レンタルチームID:0000 0000 7N54 P8
はじめに
はじめまして、カントナグロス(@AuGUROSU)です。
今回はシーズン2中ずっと使い続け、いろいろと試行錯誤を重ねて最終的にこの形で23-4というまあまあ高い勝率でとりあえず7位(1月21日時点)まで行くことができたので寄稿させていただきました。
構築経緯
エルフーンのおいかぜやオーロンゲのでんじはでS操作をしてくる構築が多くいるため、それらに対抗できるトリックルームを軸にすることにしました。しかし、だいたいの構築がトリックルーム対策をしているためトリックルームに頼りきった構築では勝てない構築というのが出てきてしまいます。
そこでトリックルーム以外での勝ち筋を考えたところ、上から耐久を上げるダイスチルやダイアースが使えるすなかきドリュウズがいました。
このポケモンはでんじはが効かないためオーロンゲに強く、またトリックルームに対して選出されやすいジュラルドンをおいかぜされても上を取ることができるので、コンセプトに適していると思いました。
これらを元にポケモンを考えていきました。
まずトリックルーム要員ですが、ここに求めていた役割として
1.1匹のポケモンから一発でやられないこと
2.自分で火力を出せるか味方のじゃくてんほけんを生かして1ターンに1匹以上倒せる形を作れること
3.トリックルームをしない選出のときに出しても役割を持てること
4.2回目のトリックルームの可能性を残せること
があり、これらの条件を満たしているのがサマヨールしかいなかったのでサマヨールにしました。
次にトリックルーム下のアタッカーですが、スイッチトリパとしてこの枠にあまりポケモンを割きたくなかったので1匹でこの枠に適しているポケモンを探しました。この枠に求めていた役割は
1.火力があること
2.じならしでじゃくてんほけんが発動すること
3.カビゴンよりも遅いこと
4.ほとんどのポケモンに等倍以上の技があること
であり、これらに適していたのがギガイアスでした。ここでギガイアスを採用したことにより本来砂要員として使おうとしていたバンギラスを入れなくてよくなったので、PTがより柔軟になりました。
続いて、初手でサマヨールを補佐するポケモンとして上からダイマックスドラパルトやキョダイマックスリザードンを倒せるポケモンが欲しかったのでヒヒダルマを採用しました。これは前シーズンから使ってきた並びでとても強かったので今回も使いました。
ドリュウズ、サマヨール、ギガイアス、ヒヒダルマでトリックルーム時、トリックルームが終わった後、トリックルームできなかった時それぞれで火力を出すことができる強い並びだったので、残り2枠を補完枠として考えました。
この4匹できつそうだと考えたのが
1.水の一貫性があること
2.物理に偏っているため威嚇がつらいこと
3.すなかきドリュウズの明確な回答がないこと
でした。
これらに対応するため初めはカットロトムとトリトドンを採用しました。
しかし、これではギャラドス+ウインディという並びがきつかったり環境に増えてきた格闘ポケモン(主にローブシン)に勝てないという問題がありました。
これらに対応するためにそらをとぶドラパルトやとびはねるギャラドスを採用してみましたが、これらの技を採用したポケモンはダイマックスできなかった時が弱く、特にドラパルトはゴーストダイブも採用していたため即殴りできる技がドラゴン技しかなく汎用性に欠けていました。
そして、試行錯誤の末見つけ出したのがダイサンダーとダイストリームが使える特殊ドラパルトです。このドラパルトはてだすけを絡めることで環境に多いトゲキッス、ドリュウズ、ウインディ、ドサイドン、リザードン、ギャラドス、ミロカロスあたりを倒すことができ、とても汎用性の高い型でした。
最後の枠をロトムで考えていましたがやはり格闘がつらく、負けることが多かったので考え直しました。
