はじめに
はじめまして。かすてぃら(@kstir_z)と申します。
昨年WCS2023に出場しました。普段はORASのトリプルバトルで対戦しています。
この度、公式インターネット大会「ブルーベリープロローグ」に出場し、最終21位を取ることができました。
せっかくの機会ですので、使用構築を紹介させていただきます。
構築経緯
本大会は禁止伝説であるテラパゴスを使えるところが一番の特徴です。
その他、準伝説()や600族()が使用可能です。
他のポケモンと比べて種族値が突出していることから、数値差のある環境と言えます。一部の強いポケモンが強い。
↓
事前の仲間大会では、これらの強いポケモンを強く使うための組み合わせが多く使われていました。
じきゅうりょくブリジュラス+連続技
こだいかっせい+晴れ
など。
コンボとかギミックとか言われるやつです。
↓
どのギミックも強力ですが、このゆびとまれやちょうはつ、ねこだまし、ほえる、ゼロフォーミング等で互いに妨害し合うことができます。
うまく相手のギミックを妨害し、自分のやりたいことを通したほうが勝つ環境だと思いました。
自分でもテラパゴス+このゆびとまれやブリジュラス+ふくろだたきを試してみましたが、対策のしっかりした強者にボコボコにされたため、本戦ではこういった妨害手段に強い構築を用意したいところ。
とはいえ、構築の基本性能を確保するためにも、なんらかの火力上昇ギミックは組み込みたいです。
↓
紆余曲折あり、じゃくてんほけんメタグロス+じならしリキキリンに行きつきました。
じならし+クリアボディで相手のみ素早さを下げながらじゃくてんほけんを発動し、攻撃が上昇したメタグロスで攻めるギミックです。
テイルアーマーによりねこだましやいたずらごころ+ちょうはつ、アンコールを防ぐことができます。また、いかくやこのゆびとまれにも妨害されず、安定感があります。
なにより、一見してリキキリンが高速で動いてくるとは思われず、トリックルームや補助技を警戒した行動を取られやすいです。意表が突ける。
テラパゴスにある程度強いのも魅力。
じならしでテラスシェルを崩しながら素早さを逆転し、威力120のヘビーボンバーを叩き込むことができます。
火力も十分で、テラスタルフォルムであればH振りでも即座に倒せるほどの威力です。
ほえるやふきとばしをされるのは普通に嫌ですが、即効性がありすぐにダメージを出せることや、見た目からじゃくてんほけん起動がバレづらいこともあり、最低限の耐性はあります。
↓
先発をメタグロスとリキキリンとし、控えに選出するポケモンとしてテラパゴスを採用しました。
この環境で最高の単体性能を誇る禁止伝説で、特別な理由がなければ採用しておきたいポケモンです。
特性のテラスシェルとゼロフォーミング、ステラ時にHPが上がる仕様から相手の攻撃を受け止める性能が非常に高く、ステラ時のテラクラスターで切り返していくことができます。
↓
もう1匹の後発ポケモンとして、テツノイワオを採用。
まもる貫通のパワフルエッジが詰めの場面で非常に優秀です。岩ウーラオス。
じならしで素早さを下げた相手に対し、ブーストエナジーで攻撃を上げたテツノイワオで攻撃する動きがシンプルに強力です。
↓
深く考えずここまで組んだらエスパーが3匹になり、悪(ガオガエン)がやたらと重くなってしまいました。
格闘タイプや水タイプの採用も考えましたが、ここはメタグロス+リキキリン以外にも強力な先発の組み合わせを用意したいと考え、ブリジュラス+エルフーンを採用しました。
エルフーンのふくろだたきでブリジュラスのじきゅうりょくを発動させることで、耐久を上げながら高火力のボディプレスを連打することができます。
強力な格闘打点となりガオガエンに強く出られるほか、防御が上昇するので相手のメタグロスにも対抗できます。
結果的に悪弱点3匹、地面弱点3匹の凄まじいバランスとなってしまいました。
ギミックに気を取られすぎました。
成功時の爆発力と種族値の高さで補いたいところです。
個別解説
リキキリン
テイルアーマー | |
こだわりスカーフ | |
ノーマル | |
おくびょう | |
H195-A99↓-B90-C162(252)-D91(4)-S123↑(252) | |
じならし/ハイパーボイス サイコキネシス/はかいこうせん |
ギミックの始動役です。
前述の通り、じならしでメタグロスのじゃくてんほけんを起動しつつ、相手の素早さを下げます。
最速スカーフで115族まで抜くことができます。エルフーンと同速。惜しい。
