はじめに
こんにちは、スミオ(@sumio56178387)と申します。
先日行われた大型インターネット大会である「てるチャレオンライン#17」で予選を6勝1負で10位抜けし、決勝トーナメントでTOP16入賞という好成績を収めることができたので構築記事を書かせていただきます。
構築の経緯
PJCS予選1回目の上位入賞した構築を眺めているとガオガエン+ゴリランダー+タケルライコといった構築が多く、このようなパーティ相性にかかわらずプレイングで勝つことが出来るパーティはBO3向きであり、今大会でも多くのエントリーがあるのではと感じていました。そこで「この構築(ゴリラガエンライコ)をカモにできれば勝てるのでは」と思い至り構築をスタートしました。
今大会はクローズシート制で開催されることから、ゴリラガエンライコを対策していることがバレず不意を突いて相手を倒す、言わば初見殺しが出来れば強いと考えました。
そこで前々からひそかに注目していた「ウェザーボール」持ちのタケルライコが、晴れ状態ならゴリランダーに対して強く、相手のタケルライコに対してもドラゴン技で弱点を突くことが出来ることからタケルライコを軸に構築を考えることにしました。
相手のゴリランダー、タケルライコはそれぞれ弱点を突いて突破できるので、ガオガエンに対して何か有効打がないかを探したときに、「雨+ウェザーボール」か「エレキフィールド+ライジングボルト」を思いつきました。そこで「にほんばれ」+「エレキフィールド」を先制で打てるボルトロスを第1サポート役として採用し、ボルトロスを選出しなかった際に「ウェザーボール」を活かす「あまごい」と「おいかぜ」を先制で打てるトルネロスを第2サポート役で採用しました。
トルネロスの「あまごい」がタケルライコの「ウェザーボール」でしか活用されないのは弱いと思ったのでトルネロスと相性抜群な水ウーラオスを採用。
ここまででガチグマ+リキキリンが重たかったので鈍足かつ特殊耐久の高いポケモンであり、さらに特性すなあらしによってタケルライコの「ウェザーボール」を活かすことが出来るバンギラスを採用しました。
最後に「にほんばれ」と相性が良いハバタクカミを採用しパーティ6匹が決定しました。
パーティ紹介
タケルライコ
こだいかっせい | |
おんみつマント | |
ステラ | |
ひかえめ | |
H201(4)-A×↓-B111-C207↑(252)-D109-S127(252) | |
ウェザーボール/ライジングボルト じんらい/りゅうのはどう |
C:晴れ+「ウェザーボール」でH252D212振り以下のゴリランダー@とつげきチョッキ を確定1発
エレキフィールド+ステラ「ライジングボルト」で特化ガオガエンを乱数1発(44%)
雨+ステラ「ウェザーボール」で特化ガオガエンを乱数1発(44%)
晴れ+ステラ「りゅうのはどう」でH252D4振りタケルライコを乱数1発(44%)
晴れ or エレキフィールド+ステラ「じんらい」で無振り悪ウーラオスを確定1発
晴れ+ステラ「ウェザーボール」でH4振りオーガポンを確定1発
エレキフィールド+「ライジングボルト」でH252D4振りハバタクカミを確定1発
S:タケルライコミラーを強く意識して準速
タケルライコは”ゴリランダーに対して晴れ「ウェザーボール」を打ち相手の意表を突く”、といったコンセプトで構築の軸に据えたポケモンだったのですが、ゴリラガエンライコに役割遂行することを一番に考えた結果、技構成のみならず、テラスタイプ、持ち物、努力値配分すべてが一般的なタケルライコと異なる構成となり、今大会のクローズシート制を十分に活かすことが出来ました。
①技構成
ボルトロスを組み合わせることで「エレキフィールド」からの「ライジングボルト」を打つコンボは非常に有名で警戒される動きであるのに対し、「にほんばれ」からの「ウェザーボール」を打つ型は私の知る限りでは見たことがありませんでした。
「にほんばれ」+「ウェザーボール」については特性こだいかっせいを発動させて火力を上げつつ、電気タイプを半減する草タイプに対して弱点を突けるため相性が良い技だと感じており、相手の意表を突いて環境にいるモロバレルやゴリランダーを処理できると想定し「ウェザーボール」を採用。またガオガエンとタケルライコに対してそれぞれ有効打となる「ライジングボルト」と「りゅうのはどう」を採用し、代名詞「じんらい」も当然採用して技構成が決定しました。
