コウヘイさんの構築記事

【第49回がにゅーオフ3位】「あくび&コーチング」コントロール

コウヘイさんのパーティ

チームID:YR2GB6

はじめに

はじめまして。コウヘイ(@keima1212ab)と申します。SVでリバティノート様に構築記事を寄稿して頂くのは,初めてとなります。

今回は,第49回がにゅーオフで3位になった構築を紹介します。最後までご覧になってもらえると嬉しいです。

構築経緯

自分らしい構築とは?

自分のレギュレーションHは、環境で猛威を奮っている「イッカネズミ+コノヨザル」構築と「ペリッパー+ブリジュラス」構築を否定することから始まりました。この頃から知り合いのYURIN(@yurin_625)さんと相談をしており、トリックルーム構築や逆に自分が上述の構築を使うなど試行錯誤を繰り返していたそんなある日、YURINさんから「コウヘイさんが作る構築は、毎回ヘイラッシャ+シャリタツコンビが重くなりますね。」という発言がありました。

その時は、自分も「それに当たったら仕方がない」と考えていましたが、使い慣れているガオガエン+ゴリランダーのサイクル構築なら対応できるため、自分らしい構築作りを追究することにしました。

ガオガエンゴリランダー

軸の決定

以前「イッカネズミ+コノヨザル」構築を使用していた時に、「きあいのタスキ持ちのオオニューラ+いかさまダイス持ちのカイリュー」に苦戦を強いられたことを思い出し、ガオガエン+ゴリランダーにその2体を加えることにしました。結果的に、この考え方が渚沙さんの構築と合致したので、アカツキガチグマとサーフゴーを加えた6体で考えてみることにしました。

オオニューラカイリューガチグマ

ウォッシュロトムとの出会い

渚沙さんの構築を使ってみたら、自分がサーフゴーの扱いが苦手であることが分かりました。加えてカイリュー+サーフゴー+ガチグマの組み合わせは、アシレーヌやミロカロスなどの高耐久のみずタイプや最近環境に参入したアーマーガアの対応に手を焼くため、サーフゴーの枠にはそれらに強いポケモンを入れるべきだと考え、そこで名が挙がったのがウォッシュロトムでした。

ウォッシュロトム

ウォッシュロトムは、ハイドロポンプを覚えるため、この構築で厄介だったガオガエンやウルガモスに強く、でんきタイプでありながらとくせいのふゆうでじめん業が無効、そしてサーフゴーと同じくトリックを覚えるため、サーフゴーの代役としては十分すぎるポケモンでした。

しかし、数値のインフレに追いつけていないことが懸念点で、がにゅーオフ前日までどちらを使うか迷っていましたが、初見狩り性能の高さを評価してウォッシュロトムの採用を決めました。
最後に、「自分らしさ」を追究したかったので、各ポケモンを自分好みの技や配分にして、がにゅーオフに臨みました。

カイリューウォッシュロトムガオガエンゴリランダーガチグマオオニューラ

個別解説

カイリュー

特性マルチスケイルカイリュー
持ち物いかさまダイス
テラスタイプフェアリー
性格いじっぱり
実数値(努力値)H168(12)-A202(236)-B116(4)-C× -D121(4)-S132(252)
スケイルショット/しんそく
けたぐり/まもる
調整
A:B12振りまでのオオニューラへのスケイルショットのダメージの乱数を変えないところまで。特性がマルチスケイルなことから少しでも耐久は欲しかったため。
S:いじっぱりドラパルトを+1で抜くため。ミラー意識で準速にしているが、上述より本当はS実数値130で使いたい。

マルチスケイル
このポケモンに弱点をつくポケモンが目の前にいても強気な行動ができるため、結果的に行動回数を増やすことができる。

いかさまダイス
スケイルショットの回数の期待値を3.5回から4.5回に上げるため。

テラスタイプ:フェアリー
スケイルショットをはじめとしたドラゴン技を拒否するため。サーフゴーに打点のない技構成であるため、はがね技が抜群になることはそこまで問題なかった。