リキキリン自体の単体性能は投げ捨てています。
別にテツノイワオやジュカイン辺りが高速でじならしできるのでリキキリンでなくても良かった気もしますが、ねこだましやいたずらごころでの妨害に強いテイルアーマーには無理をしてでもリキキリンを採用するだけの価値があると感じました。
一見してギミックを看破しづらく、トリックルームの可能性がよぎるのも利点です。
じならし以外の攻撃技は撃つ機会が少ないです。
一回ひっこめないと使えない上、じゃくてんほけん起動後はメタグロスの地震で処理されがちです。かわいそう。
他にはハイパーボイスくらいしか撃ちたい技がなかったので、単体の高打点としてはかいこうせんを採用しました。
範囲技と単体高火力技を使い分けることでアカツキガチグマになれるかと思いましたが、はかいこうせんは案の定ほとんど使いませんでした。
変な技入れずにシャドーボールとかトリックとかにしておけばよかったです。
メタグロス
クリアボディ | |
じゃくてんほけん | |
ひこう | |
いじっぱり | |
H177(172)-A181(76)↑-B151(4)-C×↓-D111(4)-S122(252) | |
まもる/ヘビーボンバー じしん/バレットパンチ |
・素早さ:準速
・HP:16n+1
・攻撃:残り
味方のじゃくてんほけん起動から暴れるエースです。
クリアボディなので、じならしで素早さが下がらないうえ、いかくも無効。
高火力高耐久も相まって安定しています。
素早さも準速にすると最速リキキリン-1になり、スカーフじならしでSを下げた相手をそのまま続けて攻撃できます。
今作で習得したヘビーボンバーが強力。110kg以下の相手には威力120を出すことができます。
人間と一緒で大抵のポケモンは体重110kgないので、かなり広範囲に最大威力を出せます。
リキキリン以外にも、エルフーンのふくろだたきで保険を起動するルートもあります。
ブリジュラス選出の裏に置いておいてサブプランとして通していけます。
というか保険起動しなくても普通に強いです。ムキムキ。
ブリジュラス
じきゅうりょく | |
とつげきチョッキ | |
ゴースト | |
ずぶとい | |
H193(220)-A112↓-B166↑(4)-C146(4)-D117(252)-S109(28) | |
ボディプレス/りゅうせいぐん ラスターカノン/ドラゴンテール |
・特防:全振り
・HP:16n+1
・素早さ:残り(無振り近辺のテラパゴス抜き)
メタグロスを出しづらいときの第二選出として、ブリジュラスです。
エルフーンのふくろだたきで防御を4段階上げ、ボディプレスで殴るギミックです。
格闘打点が優秀です。メタグロスが苦手な悪(ガオガエン)に強く出ることができます。
テラパゴスに対しても強力な打点となります。テラパゴスはテラスタルでタイプを変えることができません。
ブルーベリー学園にはやたらと御三家が多いので、炎水草と撃ち合える鋼ドラゴンタイプであることも有難いです。
技は8割方ボディプレスで事足りますが、フェアリーに刺さるラスターカノンを一致で撃てるところも強み。また、高威力のりゅうせいぐんもCダウンをあまり気にせず撃っていけます。
ドラゴンテールは最低限の積み対策です。相手のものまねハーブを飛ばしたりもします。
スペックは非常に高いですがやることがバレバレなので、ちゃんと対策していそうな高レートの相手には選出を控えたいところ。
なので大会の後半は出番が少なかったです。
とはいえブリジュラスで相手の対策(このゆびとまれエレブーなど)を釣り出してメタグロスで倒すことができるので、いわゆる見せポケとしての活躍はあったと思います。
また、大会の序盤~中盤をスムーズに駆け上がれたのもブリジュラスのお陰です。
エルフーン
いたずらごころ | |
おんみつマント | |
ゴースト | |
おくびょう | |
H167(252)-A64↓-B105-C×-D96(4)-S184↑(252) | |
ふくろだたき/ちょうはつ アンコール/おいかぜ |
ブリジュラスの相棒。ボコボコに殴ります。
おんみつマントが優秀で、ねこだましでふくろだたきを止める対策を無視できます。
この1ターンだけで勝ちを大きく引き寄せられます。
まもるや積み技を縛るアンコールと、ギミックやこのゆびとまれ耐性の付くちょうはつをどちらも採用したかったので、ムーンフォースを切りました。
アンコールとちょうはつを両採用することで、幅広い場面で相手に妨害を仕掛けることができました。