この枠にすなかきドリュウズへの回答を求めていましたが、すなかきドリュウズ入りの構築に対してトリックルーム展開を取れることが多く、トリル下で倒すかじならしを入れてトリル後にドリュウズで上から倒すことができたためこの枠に対ドリュウズを求めなくてよくなったので、格闘に強いトゲキッスを採用しました。
トゲキッスを入れたことでドラパルトをより生かしやすくなり、結果としてPTをより強い形にすることができました。
構成
ドリュウズ
特性 | すなかき |
持ち物 | きあいのタスキ |
性格 | ようき |
実数値(努力値) | 185-187(252)-81(4)-*-85-154(252) |
技 | 10まんばりき/アイアンヘッド いわなだれ/まもる |
調整
A:火力を削るメリットよりもデメリットの方が大きいと考えて極振り
S:ミラーで最低限5割の確率で勝てるように最速
余り4は一番効率のいいBに
ダイマックス時の技範囲を広げるために「いわなだれ」を採用しました。「まもる」がいらないと思う方もいると思いますが、この構築ではトリル最終ターンに出てしまうことがあるため必須でした。
他にも個人的に「まもる」は技スペースがあるポケモンには絶対入れたいと思うくらい評価している技なのでいれました。そのため「じしん」を入れませんでしたが、欲しいと思う場面がなかったです。
持ち物は「きあいのタスキ」一択でした。なぜかというと、ドリュウズミラーで負けたくなく、それに適した持ち物は「きあいのタスキ」「シュカのみ」「ふうせん」の3つがありますが、他にも水技や炎技を喰らうことも少なくなくその際に「きあいのタスキ」以外だと耐えることができないからです。
ドリュウズの「きあいのタスキ」はあまり発動しないと言われたことがありますが、この構築ではダイマックスせずに使うことの方が多く結構発動して勝つことが多かったので、これで良かったです。
ギガイアス
特性 | すなおこし |
持ち物 | じゃくてんほけん |
性格 | ゆうかん |
実数値(努力値) | 191(244)-205(252)-150-*-102(12)-28 ※S4~5個体 |
技 | いわなだれ/じしん ばかぢから/まもる |
調整
H:16n-1(鬼火を打たれることがあるので)
A:トリルアタッカーとして火力は削れないので極振り
D:あまり(BよりもDのほうが低いためD振り)
S:サマヨール+1(じゃくてんほけんを発動させるため)
「いわなだれ」は必須技として残り2枠を考えた時、「ダイロック」で倒せない鋼タイプに弱点をつけるじめん技の中で、単体技の「じだんだ」よりも巻き込んでもいいから高火力を2体に当てられる「じしん」を選びました。
もう1枠はダイスチルも考えましたが、キョダイカビゴンが増えると予想してかくとう技の「ばかぢから」を採用しました。
サマヨール
特性 | おみとおし |
持ち物 | しんかのきせき |
性格 | のんき |
実数値(努力値) | 147(252)-90-198(236)-*-153(20)-27 ※S0個体 |
技 | じならし/トリックルーム サイドチェンジ/てだすけ |
調整
H:Hが低く極振りした方が効率がいいので極振り
B:ドサイドンの技を耐えて欲しいのでBを厚めの11nに
D:残り
A:地ならしで相手を倒すこともあるのでA個体値はイカサマ意識で下げることはせず31にしました
サポート技として先制で使える「サイドチェンジ」と「てだすけ」を採用しました。なぜこの2つかというと、トリックルームをしない時に役割を持ちやすくするためです。この2つにすることで選出の幅も立ち回りの幅も広げられるので、軸として使うならこの型が一番使いやすいと思いました。
ドラパルト
特性 | クリアボディ |
持ち物 | いのちのたま |
性格 | おくびょう |
実数値(努力値) | 164(4)-*-95-152(252)-95-213(252) |
技 | シャドーボール/10まんボルト ハイドロポンプ/まもる |
調整
C:火力振り切らないと足りないので極振り
S:ミラーで負けたくないので最速
H:余りは効率のいいHに