②持ち物
「まもる」を採用していないことから、ガオガエンとゴリランダーの「ねこだまし」を防ぐ手段がないため、おんみつマントを採用しました。ラケルライコ+ボルトロスを基本先発で出すので相手目線に立って考えると、おんみつマントを持っていそうなボルトロスよりとつげきチョッキ型が一定数いるラケルライコに「ねこだまし」を打つ確率が高いと判断し、「ねこだまし」持ちが来ても強気に両動かしで突っ張りました。予想通り、大会では「ねこだまし」をタケルライコに打たれることが多く、返しの「ライジングボルト」で相手に大ダメージを与えて試合を有利に運ぶことが出来ました。また最近よく見かける「こごえるかぜ」や「バークアウト」の追加効果を防いでくれるのも地味に嬉しいポイントでした。
③努力値配分
タケルライコミラーで絶対に相手よりも早く動きたかったのでCS全振りにしました。おかげで遅いサーフゴーやキラフロルに対しても上から一撃で倒すことが出来るようになりました。
④テラスタルタイプ
現状の持ち物、技構成ではとつげきチョッキ持ちのH252振りタケルライコとHD特化ガオガエンにそれぞれ、「りゅうのはどう」と「ライジングボルト」を確定で耐えられてしまいます。せっかくゴリラガエンライコをメタっているので、何とか一撃で倒す方法はないかと考えました。
「りゅうのはどう」を「りゅうせいぐん」に変更し、電気テラスタルで「ライジングボルト」を強化すればどちらも倒せるようにはなりますが、「りゅうせいぐん」が命中不安定である事とCダウンのデメリットを嫌ったため、テラスタルは両タイプの技を強化できるステラにしました。ステラは天候によってタイプが変わる「ウェザーボール」や、先制技の「じんらい」を打ち分けて使うことが多いタケルライコと相性が良く、また耐性が優秀なドラゴンタイプを変えないといったメリットもありました。以上のように、環境にいるタケルライコとは全く異なるタイプの型に仕上がってしまいましたが、初見殺し要素がいくつも用意されていたためクローズシート制&BO3である今大会ではとても活躍してくれました。
化身ボルトロス
いたずらごころ | |
ぼうじんゴーグル | |
ゴースト | |
ずぶとい | |
H186(252)-A×↓-B134↑(252)-C145-D101(4)-S131 | |
にほんばれ/エレキフィールド かいでんぱ/かみなりあらし |
タケルライコを最も手厚くサポートするポケモンであり、基本的にはタケルライコとセットで先発に出します。
上述の通りBO3の1戦目は「ねこだまし」をタケルライコに打たれ、2戦目以降にはボルトロスに打たれる事を想定していましたので、相手の「ねこだまし」を無効化するゴーストテラスタルにしました。エレキフィールドによってタケルライコはモロバレルの「キノコのほうし」で眠らなくなりますが、ボルトロスは浮いているので眠ってしまいます。モロバレルは晴れ「ウェザーボール」で倒すことができますが、モロバレルを無力化していつでも倒せる状況で放置していたほうが試合を有利に運ぶことが出来ると考えたため、ぼうじんゴーグルを持たせることにしました。
技構成は、タケルライコをサポートする「にほんばれ」、「エレキフィールド」は確定とし、専用の攻撃技「かみなりあらし」も強いので確定。残り1枠ですが、化身ランドロスやハバタクカミが重いので「かいでんぱ」を採用することにしました。できるだけ相手の攻撃を耐えて多くの仕事をしたかったので努力値は耐久に全振りとしました。
化身トルネロス
いたずらごころ | |
ゴツゴツメット | |
はがね | |
ずぶとい | |
H186(252)-A×↓-B134↑(252)-C145-D101(4)-S131 | |
おいかぜ/あまごい まもる/こがらしあらし |
タケルライコの「ウェザーボール」を活躍させたくて、特性いたずらごころにより「あまごい」を先制で使えるサポート枠として採用しましたが、一番の強みは「おいかぜ」による素早さ操作であると再認識しました。相手がトルネロス入りの構築だった場合、こちらにタケルライコとボルトロスがいる(加えてバンギラスもいる)ことで相手のトルネロス選出を抑制し、こちらが一方的に「おいかぜ」を使い有利状況をつくり出すことが可能です。
