チームID:3LRCK5
はじめに
みなさま初めまして、またはお久しぶりです。く~れん(@kuhren4)です。
軽く自己紹介をしておくと、剣盾からダブルをはじめ、SVに移行した時、ストーリー中にセーブデータが吹っ飛んでクリアすらせず萎え落ちしていたのですが、キタカミプロローグでサーナイトが活躍できると聞いて復帰した者です。ちなみに、第1回PJCSは開催前しかエントリーできないと知らずに出場できませんでした。
今回は、PJCS2024第2回予選で使用した構築の紹介です。カビゴンという現環境では珍しいポケモンを使ってうまく立ち回ることができたと思っているので、ぜひ見ていってもらえると嬉しいですし、レンタルを使ってもらえるともっと嬉しいです。また、リバティノートでは簡潔な構築コンセプトだけを説明していますが、個人ブログではそのようなコンセプトに至った経緯や、環境の推移についても触れています。こちらは実用版、個人ブログは充実番だと思っていただければ大丈夫です。
構築経緯
メガネハバタクカミとブーストエナジーおいかぜトドロクツキの並びが強いと考えました。追い風で素早さサポートができるのはもちろん、トドロクツキのはたきおとすでとつげきチョッキを落としたり、物理と特殊で補完が取れている点が優秀です。
しかしトルネロス+ウーラオスの並びなど、先制追い風構築に弱いのが弱点でした。そこで、先発に耐久しつつ中火力で殴って盤面を整理できるポケモンや、状態異常でビートダウンを止められるポケモンを投げるという戦術を思いつきました。そして思いついたのが、とつげきチョッキ持ちタケルライコとあくびカビゴンの並びでした。
あとはこの4匹だけでは見切れない並びなどをなんやかんやする補完枠としてキラフロルとウーラオスを採用しました。キラフロルは主にガオガエン+モロバレルやカイリューを、特化メテオビームというバカみたいな火力、略してバ火力で破壊するのが主なお仕事です。ウーラオスは若干重めな化身ランドロスやパオジアンを確実に処理できるように、ほぼ攻撃特化のしんぴのしずくで採用しました。
個別解説
ハバタクカミ
こだいかっせい | |
こだわりメガネ | |
フェアリー | |
おくびょう | |
H131(4)-A×↓-B91(124)-C171(124)-D156(4)-S205↑(252) | |
ムーンフォース/マジカルシャイン シャドーボール/ほろびのうた |
HB:A189パオジアンのふいうち耐え
C:あまり
S:最速
臆病CSベース。耐久方面は最低限でとどめ、最速を取りつつ余りは火力にぶっぱ。サポートは周りがやる、お前は殴りに専念しろという配分です。後発が基本ですが、竜/闘/無以外の攻撃には受けだせないと思っておくべきでしょう。
また、ヌメルゴンやレジスチルなどはがねタイプの積み耐久系は、他のポケモンで耐久ポケモンの横にいるサポーターを2匹以上排除し、ほろびのうたで締めるルートを頭に入れておくといいでしょう。相手視点でも、たてこもるなどをガン積みしているポケモンを放置され続けるルートは視野にないようで、結構プレミを誘えました。
めいそうタケルライコなどもこれで処理することもあります。特にめいそうタケルライコはウェポンがじんらいと竜技しかないので、こちらがほろびのうたを押し続けている限り触られないことを覚えておくといいことあるかもです。予選では実際にそれで1勝を拾いました。ただし、寿司に有効かと言われると微妙です。こだわりメガネメガネ持ちなので後発からしか投げられないですが、合体したヘイラッシャ相手に後出しするのは怖すぎます。毒寿司など火力のなさそうな相手には一応そのルートを取ることもありますが、基本はトドロクツキでたべのこしをはたいて殴りまくる戦術を取った方がよさそうです。
トドロクツキ
こだいかっせい | |
ブーストエナジー | |
ひこう | |
ようき | |
H211(244)-A165(44)-B104(100)-C×↓-D122(4)-S169↑(116) | |
はたきおとす/アクロバット おいかぜ/まもる |
A:あまり。Sを超えない範囲。
HB:鉢巻ノーマルテラスカイリューの災い補正込みしんそく耐え
S:化身ランドロス抜き