スケイルショット
テラスタルを使用せずともタイプ一致で最大威力125を出すことができる破格の技。複数回攻撃であることや追加効果のS上昇も優秀。

しんそく
優先度の高さから素早さ関係を無視できる優秀な技。後述で紹介するオオニューラのコーチングとも相性抜群。

けたぐり
ここまではがねタイプに対する有効打がないため採用。タイプ不一致ながらも最大威力120は魅力的。

まもる
このポケモン自体がヘイトを集めやすいため採用。こちらの技もオオニューラのコーチングと相性が良い。

(雑感)
種族値・タイプ・特性・技のすべてにおいて卓越したポケモンです。特にこの環境で厄介なオオニューラやドドゲザン、ドラゴンタイプといったポケモンや雨、晴れといったビートダウン構築に睨みを利かせられることが強かったです。

ウォッシュロトム

特性ふゆうウォッシュロトム
持ち物こだわりメガネ
テラスタイプはがね
性格ひかえめ
実数値(努力値)H143(140)-A×-B128(4)-C172(252)-D128(4)-S120(108)
ハイドロポンプ/10まんボルト
ボルトチェンジ/トリック
調整
C:実数値を1でも下げると多くのポケモンに対する乱数がかわるため振り切り。
S:準速ペリッパー抜き+2。

こだわりメガネ
予想以上の火力を叩き込むことで、相手のプランを崩すため。また、トリックによる相手の戦術の妨害もできる。

テラスタイプ:はがね
弱点のくさ技や技の通りがよいドラゴン技やノーマル技、フェアリー技を半減に抑えるため。新たな弱点になるほのおタイプは、ハイドロポンプで対応することができ、じめん技は特性のふゆうにより無効である。

ハイドロポンプ
ガオガエンやウルガモス、ガチグマを一撃で倒したり,相手の雨を利用したりできる命中率以外は優秀な技。

10まんボルト
アシレーヌやミロカロス、ヘイラッシャ、アーマーガアなどに強力な打点を叩き込める技。でんき技の耐性が甘い環境だったため、技の通りが良かった。

ボルトチェンジ
上述よりでんき技の通りが良かったため、こだわりメガネを持たせたこともあり、ダメージを稼ぎつつ、安全に裏のポケモンに交代できる今回のオフで大活躍した技。

トリック
補助技がメインのポケモンに睨みを利かせられる技。

(雑感)
今回のオフのMVP。サーフゴーだったらこの結果にはならなかった対戦がほとんどでした。しかし、準決勝で数値の低さを露呈してしまったので、強さと脆さを兼ね備えているポケモンのため、扱いには注意が必要です。

ガオガエン

特性いかくガオガエン
持ち物ぼうじんゴーグル
テラスタイプゴースト
性格しんちょう
実数値(努力値)H201(244)-A136(4)-B128(140)-C× -D134(92)-S84(28)
フレアドライブ/はたきおとす
すてゼリフ/ねこだまし
調整
実は、レギュレーションFからの使い回しで、調整意図は覚えていないです。しかし、個人的にこのポケモンは、環境に合わせて配分を変えるより長年の感覚で技選択をした方が将来的にも役立つと考えました。

ぼうじんゴーグル
サーフゴーを構築から外したことで、モロバレルやビビヨンへの耐性が甘くなってしまったため採用。結果的にいかりのこなを無視して技選択ができたので良かった。