トルネロス+水ウーラオスを構築の軸として考えるときは、水ウーラオスが苦手なモロバレルや水オーガポンに対してダメージを与えるためにCS特化が強いのですが、今回の軸はタケルライコと決めておりトルネロスは後発から出すことを想定していましたので、受け出しができるように耐久型としました。特に強い配分は思いつかなかったので、HB特化とし悪ウーラオスのきあいのタスキを潰せるようにゴツゴツメットを持たせていました。構築の軸であるタケルライコ+ボルトロス+トルネロスは全員氷タイプが弱点となっていた事と、相手のハバタクカミが重たかった事から、テラスタルは氷とフェアリーに耐性があるはがねとしました。
ウーラオス(れんげきのかた)
ふかしのこぶし | |
しんぴのしずく | |
はがね | |
いじっぱり | |
H191(124)-A200↑(252)-B121(4)-C×↓-D86(44)-S128(84) | |
すいりゅうれんだ/インファイト アクアジェット/みきり |
H:16n-1
B:鋼テラスタル時、意地っ張りカイリューのノマテラハチマキしんそく+意地っ張りパオジアンのふいうちを確定耐え
A:全振り
H4振りパオジアンを「すいりゅうれんだ」で確定1発
H4振り化身ランドロスを雨+「アクアジェット」で乱数1発(44%)
H252イーユイを雨+「アクアジェット」で確定1発
H4振りガチグマ(赫月)を「インファイト」で確定1発
D:ハバタクカミの眼鏡+テラスタル+マジカルシャインを確定2耐え
S:準速75族抜き(タケルライコなど)、おいかぜ時にスカーフイーユイを抜ける
折角「あまごい」を持ったトルネロスを使うなら雨とシナジーがあるポケモンを使いたいと思い、PJCS予選でも使っていたHAD振りの水ウーラオスをそのまま持ってきました。
鋼テラスタルを切る事によりラケルライコ軸で重たいパオジアン+カイリューやハバタクカミに対して強くなるため、トルネロスとのシナジー効果だけではなく構築の補完枠としても優れていました。鋼テラスタルは水ウーラオスの弱点であるフェアリー、草、飛行、エスパーを半減にするため相性が良く、ゴリランダー、ガチグマ(赫月)に対しても強くなるので環境に刺さっているポケモンでした。
特性ふかしのこぶしによりこちらの「おいかぜ」ターンを相手に凌がれる事なく有効に使うことが出来るので、火力を押し付けていけるようにしんぴのしずくを持たせました。持ち物をしんぴのしずくにすることで、H4振りパオジアンや防御に厚いハバタクカミを「すいりゅうれんだ」で倒すことが出来、さらにH4振り化身ランドロスを雨+「アクアジェット」で乱数1発(44%)となります。
バンギラス
すなおこし | |
とつげきチョッキ | |
ゴースト | |
いじっぱり | |
H207(252)-A193↑(172)-B131(4)-C×↓-D122(12)-S90(68) | |
いわなだれ/はたきおとす けたぐり/れいとうパンチ |
H:全振り
A:「れいとうパンチ」でH252B4振り化身ランドロスを確定1発
「けたぐり」でH252B4振りドドゲザンを確定1発
「いわなだれ」+ウーラオスの「アクアジェット」でH252B4振りハバタクカミを確定
「はたきおとす」+ウーラオスの「インファイト」+砂ダメでH252タケルライコを確定
D:特化ハバタクカミ@眼鏡 のテラスタル「ムーンフォース」を確定耐え(砂込み)
特化ガチグマ(赫月)@いのちのたま の「だいちのちから」+「しんくうは」を確定耐え(砂込み)
特化化身ランドロス@いのちのたま の「だいちのちから」を確定耐え(砂なし)
特化テツノカシラの「タキオンカッター」を確定2耐え(砂込み)
S:「おいかぜ」時に最速オーガポン抜き
タケルライコの「ウェザーボール」で不意にガオガエンに弱点を突くことが出来れば強いかな、と思い採用しました。とつげきチョッキを持たせることでコータスやブリムオン、ガチグマ(赫月)などのトリル特殊アタッカーに対して滅法強くなる他、タケルライコが苦手なハバタクカミや化身ランドロスに対しても役割を持つ事が出来ます。バンギラス先発で「いわなだれ」やすなあらしによるスリップダメージで相手を雑に削り、ウーラオスの「アクアジェット」やタケルライコの「じんらい」で相手を縛ったり、高い耐久を活かして後発から受け出したりと、様々な選択肢を与えてくれるのでBO3向きのポケモンだと感じました。
技構成はタイプ一致の「いわなだれ」、「はたきおとす」は確定とし、化身ランドロスを一撃で倒すことが出来る「れいとうパンチ」と、ガチグマやドドゲザンに対して有効な「けたぐり」を採用しました。