Hbsベース。Hから振ったことで、臆病C171カミのマジカルシャインならダブル補正込みで有利な乱数で耐えます。役割は前述の通りハバタクカミのサポートが基本。後発が多いですが、HBも十分なラインがあるため、多少無理な受けだしも効きます。残念ながら攻撃の努力値を削ったため火力はそこまで期待できませんが、あくまでハバタクカミのサポートが基本なのであまり気にならないはず。ゴリランダーやテラスしていないオーガポンを押し切るぐらいの火力は出ます。もし火力不足が気になる頻度が高いなら、運用方法を間違っているのかもしれません。
素早さを削った影響で、ミラーには弱い点に注意。化身ランドロス抜きとしているのは、Sブーストエナジーのハバタクカミと化身ランドロスの並びに対して、こごえるかぜを打たれてもランドロスの上からおいかぜを打てるようにし、横のポケモン(キラフロルが多い)がメテオビームでランドロスを処理する体制を整えるためです。
ウーラオス
ふかしのこぶし | |
しんぴのしずく | |
どく | |
いじっぱり | |
H183(60)-A199↑(244)-B123(20)-C×↓-D81(4)-S140(180) | |
すいりゅうれんだ/インファイト どくづき/みきり |
A:B4振りパオジアンをすいりゅうれんだで確定1発
B:ゴリランダーのきせきのタネグラススライダ―耐え
D:こだわりメガネハバタクカミのシャドーボールを最高乱数切って耐え
S:最速ドーブル、グレンアルマ抜き
パオジアンの処理に重きを置いた配分。パオジアン+ウーラオス系にはトドロクツキと並べて出して、おいかぜ+すいりゅうれんだでEZ-WINを狙いにいくこともあります。おいかぜ状態でも素早さが1段階上昇したハバタクカミを抜けないのと、パオジアンが役割対象である以上、ゴリランダーの災いグラススライダ―まで耐える必要があるため毒テラス。鋼と迷いましたが、てっぺき+ボディプレスに強かったり、こだわりスカーフウーラオスのすいりゅうれんだ/インファイトの一貫を切れたり、どくびしを回収できたりといろいろ便利なので毒にしました。
アクアジェットを切りましたが、気になる場面は少なかったです。ないとは言いませんが、基本的にこちらだけがおいかぜ状態で戦えるという状況をつくるのがコンセプトなので、ウーラオスの先制技に頼っている時点でコンセプトが崩壊しています。トリックルーム下の原種ガチグマに最後の一撃を打ちたい…という盤面は正直ありました。ただ、それよりも水オーガポンなどを一致どくづきで大きく削れる点の方を評価した形です。ちなみに、みきりはアンコールで縛られたときのことを考えてPP7で止めています。
タケルライコ
こだいかっせい | |
とつげきチョッキ | |
みず | |
ひかえめ | |
H232(252)-A×↓-B129(140)-C176↑(20)-D114(36)-S103(60) | |
りゅうせいぐん/じんらい エレキネット/ボルトチェンジ |
B:A200こだわりハチマキ悪テラスウーラオスのあんこくきょうだを最高乱数切って耐え
C:あまりかつ11n
D:特化こだわりメガネテツノカシラのサイコフィールド下ワイドフォースをダブルダメージ補正込みで3.9%切って2耐え
S:おいかぜ下で最速ハバタクカミ/パオジアン抜き
耐久お化け。化身ランドロスの「特化」大地が最大乱数で95.2%、意地タスキパオジアンのつららおとしが最大乱数で95.6%。
多少の不利対面ならテラスなしでも強引に耐えてしまうため、ボルトチェンジで離脱する動きができます。例えばトルネロス+化身ランドロス対面なら、トルネロス方向にボルトチェンジを押したり、ランドロスをりゅうせいぐんで削ったりもできます。どうしても生存できなさそうで、かつ落とされると困る盤面なら水テラスを切れば大抵なんとかなります。
ただ、例えばパオジアンの前でテラスを切って逃げても、結局ゴリランダーと組んでいることが多いため、後発同士でかち合ったときに腐りがちです。今落とされるのが怖いから、と安易にテラスを切らないのが賢明でしょう。そもそも選出できる相手か、というのはしっかり考えないといけないポケモンです。
キラフロル
どくげしょう | |
パワフルハーブ | |
くさ | |
ひかえめ | |
H159(4)-A×↓-B110-C200↑(252)-D101-S138(252) | |
パワージェム/ヘドロばくだん ニードルガード/メテオビーム |
CS振りきり
バ火力ですべてを破壊する枠。ガオガエン+モロバレルの並びに一貫し、カミに強く、追い風に乗せて弱くないポケモンを探していたところ見つかりました。持ち前の耐久でハバタクカミの攻撃を耐えられるのはもちろん、乱数次第ではH155(196)-D156(4)までのハバタクカミをメテオビームでワンパンすることができます。