正直ムーンフォースがなくて困る場面も多かったですが、アンコールもちょうはつもおいかぜも使うので止む無しです。
たまにふくろだたきで相手を倒します。
テラパゴス
テラスシェル(ゼロフォーミング) | |
クリアチャーム | |
ステラ | |
おくびょう | |
H176(44)-×↓-B131(4)-C151(204)-D131(4)-S150↑(252) ステラ時:H241(44)-×↓-B131(4)-C176(204)-D131(4)-S150↑(252) | |
まもる/テラクラスター だいちのちから/めいそう |
・素早さ:最速
・HP:16n(ステラ時16n+1)
・特攻:残り
伝説のポケモン。
ステータスも特性も技も強いです。
後発で選出し、ステラを切ってテラクラスターで一掃を狙います。
相手のテラパゴスとの殴り合いを念頭に、強く出られそうな最速めいそう型としました。
持ち物はかいでんぱやバークアウト、すてゼリフに強いクリアチャーム。発動機会が多く、いい感触でした。
いま気付きましたが、味方リキキリンのじならしで巻き込んでも素早さ下がりませんね。テラスシェル消費するのでやりたくありませんが……。
テツノイワオ
クォークチャージ | |
ブーストエナジー | |
ゴースト | |
いじっぱり | |
H165-A189(252)↑-B100-C×↓-D129(4)-S176(252) | |
まもる/パワフルエッジ せいなるつるぎ/つるぎのまい |
後発ポケモンその2。
まもる貫通のパワフルエッジが詰めの場面で非常に優秀です。
素早さ操作からパワフルエッジを振り回すだけでめちゃめちゃ強いです。
せいなるつるぎも優秀な技で、ランク無視でブリジュラスを貫ける他、テラパゴスへの打点として重宝します。
岩+格闘の範囲が強い。
選出の項で触れましたが、ドーブル+ベトべトンやかげふみ+ほろびのうたなど、特殊な相手については先発で出すケースがあります。
ドブべトンに対してはドーブルをエルフーンのちょうはつで牽制しながらつるぎのまい→せいなるつるぎでベトベトンの能力変化を無視して倒します。
滅びパには、ゴーストテラスも選択肢に入れつつ、まもる貫通のパワフルエッジで削っていきます。
ギミックとは特に関係ないポケモンでしたが、出す度に活躍する強い子でした。
選出と立ち回り
基本選出(じならし保険選出)
後発:+or
ふくろだたき選出(ガオガエン、メタグロス、炎、水、電気、鋼を重く見たとき)
後発:+or
対ドーブル+ベトベトン
後発:+
対滅び(ゴチルゼル+アシレーヌ)
後発:+
さいごに
ということで最終レート1818、21位でした!
(最高レート:1848)
今回の構築で、良かったと感じる点が2つあります。
②アタッカー陣を高種族値(禁止伝説+準伝説+600族2匹)で固められた
冒頭でも触れたように、本大会はギミックへの対策が飛び交う環境でしたが、それらの対策の多くにリキキリン+メタグロスは強く、安定して対戦を進めることができました。
相手次第ではブリジュラスを通すルートも選択でき、柔軟性のある構築でした。
また、高種族値ポケモン主体であり個々の性能が高いので、ギミックが失敗した場合やギミックを狙わない場合でも、スタンダード構築として戦うことができました。
どんな状況でも粘り強く戦える構築だったと思います。
自分の構築だけでなく、大会全体でギミックを主体としたパーティが多く、いろいろな工夫、いろいろな対策がありました。
「そんなことするの!?」というような個性的な動きのパーティにたくさん出会えました。各々が自分の最強コンボを持ち寄ってぶつけ合う、楽しい大会だったと思います。
ダブルバトルの面白さ、醍醐味を存分に味わえました。
今後のインターネット大会にも是非参加したいです。
本記事は以上となります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
パーティ作成者
かすてぃら
実績
シングル:「トリックマジック」最終8位
ダブル:「PJCS2023」ベスト16 / 「WCS2023 Day1」 4勝3敗
トリプル:「日曜トリプル大会(32人規模)」ベスト32
トリプルバトルをよろしくお願いします!(ダブルバトルのサイトに書くことではないかもしれませんが)
2024年現在、いまだに3DSのWi-Fiサービス上で対戦が行われています。
ブルーベリープロローグに負けず劣らず、バリエーション豊かなコンボやギミックが楽しめるルールです。
ぜひ動画サイトなどで一度対戦の様子を見てみてください!