ウオノラゴンやサザンドラよりもミミッキュを意識するべきだと感じたので「シャドーボール」、「ダイホロウ」でBを下げてドリュウズやヒヒダルマにつなげるのも強いです。残りの技として環境に多いみずやひこうタイプに抜群の「10まんボルト」、ほのおやいわ、じめんに抜群の「ハイドロポンプ」を採用することでダイマックス時に非常に多くのポケモンを倒すことができるようになり、ダイマックスを活かしやすい技構成だと思います。
持ち物は火力が足りないため「いのちのたま」にしました。
今回高い勝率を出せたのは間違いなくこのポケモンのおかげです。ほとんど使っている人がいなく、初見でこの型を読まれることはまずないためランクマッチのようなBO1ルールでは非常に強いです。
トゲキッス
特性 | てんのめぐみ |
持ち物 | リリバのみ |
性格 | ずぶとい |
実数値(努力値) | 191(244)-*-147(148)-140-135-115(116) |
技 | エアスラッシュ/このゆびとまれ てだすけ/まもる |
調整
H:16n-1の最大値
S:準速バンギラス+2
B:物理技を使うポケモンの方が多いと考えて残り全てをBに
このポケモンに火力を求めていないため、怯みを狙える「エアスラッシュ」。かくとう技を吸ってドリュウズやヒヒダルマを動きやすくしたり、ミラーでお互い弱点を突き合うドラパルトやドリュウズをできるだけ動きやすくするための「このゆびとまれ」。「このゆびとまれ」を読んでトゲキッスに抜群の技を選んでいた際にアドバンテージを取れる「まもる」。「このゆびとまれ」と「まもる」は使い分けることによって相手を撹乱させることができ無駄なターンを作らせることができます。最後の1枠に鬼火の代わりで考えていた「あまえる」を入れてみましたが使う機会がなく、「てだすけ」が欲しいと感じる場面が多くあったので「てだすけ」を採用しました。
持ち物は、リリバのみもオボンのみもどちらもあまり発動せずイマイチしっくりくるものがありませんでしたが、「とける」を持ったトリトドン入りのバンドリ構築にあたり、そのような構築にドラパルトと一緒に選出していきたいと考えたため、ドリュウズの前で安定して動かせるリリバのみにしました。
ヒヒダルマ
特性 | ごりむちゅう |
持ち物 | こだわりスカーフ |
性格 | いじっぱり |
実数値(努力値) | 180-211(252)-76(4)-*-75-147(252) |
技 | つららおとし/ばかぢから ストーンエッジ/とんぼがえり |
調整
A:より多くのポケモンを1発で落とせるように極振り
S:準速スカーフのミラーで負けたくないので準速
B:物理技の方が多いと考えて余りはBに
耐久に振ってないダイマックスドラパルトを一撃で倒すために「つららおとし」。バンギラスやジュラルドン、カビゴンあたりに抜群の「ばかぢから」。キョダイリザードンを一撃で倒すための「ストーンエッジ」、「いわなだれ」では低乱数以下になってしまうのでダメです。不利対面でヒヒダルマを残したいときに少しダメージを与えてきあいのタスキやばけのかわを潰せる「とんぼがえり」、少しと言いつつ割とダメージ入ります。
「フレアドライブ」は使いたい対象がアイアントくらいしかいないので入れませんでした。
選出と立ち回り
選出は主に2パターンあり、基本的には相手に合わせてこの2パターンのどちらかを選択します。
選出パターン①
先発:+or
後発:
相手の選出に合わせてトリックルームを展開するかしないかを選んで戦える選出となります。
トリックルーム展開を狙う際はサマヨールの横に出したポケモンを捨てる形で扱い、死に出しでギガイアスにつなげます。
明らかにサマヨールをメタってきてトリックルームができなそうなときはてだすけを合わせて上から1匹倒し相手のペースを崩していきます。相手のダイマックスを無償で突破できたりするので有利に進めやすくなります。また、これによってサマヨールが倒されなくなり次のターンからトリックルーム展開を狙っていくこともできます。
