チームID:P4LP10
はじめに
初めまして!メテオール(@DiMeteora)と申します。
今回はリバティノート様への寄稿の機会に恵まれたので、シーズン8において18位(レート2029)と23位(レート2026)を取った構築を寄稿しました。
他の強者の方々より退屈な構築かも知れませんが見ていただければ幸いです。
構築経緯
6月からよく開催されていたレギュレーションDの仲間大会ではパオジアン軸の構築を使っていましたが、強いけれどどこか自分には合わなかったこと、何より強い故にメタが激しくランクマッチでは勝ちきることは不可能であると考えたため、違う構築を探すことにしました。
そこで、自分が一番得意な戦い方であるおいかぜ軸に戻ることにしました。
すぐに浮かぶおいかぜ要員としてはサンダー(原種)・ヤミカラス・トルネロス辺りが居ますが、まずサンダーは特性とスペックこそ強力ですがパオジアンやハバカミイーユイに対して安定しないこと・先制ちょうはつに弱いことから採用を見送りました。残りはくろいきりが打てて積み展開に強いヤミカラスか命中不安でありつつも中火力を2匹に撒けるトルネロスのどちらを採用するかで悩みましたが、相手に負荷をかけやすいトルネロスを採用しました。
次においかぜと相性がよく高い負荷を押し付けられるポケモンとしてイーユイを採用しました。副次効果としてトルネロスのこがらしあらしの威力増加も見込めるのも嬉しい点です。
その後はイーユイと相性もよく先発の削り・終盤の掃除の両方をこなせるハバタクカミを採用しました。
イーユイ・ハバタクカミ・トルネロスが構築の軸として決まったため、次に補完枠を探すことにしました。
まずパーティの物理耐久を補い、先発の削り・終盤の掃除も可能なランドロスを採用しました。
ここまでで相手の連撃ウーラオス・雨パーティ・ヘイラッシャ+シャリタツ(以下「寿司」と表記します)が重かったため第二の補完としてトリトドンを採用しました。
最後に対フェアリーが重かったので鋼タイプが欲しかったのですが、同時に炎を受けられるポケモンがいなかったため(イーユイはタイプだけ見れば炎耐性はあるが炎はとても受けられない、例えばトリル下のコータスに受け出し不可能)、最後にヒードランを採用して構築が完成しました。
個別解説
イーユイ
わざわいのたま | |
きあいのタスキ | |
ゴースト | |
おくびょう | |
H131(4)-A×↓-B100-C187(252)-D140-S167↑(252) | |
あくのはどう/オーバーヒート ねっぷう/まもる |
構築の軸として採用しました。先発で負荷をかけるか先発トルネランドで荒らしてから後半で掃除をしていく運用が主になります。
トップメタのパオカイとの違いは高火力の全体技を打てるところにあります。
性格は同族やCブーストハバタクカミに先手を取れる確率を上げるため+ランドロスのスカーフ判別のためにおくびょうにしました。
イーユイの火力を活かすにはとにかく1回でも動くことが重要ですが、耐久調整を一切施していないため、持ち物はきあいのタスキを持たせました。
テラスタイプについては、カイリュー意識というよりもテツノカイナのねこだましを無効にしながらテツノカイナの隣にいるクレセリアに追撃をかけられるゴーストを採用しました。副次効果としてトリトドンと並べると一般的な連撃ウーラオスからの攻撃を完全に無視できます。
ただし、上位陣の方達はイーユイを見て基本的に素直にねこだましを打ってくれないので、それを逆手に取り炎テラス等に変えるのもありかもしれません。
再戦やBO3を意識するならゴーストのままの方がいいと思います(イーユイ側にねこだましが安定行動になってしまうため)。
ハバタクカミ
こだいかっせい | |
いのちのたま | |
フェアリー | |
おくびょう | |
H137(52)-A×↓-B88(100)-C168(100)-D156(4)-S205↑(252) | |
シャドーボール/ムーンフォース マジカルシャイン/まもる |
B:A172パオジアンのアイススピナー87.5%耐え、A172パオジアンのふいうち+いのちのたまのダメージ1回耐え
C:165-100ランドロスをフェアリーテラスムーンフォースで75%、131-155ハバタクカミをシャドーボールで確1
D:C187イーユイのオーバーヒート87.5%耐え