テラスタイプ:ゴースト
弱点であるかくとう技やねこだましを拒否するため。

フレアドライブ
一致打点技。

はたきおとす
エスパータイプやゴーストタイプへの強力な打点になると共に持ち物を無効化できる優秀な技。

すてゼリフ
このポケモンの採用理由の1つ。後述のガチグマのあくびやオオニューラのコーチングによる展開を助長できる最強の技。

ねこだまし
このポケモンの採用理由の1つ。こちらも圧力の高さからあくび&コーチングによる展開を助長できる優秀な技。

(雑感)
後述するゴリランダーと合わせて、この構築の潤滑油のような存在です。昔はこのポケモンを使いたくないと言うほど逆張りをしていましたが、今では自分が構築を組む上で必要なポケモンのうちの1体となっています。その分、別に苦手なポケモンが増える結果になりましたが…

ゴリランダー

特性グラスメイカーゴリランダー
持ち物とつげきチョッキ
テラスタイプほのお
性格いじっぱり
実数値(努力値)H201(204)-A178(132)-B112(12)-C× -D104(108)-S112(52)
ウッドハンマー/10まんばりき
グラススライダー/ねこだまし
調整
ガオガエンと同じ理由で、レギュレーションFからの使い回しで、調整意図は覚えていないです。こちらのポケモンもグラスフィールドによるHP回復が絡んでくるため、長年の感覚を頼りました。

とつげきチョッキ
元々の特殊耐久の低さをカバーするため。補助技を使う余裕がないポケモンだと考えており、デメリットがない。

テラスタイプ:ほのお
弱点であるほのお技やこおり技、特殊技で攻めてくるはがね技やフェアリー技を半減に抑えるため。弱点になるいわ技やみず技は、くさ技で抜群が取れる。また、副産物としてやけど状態にならない。

ウッドハンマー
グラスフィールドの補正も乗る一致打点技。

10まんばりき
くさ技を半減に抑えるほのおタイプやはがねタイプ、どくタイプに抜群を取れる優秀な技。上述のウォッシュロトムにボルトチェンジを採用したことでとんぼがえりの不採用に踏み切ることもできた。また、後述のオオニューラのコーチングを受ける対象であるため、技範囲を広く取る必要があったため。

グラススライダー
このポケモンの採用理由の1つ。グラスフィールドの補正も乗る先制技。

ねこだまし
このポケモンの採用理由の1つ。ガオガエンと同じく、圧力の高さからあくび&コーチングによる展開を助長できる優秀な技。

(雑感)
ガオガエンと同じく、この構築の潤滑油のような存在です。味方のサポートをしつつ、強力なくさ技でダメージレースにも参加できるとても器用なポケモンで、こちらも自分が構築を組む上で必要なポケモンのうちの1体となっています。

アカツキガチグマ

特性しんがんガチグマ
持ち物たべのこし
テラスタイプみず
性格ひかえめ
実数値(努力値)H209(164)-A×-B142(12)-C187(116) -D110(196)-S75(20)
ブラッドムーン/だいちのちから
あくび/まもる
調整
H:食べ残し意識の16n+1。
B:オオニューラのインファイトを始めとした物理攻撃への乱数をズラす12振り
C:11n。カイリューやブリジュラス、サーフゴーへのダメージを増やすため、渚沙さんの配分より多めに努力値を割いた。
D:できるだけ多く。
S:最近の環境はどれだけ振るかのチキンレースになっているが、それに付き合ってしまうとこのポケモンの本来の役割を見失ってしまうと考えたため、ミラー意識で少しだけ振った。

たべのこし
あくびとの相性が抜群の持ち物。相手があくびをケアした立ち回りをすると、HPがどんどん回復していき、結果的に長く居座ることができる。また、相手の焦りを利用して強気な行動を取ることもできる。

テラスタイプ:みず
サーフゴーのゴールドラッシュを半減に抑えるタイプの中で天候補正のタイプへの耐性や弱点となる技の少なさを評価。しかし、ゴリランダーを始めとしたくさ技の相性関係は変化しないので、このタイプが正解であるとは言い切れない。