ヒヒダルマとドラパルトは、もちろん相手のトリックルーム対策のポケモンに合わせて選択しますが、それだけではどちらを出すか迷う場合はトリックルーム展開を狙っていきたいときはヒヒダルマ、奇襲を狙った方が良さそうなときはドラパルトを出していきます。
最後の枠のドリュウズですが、この枠は最後の詰めとして使う枠なのでそれに適したポケモンを選出していきます。
選出パターン②
先発:
後発:
サマヨールを初手に出すと明らかに不利になってしまうと判断した際に出す選出です。
基本的にはドラパルトをダイマックスさせ、それをトゲキッスで守ったりてだすけで確実に倒していき裏のポケモンで詰めるという形を狙っていきます。
裏のポケモンは基本的にSの高いこの2匹を出すことが多いですが、砂を撒いた方が強いときにはギガイアスを、相手のトリックルームを警戒する必要があるときはサマヨールを出していきます。
VSエルフーン
先発:+or
後発:
①の選出でいきます。
できればドリュウズにダイマックスを使いたいのでヒヒダルマを出しますが、シャンデラがいた場合はドラパルトを出していきます。
サマヨールにちょうはつが来てトリックルームを展開できないので、てだすけを絡めてエルフーンの隣のポケモンを落としていったりギガイアスに交代してエルフーンをおいかぜされる前に倒していきます。
サマヨールにちょうはつが入ってしまった場合はギガイアスを捨て駒にして解除していきます。これはサマヨールはサイドチェンジによってトリックルーム出ないときも十分役割を持てるのに対してギガイアスは砂を撒く以外に役割がないからです。
VSサマヨール入りのスタン
先発:
後発:
①のドラパルトのパターンでいきます。
サマヨール+トリルアタッカーを選出されることが多くトリックルームを展開しない方が有利に立ち回れます。トリックルームをされた際は返すことを狙っていきましょう。
Sが遅いポケモンにヒヒダルマが刺さることが多いので裏に選出してもいいです。
VSヤミラミ+リザードン+ローブシン
先発:
後発:
②のパターンでいきます。今シーズンこの手の構築に非常に苦しめられました。
まず、この構築ではリザードンの高火力ほのお技を受けるのが難しくできれば上から倒したいです。しかし、隣にいるヤミラミがねこだまし、さきおくり、サイドチェンジ、おにび、にほんばれ、ちょうはつと様々な補助技を持っており安定して有利な対面を取るのが困難です。1匹犠牲にすればリザードンを突破できますが、裏のローブシンに対して2対1の局面を作らないと勝てないため得策ではありません。
そこで考え出したのがこのゆびとまれでさきおくりを吸いながらダイストリームでダメージを抑えることでリザードンの脅威をなくすことです。これによって裏のローブシンに有利な対面を作りやすくなります。
VSバンギラス+ドリュウズ+トリトドン
先発:
後発:
バンドリには①のパターンで選出していましたが、トリトドンに対トリックルームを一任してそうな構築はとけるやクリアスモッグを採用していることが多く、特にとける型の場合はギガイアスで突破できません。
そのような構築に対してはドラパルトを活かしていかないと勝てないので②のパターンで選出していきます。ダイストリームで天候を取りながら立ち回ることで有利に立ち回れます。
さいごに
ガチトリパやスタンに補完としてトリックルームを採用している構築は見かけるもののトリックルームを軸にしたスイッチ構築というのをあまり見かけてこなかったので、こういった構築も強いんだぞというのを認知していただきたく寄稿させていただきました。
今回僕がオススメしたいのはてだすけサマヨール、ヒヒダルマ+サマヨールの並び、ダイサンダー+ダイストリームのドラパルトです。強いので是非使ってみてください。
今回は7位になった段階でこちらに寄稿させていただけることになったので書きましたが、シーズン2もまだあるので1位をとれるように頑張っていきたいと思います。
パーティ作成者
カントナグロス
ポケモンWCS17 Day1→2