S:最速
構築の軸その2です。最初は眼鏡クレセリアとテツノツツミも選択肢に入っていましたが、ハバカミイーユイの並びは単純かつ強力であるのと、元がゴーストであるため高速紙耐久アタッカー(物理方面)でありながらカイリューのしんそくを受けない点、面倒なクレセリアやウーラオス、テツノカイナにまとめて負荷をかけられるため採用しました。
持ち物としてはこだわりメガネが強いのは分かってはいますが、ハバタクカミ自体がその強さからヘイトを向けられる点、ブーストエナジーが発動しない場合メガネが疑われる点を利用して相手の攻撃を防いで隣でアドバンテージを取れるまもるを採用するためにいのちのたまを持たせました。持ち物については同じくまもるを選択できるせいれいプレートもいいかなと思います。ブーストエナジーは強いアイテムだとは思いますが、性格や調整を判別されるのを嫌ったのと交換したら実質持ち物なしになるのが嫌だったので今回は採用しませんでした。
フェアリーテラスから繰り出されるムーンフォースとマジカルシャインは非常に強力で、削りのマジカルシャインと掃除のムーンフォースと言った使い分けが可能です。シャドーボールも同族やクレセリア、ヒードランへの打点として重宝しました。
先発でも後発でも安定した活躍をしてくれました。
化身トルネロス
いたずらごころ | |
メンタルハーブ | |
ひこう | |
おだやか | |
H181(212)-A×↓-B121(244)-C146(4)-D113↑(20)-S135(28) | |
こがらしあらし/おいかぜ ちょうはつ/にほんばれ |
B:災いの剣込みA204カイリューのノマテラハチマキしんそく耐え、A216霊獣ランドロスのダブル補正いわなだれ2耐え
D:C205ハバタクカミのプレートテラスムーンフォース87.5%耐え
S:最速70族抜き
※テラスタイプのひこうは一度も使いませんでした、レンタルではゴーストに変更済みです
場を整えていく枠です。
調整に関しては物理方面は特に耐えないと意味がないので物理方面を厚くしました。
採用理由であるおいかぜ、攻撃技がないのは弱い+削りができるこがらしあらし、イーユイやハバタクカミ、ヒードランを採用しているのと強力な雨下アタッカーであるイダイトウが環境に少なからずいるためそのメタとしてにほんばれ、最後にこわいかおとちょうはつで悩みましたが、クレセリアやヒスイヌメルゴン、モロバレルや立ち回り次第でミラーに打てるちょうはつを採用しました。
持ち物としてはおんみつマントかメンタルハーブが単純かつ強力ですが、今回は耐久にガッツリ振っているため、ミラーで先制ちょうはつをされるのを防ぐためメンタルハーブを採用しました。
全く活躍しない、ということはまずなかったのでよかったです。
耐久に振ってる都合上、相手次第では初手おいかぜではなくこがらしあらしから入れるのもよかった点だと思います。
霊獣ランドロス
いかく | |
こだわりスカーフ | |
ひこう | |
ようき | |
H173(68)-A186(164)-B111(4)-C×↓-D103(20)-S157↑(252) | |
じだんだ/テラバースト いわなだれ/とんぼがえり |
A:161-102イーユイをじだんだで81.3%で1発
B:A211ガチグマの根性からげんきを威嚇込みで87.5%耐え
D:災いの珠込みC187イーユイのダブル補正こだわりメガネねっぷう耐え
S:最速
補完枠です。ハバタクカミの防御を補ったりトルネランドで削りを入れたりヒードランとの耐性サイクルをしたりとよく活躍してくれました。採用率は流石に下がってはいますがまだまだ現役だと思います。
持ち物はパオジアンのタスキを削りつつ先手でとんぼがえりで逃げたりブーストエナジーを持っていないハバタクカミの上を取るためにこだわりスカーフを持たせました。
スカーフランドロスの技は地面技・いわなだれ・とんぼがえりで比較的完成しているため最後の余った枠にはゴリランダーやウーラオス、草・虫テラスを切ったヒードランを返り討ちにするテラバースト(飛行)を採用しました。テラバーストは抜群抜きでも通りの良い技だったため、採用してよかったです。
また、上述したとおり地面技・いわなだれ・とんぼがえりで技範囲は比較的完成しているためランドロス個人はテラバーストへの依存度が低めなのも見逃せない点だと思います。
