はじめに
はじめまして、こげぱん🍎(@kogepannachan)です。
今回はアルティメットファイナルで最終18位という結果を残すことができたので、リバティノート様に記事を寄稿することにしました。6vs6ならではの一風変わった構築に仕上がったと思うので、是非最後までお読みください!
構築経緯
ルール発表されてまず強いと思ったのが、ステルスロックを絡めたダメージの蓄積から高速エースで全抜きする展開でした。
ステルスロック要員としては威嚇の存在が大きく、HBランドロスの採用がすんなり決まりました。ガオガエンを採用して別のポケモン(グラードンやディアルガなど)にステルスロックを任せることも考えられましたが、初手でステルスロックを撒く時に大きく削られてしまうと、ステルスロック要員以上の価値を見出だせないのが微妙に感じました。
高速エースとしては、相手のレジエレキの上から行動でき、特性によって全抜き適性のあるスカーフ黒バドレックスを採用しました。
ここで実際の試合展開の想像をしてみます。
黒バドレックスのアストラルビット圏内に相手2匹を入れる理想の展開ができたとしても、片方を守りながら死に出したポケモンでダイマックスすることで簡単に切り返されてしまいます。黒バドレックスでスイープするには、相手2匹だけでなく相手の手持ち全体を程よく削る必要がありました。そこで、相手のダイマックスをいなし、少しずつダメージを重ねることに長けたポケモンを採用することにしました。
まずは相手のカイオーガの引き先になり、そこからダメージの蓄積が可能なHDナットレイを採用しました。技選択を間違えなければ受けたダメージをチャラにでき、長く戦えるのが特長です。
さらに、ザシアンに圧倒的に強いポケモンとしてHBホウオウを採用しました。これに関しては(シングルバトルっぽい並びにしたらちょっとウケるんじゃね…?)という打算が無かったとも言い切れませんが、特性の再生力が構築方針に噛み合っていたことは確かです。
残りの2枠の要素として、
②黒バドレックスに強め
③ダイマックスしたイベルタルと撃ち合える
などの要件がありました。いくつか候補があったので紹介します。
珠カイオーガ+ラッキー
<良い点>
・カイオーガのダイマックスによって数的有利を取りやすい
・歌うラッキーによって格上への運ゲーも仕掛けられる
<悪い点>
・ダイマックスしないと弱いカイオーガを採用すると、立ち回りの幅が減る
・イベルタルやカイオーガに対する疲弊が激しく、継戦能力がない
チョッキゼクロム+ラッキー
<良い点>
・イベルタルやカイオーガにダイマックスしなくてもある程度強く、ダイジェットやダイアークと黒バドレックスの噛み合いが良い
・相手を削ってからゼクロムでダイジェットを絡めて〆る動きも取れる
<悪い点>
・上位で採用数が多いであろうガオガエンやグラードンの処理が遅い
・構築全体で火力を出せるポケモンが少なく、有利盤面を作っても交代に裏目をつけにくい
HBチョッキカイオーガ+チョッキゼクロム
<良い点>
・堅いカイオーガが相手のオーガザシアンに対してある程度サイクルを回せる
・全員がダイマックスしてもしなくても強く、立ち回りの幅が広い
<悪い点>
・歌うラッキー面白いから結構使いたい
・ラッキーがいないとドラゴンタイプのダイマックスを耐えきるのが困難
かなり悩みましたが、インターネット大会において火力による初見殺しをすることを生業としているため、案Ⅰで臨むことにしました。
不安の残る対イベルタルやカイオーガについても、ダイマックスのタイミングを合わせることで対処可能との判断です。
個別解説
ホウオウ
さいせいりょく | |
あつぞこブーツ | |
わんぱく | |
416(252)-296-292(200)-*-344-230(56) ※Lv100の数値 | |
せいなるほのお/ブレイブバード じこさいせい/てだすけ |
・ダイジェット2回で最速スカーフカイオーガ抜き
・ザシアンに安定させるために残りHB特化
持たせたい持ち物は特になかったため、似たようなコンセプトの構築相手に腐らないようにあつぞこブーツを持たせました。
てだすけは黒バドやカイオーガの火力を補助するのに使え、黒バドで相手2匹を縛りながらホウオウに交代し、手助けの準備をする動きが特に強力でした。相手のダイマックスターンを枯らしたり、相手のポケモンをやけどにしてダメージレースを有利に進めたりするのが主な役割です。
バドレックス(こくばじょうのすがた)
じんばいったい | |
こだわりスカーフ | |
ひかえめ | |
404(252)-*-225(116)-407(16)-237(4)-366(120) ※Lv100の数値 | |
アストラルビット/サイコショック マッドショット/いやしのはどう |
・A特化ザシアンの+1巨獣斬を最高乱数切って耐え
・スカーフ込みで最速レジエレキ抜き
・C11n
この構築のエース枠です。
マッドショットは後述する速いカイオーガと合わせてザマゼンタやムゲンダイナを処理するのに使います。
ダイマックスはほとんどしませんが、ダイウォール枠はあったほうが良いと考え今回はいやしのはどうを採用しました。相手が同じポケモンを複数採用しているとき、そのポケモンに強いポケモンを回復させることで役割集中を防ぐことができます。黒バドのストッパーになるポケモン(イベルタル、ガオガエンなど)にはステルスロックが刺さるため、特攻が上がっても一度引いて、次のサイクルで倒すことを心がけました。
ちなみに、相手のイベルタルがあくのはどうやねっぷうを使ってきた場合、ふいうちはないと判断して倒せるなら突っ込んでいました。
カイオーガ