ブラッドムーン
このポケモンの採用理由の1つ。あくびとの相性が抜群。

だいちのちから
一致打点技。ブラッドムーンとの相性が抜群。

あくび
この構築の軸となる技。強力なアタッカーからのこの技に即座に対応するのは至難である。

まもる
このポケモンにヘイトが溜まりやすいため。あくびとの相性が抜群。

(雑感)
時にはアタッカーであり、時にはサポーターでもある変幻自在なポケモン。今回は耐久寄りに努力値配分を考えましたが、火力も申し分なかったので大変満足しています。

オオニューラ

特性かるわざオオニューラ
持ち物きあいのタスキ
テラスタイプステラ
性格ようき
実数値(努力値)H155-A182(252)-B81(4)-C× -D100-S189(252)
インファイト/フェイタルクロー
コーチング/まもる
調整
B:カイリューのスケイルショットを意識。
S:最速。ミラーやアローラキュウコン、エルフーンを意識。

かるわざ
きあいのタスキが発動すると素早さが2倍になり、追い風や素早さランクを無視できる可能性があるため。

きあいのタスキ
かるわざとの相性が抜群の持ち物。できるだけ火力と素早さに努力値を割きたいため、耐久を考えずに立ち回ることができるのも大きい。

テラスタイプ:ステラ
通常ならインファイトやフェイタルクローが弱点であるがギリギリ耐えられるポケモンを咎めるため。きあいのタスキとの相性が抜群。

インファイト
一致打点技。フェイタルクローとの相性が抜群。

フェイタルクロー
一致打点技。追加効果が破格の技。

コーチング
この構築の軸となる技。フェイタルクローや味方のねこだまし(このポケモンも覚えるので、見えない技として)という圧力の高い技で相手の弱気な行動を誘発させて有利な展開に持っていける技。

まもる
このポケモンにヘイトが溜まりやすいため。ガオガエンとゴリランダーにねこだましがあるため、ねこだましの不採用に踏み切ることができた。

(雑感)
相手のフェイタルクローへの警戒をコーチングやまもるで利用する動きが強かったです。そして、どうしようもないときのフェイタルクローは、本当に恐ろしいです…

選出と立ち回り

基本選出1

先発:オオニューラガオガエンorゴリランダー
後発:カイリューウォッシュロトム

相手の弱気な行動を誘発してコーチングを通す選出です。

序盤で有利な展開を作り、そのまま押しきります。

基本選出2

先発:ガチグマガオガエンorゴリランダー
後発:ウォッシュロトム@1

あくびを展開して相手のポケモンのHP少しずつ削る詰め将棋のような選出です。

ヘイラッシャ+シャリタツコンビや要塞化を目指す構築に対しては、TODで勝つことも狙えます。

基本選出3

先発:オオニューラウォッシュロトムorガチグマ
後発:@2

序盤は派手に殴り合い、あくびやコーチングを終盤に使用する選出です。ブリジュラスやコノヨザルには序盤から攻めていかないと厳しい戦いになります。

苦手なポケモン

アローラキュウコンアローラキュウコン

ガオガエンの選出を強制されてしまいます。クリアチャーム持ちのポケモンや特性がまけんき・かちきのポケモンと組まれると厳しい戦いになります。

ゴリランダーゴリランダー

10まんばりきの採用率が高くなり、ガオガエンでも止めにくくなってしまいました。カイリューの使い方が鍵になります。

さいごに

いかがだったでしょうか。

今年は、なかなか結果が出せずに苦しい1年となりましたが、久しぶりに好成績を残せて嬉しかったです。そして、環境に惑わされずに自分らしい構築を突き通すことが自分に合っていることがようやく分かったのも大きな収穫になりました。

来年は、ここ数年叶っていない全国大会の出場が再びできるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。

パーティ作成者

コウヘイ

コウヘイさんのプロフィール

ツイッター

・PJNO2020準優勝

・全国大会:2018(ベスト16),2019,2020(20位),2021(24位)

・世界大会:2018(Day1),2022(Day1→Day2)

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