このポケモンが難しいのは、バ火力で破壊する枠と言っておきながら、ブリジュラス/ヌメルゴン/ディンルー/レジスチル/イイネイヌといった積み耐久ポケモンに弱いことです。また、相手が触ってくれて毒びしをまければ別ですが、火力がC上昇頼りなので天然ヘイラッシャも微妙にきついです。
ここの枠は最後まで化身ランドロスと迷いました。化身ランドロスは浮いているので、カビゴンのあくびが効かない原種ガチグマ相手に、トリックルーム展開中の隙を狙って身代わりで時間を稼げます。鋼もきつくないし、ガオガエン+モロバレルにもある程度の打点はあります。それでもキラフロルを採用したのは、キラフロルの方が火力が高いから、そしてどくげしょうが偉いからです。大抵のハバタクカミを特殊技でワンパンしたり、上さえ取れていれば化身ランドロスを破壊しきったりするのはこのポケモンにしかできません。また、パオジアン/ウーラオス/ゴリランダー/ガオガエンのような並びには高確率でどくげしょうが発動し、裏のハバタクカミがスイープする動きにつながりやすくなります。
さらにわずかな差ではありますが、キラフロルは等倍攻撃をだいたい耐えるのに対し、ランドロスは相手の火力次第で落ちてしまうところも気になりました。ちなみに、構築の下から2番目に配置することで、カビゴンと一緒に耐久する型だと誤認させる効果も狙いました。この配置学が役に立ったのかは知りません。
カビゴン
あついしぼう | |
たべのこし | |
フェアリー | |
なまいき | |
H264(220)-A130-B117(252)-C×↓-D147↑(28)-S31 | |
からげんき/ヘビーボンバー あくび/まもる |
H=B+Dを意識
B:振り切り
D:あまり
S:最遅
構築のおしゃれ枠。耐久、特に特殊方面はは最高に信頼できる反面、火力はお察し。具体的には、ほとんどのハバタクカミをヘビーボンバーで落とせない程度の火力しかないです。耐久を極限まで削った私のハバタクカミですら、低乱数とはいえ耐える可能性がある程度です。
あついしぼうが偉く、ほのお半減の特殊高耐久の為コータスやイーユイに屈さないほか、パオジアンのせいなるつるぎ程度なら余裕をもって耐えるので、タケルライコにテラスを回すこともできます。ハバタクカミ+イーユイやハバタクカミ+悪ウーラオスと組んだトリル系(ガチグマ+リキキリンなど)にめっぽう強く、この手の相手には負けなかったと思います。特にトドロクツキを見るとブーストエナジーカミがウキウキで飛んでくるし、下手したら挑発を入れてくるので、そこをヘビーボンバーで狩れれば展開がかなり有利になります。
また、対トリックルームの時間稼ぎ要因でもあるため、アカツキガチグマや少ないですがドサイドンなどの下を取れる最遅で採用。タケルライコのエレキネットと並べることも多いとはいえ、こいつの素早さはあってもなくても変わりません。
おそらく現環境でこの役割として最も多く採用されているのは、先ほどから何度か名前が挙がっているヘイラッシャでしょう。たしかにヘイラッシャは、カビゴンが特性で補完している氷と炎の耐性を素でもっており、物理耐久は圧倒的に上。テラスを切らなくてもウーラオスを楽に相手できます。しかしそもそも、この構築ではウーラオスの相手をするのはタケルライコの仕事です。そして何より、ヘイラッシャは特殊耐久に不安がありすぎます。
しんちょうHDぶっぱでも、ハバタクカミ+イーユイのテラスムーンフォース+こだわりメガネあくのはどうを耐えないのでテラスを切りたくなりますが、その集中をタケルライコにされると今度はそちらが落ちます。さらに実はカビゴンより火力がないため、エレキネット+ヘビーボンバーでほとんどのハバタクカミを落とすことができません。もろもろ微妙にかみ合わない点が多く、ヘイラッシャの採用は見送ることとなりました。
選出と立ち回り
対トルネロス系
後発:+or(まれに)
これまでの構築経緯などで述べてきた通り、ビート系の構築はこれでしのぎます。化身ランドロスがいなければ、雑にエレキネット+あくびを連打しているだけで勝手に削れていきます。あとは適当なタイミングでタケルライコをボルトチェンジ&カビゴンをトドロクツキにバックなどでビートの体制を整え、狩り残しをじんらいでスイープする動きを目指せれば理想でしょう。
