプ・レヒレを倒せる駒も温存することは非常に困難です。

本戦ではメタグロスのダイマが切れた後に相手の裏にいたガラルファイヤーやウーラオスを処理してくれる場面が多く、大活躍でした。レヒレグロスの並びはガラルでも強かった。

水技をねっとうにした理由ですが、

①Wダメージのだくりゅうだとめいそうを積んだ後でもヒートロトムを倒し切れない
②レジスチルとタイマンになった時にやけどをひけば勝てる
③外さない

といった理由からです。実際、詰めの場面で場に出すことが多く、だくりゅうがほしいと思ったことは一度もありませんでした。
今までだくりゅうしか使ったことないのがバカらしくなるレベルで使用感はよかったです。

ガオガエン

特性いかく
持ち物シュカのみ
性格しんちょう
実数値(努力値)202(252)-135-125(116)-88-140(140)-80
フレアドライブ/バークアウト
ねこだまし/すてゼリフ
調整
C174テッカグヤのC一段階上昇後のメテオビーム確定耐え

ミミッキュの耐久補助、レヒレの障害となる草タイプを始末してもらう役割を担います。

HD特化してもリザードンのサンパワー珠ダイアースで倒されてしまうことが発覚したため、仕方なくシュカのみを持たせました。
バークアウトを持たせたのもPT単位でリザードンが厳しく、ガオガエンに誤魔化してもらう必要があったためです。

ウーラオス(いちげきのかた)

特性ふかしのこぶしウーラオス(いちげきのかた)
持ち物きあいのタスキ
性格ようき
実数値(努力値)175-182(252)-121(4)-*-80-163(252)
あんこくきょうだ/インファイト
ふいうち/まもる

相手のメタグロスを迅速に処理できる駒が欲しかったので自然と入ってきました。
メタグロスミラーにはほぼ確定で選出し、レヒレで詰め切れないカミツルギ入りに対しても選出することが多いです。

ウーラオス不在のメタグロス構築に当たることが多く、メタグロスミラーでは大活躍でした。

ブリザポス

特性しろのいななきブリザポス
持ち物とつげきチョッキ
性格いじっぱり
実数値(努力値)205(236)-216(252)-150-*-130-53(20)
つららおとし/インファイト
10まんばりき/ヘビーボンバー

氷タイプでありながらコータスやセキタンザンを倒すために採用された、意味不明な強さを誇る白銀の暴君。
本戦ではほとんどメタグロス構築しかひかなかったために選出率はダントツの最下位なのですが、調整段階ではしっかり仮想敵に対して仕事してくれたので採用したのは間違いではないと思います。

炎弱点がメタグロスと被っているのが美しくないのですが、ブリザポスを抜くとキツくなるPTやポケモンがあまりにも多かったです。

机上論だけで補完を考えるのではなく、実際に検証することの重要性を感じました。

選出と立ち回り

至ってシンプルで、
①メタグロスとブリザポスのどちらを出すか
②カプ・レヒレとウーラオスのどちらを詰め筋として使うか(詰ませるか押し切るか)

を選ぶだけです。

メタグロスパターン

先発: ミミッキュ+メタグロスorガオガエン
後発 :メタグロスカプ・レヒレのどれかから選択

コータスセキタンザンリザードンなどの強力な炎タイプがいない、威嚇が複数いるといったPTにはメタグロスを軸に戦います。

ミミッキュでトリックルームをはりながらメタグロスを降臨させ、かげうちでじゃくてんほけんを発動させ一気に残数を減らし、カプ・レヒレを強化しながら詰める、もしくはウーラオスでメタグロスの狩り残しを処理します。
滅多にないですが、ガオガエンがいらない場合は2体とも出すこともあります。

メタグロスのダイマックスターン中は
①裏のレヒレやウーラオスの障害になるポケモンを優先的に狙う
②ダイマックスしてきそうなポケモン、倒すのに時間がかかるポケモンの処理は後回しにする

ことを重視していました。

ブリザポスパターン

先発 :ミミッキュ+ブリザポスorガオガエン
後発 :ブリザポスカプ・レヒレのどれかから選択

強力な炎タイプがいる、威嚇がいないといったPTにはこちら。じゃくてんほけん発動後のメタグロスに比べるとブリザポスの火力は控えめなため、こちらの選出をする時は本当にこれでよいのかよく検討する必要があります。

この選出をするときにはほのおタイプをスムーズに倒すためにカプ・レヒレをダイマックスさせることもあります。

キツいポケモンと、処理ルート

ヒートロトムヒートロトムのアイコン

メタグロス、ブリザポス両方が苦手とするポケモンです。しかしヒートロトムというポケモンはわるだくみを積ませなければどうどでもなるので、フリーでわるだくみを積ませることだけは全力で阻止します。

対策
①ミミグロスの並びから味方かげうち+ダイサイコで奇襲する
②ミミッキュでちょうはつしてわるだくみを防ぐ
③レヒレで緊急ダイマをきりダイストリームを打ち込む

レジスチルレジスチル

物理アタッカーが多いためてっぺきで簡単に詰まされてしまいます。

対策
①ミミッキュでちょうはつして積ませない
②早い段階でメタグロスのじゃくてんほけん発動ダイアースを当てる
③レヒレとのタイマンに持ち込み、ねっとうでやけどさせる

テッガグヤテッカグヤ

こちらはキツいというより、面倒くさい。メタグロスでもブリザポスでも倒しにくいので、取り巻きを瞬殺してからレヒレでタイマンに持ち込むのが最善です。やどりぎ搭載型はほぼ無理。

最後に

なかなかいい構築を組めたという自負はあったのですが、蓋をあけてみれば10勝1敗の一位通過と、自分でも驚きの好成績を残せました。

環境的にメタグロス構築が多い中でメタグロスミラーで有利をとれる要素を多く取り込めたことが大きな理由だと思います。具体的には

①ウーラオス、カプ・レヒレの存在
②相手のじゃくてんほけんを発動させずに味方のメタグロスのじゃくてんほけんのみを発動できるミミッキュ
③高耐久のポケモンと、きあいのタスキで行動保証があるウーラオスとばけのかわのあるミミッキュで構成されているため簡単に残数不利をとらない

がミラーで差をつけるポイントになれたかと思います。こちらは初見殺しができる上に相手の初見殺しは受け付けにくいという要素も非常に強く、インターネット大会向けでした。やることが明確なため思考の負担も少なかったです。
ライブ大会でも使う構築の候補であったため公開が遅くなってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

レンタルチームID: 0000 0004 LPH1 F3
(ミミッキュの持ち物がメンタルハーブ)

レンタルチームID: 0000 0005 D60X LF
(ミミッキュの持ち物がリリバのみ)

パーティ作成者

リンヤ

ツイッター

馬を克服したと思ったら兎と竜にボコボコにされました。Pokemon VGC Player🇯🇵/wcs2018 30th/wcs2019 21st/S9ランクバトル ダブル最終1位/てるチャレチーム戦#2 優勝/PJCS2021 準優勝

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