あめふらし | |
いのちのたま | |
ひかえめ | |
341-*-217(4)-438(252)-316-279(252) ※Lv100の数値 | |
しおふき/かみなり ふぶき/まもる |
・グラードンやトリトドンをゴリ押せるC特化
・相手のカイオーガの型判別ができる準速(これより速ければスカーフと判断)
基本的にダイマックスを切るので、威力が高い3W守るで採用しました。
ふぶきにすることで、グラードンやトリトドンを倒せる確率が上がります。カイオーガミラーでは相手の方が速ければ後攻ダイサンダーで一撃で倒せ、こちらが速ければ手助けダイサンダーで上から一撃で倒せる想定でした。
しかし、準速珠カイオーガが予想以上に多く、こちらのカイオーガが大きく削れてしまい後ろのポケモンと戦えない事態が発生してしまいました。S操作を絡ませない珠カイオーガはあまり強くなく、今回はHBチョッキでの採用が正解だったかなというのが正直な感想です。
ランドロス(れいじゅうフォルム)
いかく | |
ゴツゴツメット | |
のんき | |
382(252)-326-306(252)-246-197(4)-196 ※Lv100の数値 | |
だいちのちから/がんせきふうじ ステルスロック/まもる |
・A-1ザシアンの巨獣斬を2耐えする確率を上げるためHB特化
・火力がなさすぎると困るためS下降補正
構築の過労死枠。
ステルスロックは無理には撒こうとせず、撃つタイミングが重要でした。例えばランドロスがステルスロックをしている間にザシアンを後投げされてしまうと、こちらに大きな負荷がかかってしまいます。
がんせきふうじはとんぼがえりと迷いましたが、相手の黒バドにダイジェットを乗せられてしまった場合のケアとして残しました。基本的に対戦中最も早く失うことになりますが、まだ残しておく必要があるかの判断はしっかりするよう心がけました。
ナットレイ
てつのトゲ | |
たべのこし | |
なまいき | |
352(252)-224-299(4)-*-364(252)-40 ※Lv100の数値 | |
パワーウィップ/ジャイロボール やどりぎのタネ/まもる |
・対カイオーガを意識してHD
この構築で最も難しいポケモンです。HDに特化しているとはいえカイオーガのしおふきや黒バドのアストラルビットがかなり入ってしまうため、何度もは受け出しできません。
受け出し後宿り木でHP管理をするか、パワーウィップやジャイロボールでこちらの黒バドの圏内に入れるかは冷静に判断する必要があります。
珠カイオーガの加入前は、ダイマックスすることによって体力管理と相手の削りを同時に行うことが多く非常に強力だったのですが、本番ナットレイにダイマックス権が残ってることはほとんどありませんでした。
ラッキー
しぜんかいふく | |
しんかのきせき | |
のんき | |
704(252)-*-119(252)-*-247(4)-94 ※Lv100の数値 | |
ちきゅうなげ/あまえる うたう/タマゴうみ |
・単体で詰める範囲が広がるHB特化
・トリパ相手に先攻甘える、普段後攻歌うするために最遅
この構築の運ゲー要素。6vs6なので全試合に選出することができ、歌う機会は非常に多いです。
この構築は相手のダイマックスをどの程度耐えきれるかが鍵を握るので、うたうはリターンが大きすぎる技でした。外しても、最悪3ターンダイマックスターンを使わせることができれば有利に試合を進めることができます。また、うたうを見せることで相手のヘイトが集中し、行動が読みやすくなるという利点もあります。
しかし、交代先に当てる目的で撃っても外してしまうと盤面は悪くなってしまうため、あまえるでいい盤面で歌いまくったことは反省点です。
選出と立ち回り
相手にカイオーガがいる場合
てだすけ+ダイサンダーやホウオウをナットレイ引き+ダイサンダーで相手のカイオーガを早めに処理し、ランドロスを回しやすくすることを狙います。先発にカイオーガが来なければこちらもカイオーガは温存するのが理想です。
相手の構築にザシアンがいる場合は、初手にランドロスを投げることも多いです。数的有利を取ったら受け回しをし、隙を見て黒バドで全抜きします。
相手にカイオーガがいない場合
だいたいステルスロックを撒け、聖なる炎でダメージの蓄積もできるため非常に有利だといえます。黒バドで6タテした試合もあり、爽快な気分になれます。
vsムゲンダイナムゲンダイナムゲンダイナムゲンダイナムゲンダイナムゲンダイナ
非常に厳しいマッチアップです。
プレッシャーによってアストラルビットと吹雪という2大ダメージソースの技のPPを枯らされてしまうため、数的有利を取ったらすぐtodすることを意識します。ラッキーの歌うと自然回復が活きるでしょう。幸い、マッチングした中ではムゲンダイナは3匹までしかいなかったためなんとかなりました。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございます!この構築はイベルタルやカイオーガ複数がかなり重く、結果的にはHBチョッキカイオーガ+チョッキゼクロムの方がレートは伸ばせたかなと思いますが、歌うラッキーがかなり面白かったしそれなりには勝てたので良かったです。
ネット大会はプールが狭く、事前考察すればするほど考えていた展開に持っていきやすいです。第9世代ではシングルダブル問わずより多くの人がその魅力を知ってほしいと思います。
パーティ作成者
AKP┃こげぱん🍎
剣盾シングル:最高最終レート2011
剣盾ダブル:20,21年 本戦敗退、GC Winter1位
マリオ35:最終54位
パネポン:家族内最強