対パオジアン+カイリュー
後発:+or
正直結構きついです。基本はトドロクツキ+キラフロルで入り、おいかぜ→メテオビームでカイリューを破壊するのですが、実はキラフロルがしんそく+ふいうちを耐えません。普通はトドロクツキがしんそくで落ちるのでそちらを狙われますが、再戦などではキラフロルに集中をかけられてしまいます。
カイリューのこだわりハチマキを落とせば耐えるので、初手はキラフロルが守ったり、トドロクツキでおいかぜしながらキラフロルをハバタクカミにバック→カイリューにはたきおとすとマジカルシャインで対応したり、最初からトドロクツキとハバタクカミを並べたりとかみ合わせで何とかしていました。ウーラオスはパオジアンを処理できて一見よさそうですが、こいつもしんそく+ふいうちで落ちるのでダメです。
むしろ集中されるので、あえて先発でだしてその隙にカイリューのこだわりハチマキをはたくという動きならしたことがあります。数が減っているので対策を甘えたきらいがあるのが正直なところです。
対パオジアン+ウーラオススタン
後発:+
相手のタケルライコはガン無視でいいです。最悪出てきたら、ウーラオスで毒テラスを切って強引に耐えつつ、横のポケモンを破壊します。相手の選出は大抵パオジアン/ウーラオス/ゴリランダー+何かですが、たまにパオジアン/ウーラオス/ガオガエン/化身ランドロスで来られることもあり、そのときはパオジアン方向をすいりゅうれんだで殴っているだけで勝てます。
ゴリランダー+ウーラオスで来られるのが一番きついですが、この手のウーラオスは基本こだわりスカーフ持ちで耐性テラスだし、最悪水テラスでも飛行テラのトドロクツキがすいりゅうれんだを耐えられ、ウーラオスが毒テラスでゴリランダーの攻撃やウーラオスのインファイとを耐えられるのでなんとかはなります。
ブーストエナジー持ちハバタクカミ入り
後発:+or(まれに)
対おいかぜと同じです。ハバタクカミがブーストエナジーを持っているかどうかは、他のポケモンとの競合やおいかぜ役の有無で大体見当がつきます。イーユイと組んでいたらブーストエナジー持ちだし、エルフーンと組んでいたらこだわりメガネです。最悪読みを外しても何とかなります。
ハバタクカミ/化身ランドロスで来たらタケルライコに水テラスを切らされるのでややきつくなります。その場合は、再戦でハバタクカミに挑発がないことが分かっているのであれば、トドロクツキ+キラフロルから入ってもいいでしょう。最悪、キラフロルで草テラスを切りながらメテオビームでハバタクカミを破壊するという手もあります。
対ガオガエン+モロバレル
後発:+
この手の構築にカビゴン+タケルライコでちんたらやっているとモロバレルにぐちゃぐちゃにされるので、トドロクツキとキラフロルで初手から高火力を押し付けます。相手がブーストエナジーカミなどから入ってくる場合もありますが、テラスを切ったりメテオビームを通したりして何とかしましょう。
対トリル
対トリルは、カビゴンでさばける相手かを考えるのが第一です。アカツキガチグマやコータス、ブリムオンはカビゴンでさばけますが、原種ガチグマは無理です。というか原種ガチグマがこの構築で一番きついです。
カビゴンでクレセリアを眠らせたり、ハバタクカミ+キラフロルで入ってシャドーボールとメテオビームをトリックルーム役に集中したり、キラフロルの草テラスで怒りの粉を無視してマジカルシャイン+メテオビームをトリックルーム役に当てたりが対策ルートになります。
トドロクツキやキラフロルにテラスを使ってハバタクカミでノーマル技、テラス枠で地面の一貫を切り、曲芸的にくるくるしてトリルを枯らすしかない場合もあります。取り巻き次第で選出が変わるので、臨機応変としか言えません。
対ドブジュラス(みずしゅりけんで持久力&タラプを起動してくる構築)
初手にハバタクカミのテラスムーンフォースを急所に当てることで対策とする。
おわりに
初めての予選抜けを、このようにほぼ自力で1から考えた構築で達成できたのはとてもうれしいです。
ただ、回してみるとわかると思いますが、この構築は練度が命です。本選に出てくる超上級者を相手に練度で挑むのはあまりにも不安だったので、この構築は手放すこととしました。ただ、コンセプトはかなり良かったと思うので、似たような構築を使うことはあるかもしれません。この構築と記事が、少しでもお役に立てば幸いです。
チームID:3LRCK5
パーティ作成者
く~れん