少しSに振り「おいかぜ」時に最速111族までを抜くことが出来るので、困ったら「いわなだれ」でひるみを狙いに行くこともできます。ぼうじんゴーグル持ち+鋼テラスタルが2体いるので、砂ダメが味方に入りづらいのもプチシナジーでした。
ハバタクカミ
こだいかっせい | |
こだわりメガネ | |
フェアリー | |
おくびょう | |
H133(20)-A×↓-B91(124)-C180(196)-D156(4)-S180↑(68) | |
マジカルシャイン/ムーンフォース シャドーボール/こごえるかぜ |
HB:陽気パオジアンの「つららおとし」を確定耐え
HD:特化ハバタクカミの「シャドーボール」を確定耐え
S:最速111族(トルネロス)抜きC:残り(C=Sなので、晴れ状態にCが上がる)
晴れ+テラスタル「マジカルシャイン」でH4振りアローラキュウコンを確定1発
晴れによって特性こだいかっせいを活かすことが出来、タケルライコと相性補完が良いため採用しました。
前述の通り、タケルライコやボルトロスが睨みを利かせているので相手はトルネロスを出しづらく、こちらが一方的に「おいかぜ」を打てる展開が期待できることから上から高火力の技を押し付けていけるようにこだわりメガネを持たせました。
技構成は「ムーンフォース」、「マジカルシャイン」、「シャドーボール」は確定として、他に必要な技もありませんでしたので、こだわりメガネがバレた際に警戒が薄くなるであろう「こごえるかぜ」を採用しました。
Sブーストしなくてもそこそこ素早さは高いので、「こごえるかぜ」+水ウーラオスの「インファイト」などでオーガポンや化身ランドロスを相手の不意を突いて処理する事が出来ました。
基本選出
相手に化身ランドロスがいないときの基本選出
後発:+or
この選出を軸にした構築なので、出せそうなときは強気に出していきます。
相手に「ねこだまし」持ちが来た場合は、ニコニコしながら両動かししてアドバンテージを稼ぎに行きます。相手にハバタクカミがいた場合もタケルライコを出しにくくなりますが、現環境ではブーストエナジー持ちが多いので「エレキフィールド」+「ライジングボルト」で倒します。相手のハバタクカミがこだわりメガネを持っていた場合は、1戦目ボコボコにされますが2戦目以降で選出を変えて頑張ります。
対 化身ランドロス入り
先発:or+
後発:+@1
化身ランドロスとタケルライコが対面してしまうと、「だいちのちから」で倒される上に交代先でも受けることが難しいためタケルライコは先発で出しません。化身ランドロスを「おいかぜ」+「れいとうパンチ」で1ターン目から処理できれば有利な展開になりますし、化身ランドロスが後発に控えていた場合でも「おいかぜ」さえ残っていればウーラオスの「すいりゅうれんだ」かタケルライコの雨「ウェザーボール」で倒すことが出来ます。
対 パオジアン+カイリュー
先発:or+
後発:+@1
タケルライコが「しんそく」+「つららおとし」で倒される上に交代先でも受けれらないので、先発で出しません。ウーラオスでテラスタルを切りながら「すいりゅうれんだ」でパオジアンを処理できれば有利な展開になります。
対 アローラキュウコン+フリーザー or テツノツツミ(雪パ)
後発:@2
先発:ボルトロス+ハバタクカミ後発:@2先発タケルライコ+ボルトロスでは「ふぶき」を連打されるだけでこちらのパーティが崩壊してしまうので、ボルトロス「にほんばれ」+ハバタクカミ「マジカルシャイン」で逆に相手のパーティを崩壊させます。
対 トリックルーム構築
相手のトリルエースが特殊アタッカーだった場合は、バンギラスを後発においておけばだいたい勝てますが、原種ガチグマがいる場合は”トリックルームを打たれるとだいたい負け”というレベルでキツいので、バンギラスの「いわなだれ」で怯みを狙いに行きます。
さいごに
クローズシート&BO3という普段では味わえない対戦をする事が出来、非常に楽しかったです。このような大会を開催していただき、また寄稿の機会をいただいた運営さんに感謝。最後まで読んでいただき有難うございました。この記事が少しでもポケモントレーナーである皆様の参考になれば幸いです。私の個別ブログでもポケモン構築記事(PJCS予選抜け構築など)を書いていますので、もし興味があれば見てみて下さい。
パーティ作成者
Sumio
化学メーカー勤務のポケモンゲーマーです。