性格についてはいじっぱりスカーフウーラオスを上から殴るためにもようき一択だと思います。ただ、素早さそのものは最速ではなくひかえめスカーフ100族抜きに抑えてもいいかも知れません。
ヒードラン
もらいび | |
たべのこし | |
くさ | |
ひかえめ | |
H191(196)-A×↓-B127(4)-C199↑(244)-D128(12)-S104(52) | |
ねっぷう/テラバースト だいちのちから/まもる |
H:16n-1(あまり意味はないかも)
B:A172パオジアンのいのちのたませいなるつるぎ耐え
C:ほぼ振り切り
D:C176テツノツツミのハイドロポンプ62.5%耐え
S:おいかぜ下最速テツノツツミ抜き、通常時無振りゴリランダー-1
補完枠その2です。上4匹では重いハバタクカミ・ハバカミイーユイミラーへの駒・アルマイエッサン・コータス軸トリルに対する補完として採用しました(サーフゴーではこれらの需要を満たすことができなかった)。
独自の耐性からの繰り出し性能は非常に高く、適切なサイクルを行えばガチグマすら返り討ちにし得るくらいのパワーを持っていました。
試運転のときはぼうじんゴーグルを持たせていましたが、このパーティを見てモロバレルが出てくるとは思えない+場持ちを良くした方が絶対に強いと考えたべのこしに変更しました。結果的にしんそくで拘ったこだわりハチマキ持ちのカイリューとの殴り合いを制した試合が何回かあったのでこの変更は正解でした。
ただ、今回施した調整に関してはお世辞にもいいものとはいえないため、変更するべきだと思います(Cを削ってDとSに回す等)。
テラバーストはテラスタルしない場合は腐ってしまいますが、テラスタルしていないカイリューへの最大打点になるような限定的なメリットもあります(残り2つは半減以下のため)。
また、ヒードラン自体も炎技とだいちのちからで攻撃技は最低限揃っているのでそこまで困ることはありませんでした(ラスターカノンが欲しくなることも時たまありましたが)。
トリトドン
よびみず | |
オボンのみ | |
フェアリー | |
れいせい | |
H207(164)-A×-B105(132)-C138↑(108)-D115(100)-S39↓ ※S最遅 | |
だいちのちから/れいとうビーム クリアスモッグ/まもる |
H:16n-1
B:ダブル補正A167ヘイラッシャのA1段階↑珠地震確3、ダブル補正A216ランドロスの地震確3
C:175-81ウーラオスを大地の力で99.6%で2発
D:C187ハバカミのムンフォ確3、ダブル補正C187ハバカミのプレートテラスマジシャ99.61%で2耐え
耐性を盾に対雨パーティや連撃ウーラオス、寿司に繰り出し・受け出していきます。その性質上唯一構築内で先発で出すことがないポケモンです。
持ち物については場持ちをよくしたいためオボンのみを持たせました(たべのこしをヒードランが持っていたのもあります)。
トリトドンのフェアリーテラスは使いやすく、ハチマキカイリューのげきりん受け、両方のウーラオスの一致技半減、寿司で残ったシャリタツに一切のチャンスを与えず降参させたりといい活躍をしてくれました。
調整についてはきちんとウーラオスを2発で落とせる或いはよびみず1回+インファイト1回したウーラオスを落とせたのでヒードランの調整よりちゃんと働いてくれたと思いますが、Bを厚くすれば対寿司で安定感が増すので配分については一考の余地はあると思います。
選出と立ち回り
選出パターン①
後発:残り4匹から2匹
これが基本選出になると思います。
身も蓋もありませんが、後発は刺さっているポケモンを適宜選択していきましょう。
選出パターン②
後発:+or
こちらは対トリックルームへの選出です。また、オーロンゲ軸にもこの選出をすることがあります。
対ガチクレセの場合クレセリアにテラス切る人も多いのでそれを逆手に取って隣のテツノカイナを落とす、なんて動きも狙えるかも知れません。最近のガチグマは威嚇サイクルを許さないためかビルドアップorつるぎのまいをスキを見て積もうとするタイプも多いので時には突っ込むのも大事です。
対イエブリの場合は敢えてイエッサンを落とさずにイーユイのねっぷうで削ってエースとブリムオンを並ばせない立ち回りも必要です。
選出パターン③
後発:+or
こちらは対パオカイへの選出です。
また、ヒスイウインディ相手にもこの選出をすることがあります。
ランドロスでカイリューの特性を判別してプランを立てていきましょう。
カイリューがせいしんりょくであった場合はランドロスを素引きしてヒードランにしんそくを受けさせ、マルチスケイルならとんぼがえりでカイリューのマルチスケイルを潰しながらヒードランを出しましょう。
ただ、カイリューのアクアジェットには気をつけてください。
せいしんりょくカイリュー相手も勝ててはいますが正直マルチスケイルの方がありがたいのは否定できません。
選出パターン④
後発:+or
対レジドラゴ関係の選出です。
相手の先発がトルネロス+サーフゴーならトルネロスおいかぜ→ハバタクカミまもる。トルネロスは落とされるので次のターンにイーユイを出してサーフゴーを焼き払いましょう。トルネロスのこわいかおもイーユイには通らないのでサーフゴー自体は焼くことはできます。(トルネロスの雨乞いも想定するなら勿体ないけどハバタクカミでサーフゴー方向シャドーボールも視野。)
選出パターン⑤
後発:+
最近湧いてるトリル偽装グレンアルマへの選出です。(対霰にも出せそう)
初手ランドロス+グレンアルマで出てきた場合は容赦なくおいかぜから叩き潰してやりましょう。逆にイエブリとかで出された場合はトルネロスをヒードランに引きましょう。その場合はヒードランの耐性で立ち回ることになるため純正のイエブリと同じくイエッサンはわざと1ターンでは処理せずにねっぷうの削りに留めましょう。
選出パターン⑥
後発:or+あと1匹
⑤と似ていますこちらは化身ボルトロス入り関連にすることが多い選出です。
ランドロスはボルトロスのかみなりあらし・でんじは受けに必要です。
ボルトロス軸はトルネロスと違い素早さ操作の展開は遅い+悪タイプへの素早さ操作は不可能なため、イーユイを大事にしたいところです。
苦手な相手
様々な相手に幅広く戦えるように組みましたが苦手な相手もどうしても出てきます。
特性どんかん寿司
2ROMでレート2000を早い内に出し、最終順位10位以内に入っていたSHUSUKEさんが使っていた構築です。
てんねん型ならできたランドロスで威嚇しつつトリトドンを出してヘイラッシャの攻撃を耐えてクリアスモッグ、がし辛くなるのでトリトドンの受け出しタイミングがかなりシビアになります。
ガラルサンダー+クレセリア+ディンルー
こちらはガラルサンダーで2000に載せていたムトウさんが使っていた構築です。
クレセリア+ディンルーだけ、ガラルサンダーだけならまだ対処も一応できますが3匹揃ってると非常に厳しいです。
ロンゲコノヨ
数はかなり減りましたがそれでもたまにいる嫌な相手です。
今までいた炎テラスタルより水テラスタルが主流になっているのが向かい風になっています。
Sブーストハバタクカミ+おいかぜミラー
Sブーストハバタクカミだけならいいですがそこにおいかぜミラーが加わると面倒です。
火力こそないですが何かしら蓄積ダメージは確実に負ってしまうのが難点です。火力がない分相手側もヒードランを落とし辛いためうまく受けながらハバタクカミかおいかぜ要員を落としたいところです。こごえるかぜを持っていることもあるためランドロスで安易に突っ張るのは避けた方が無難でしょう。
最後に
レギュレーションDは全国ダブルでよく使用されている強豪ポケモン(三鳥、コピペロス、クレセリア、ヒードラン、ウーラオス等)が解禁されたルールのため、全国ダブルと推定される来年への練習に最適かと思い取り組みましたが、予想以上の成果を出せたかと思います。
リバティノート圏内に載ることが目標の1つでしたが、今回無事に達成したため、次は純粋に上を目指してみるのもありかな、と思っています。
質問等ありましたら
@DiMeteora
まで遠慮なくお尋ねください!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
チームID:P4LP10
パーティ作成者
メテオール
ポケモンのダブルバトルを主にやっています いつかはシングルも 証やリボン収集も興味あり 好きなものは色々あるけど特にメタグロスとたれぱんだが好きです ワンちゃんと風景写真を見るのも好き ブログは整理します(消しはしません)