レンタルチームID: 0000 0000 9MG4 L5
はじめに
天音(@_amanenene)です。
先日開催されたPJNO 2020にてTOP4という成績を残すことができたので、その時のパーティを紹介させていただきます。
構築経緯
鎧の孤島で新たに追加されたグラススライダーという技をゴリランダーが使うと、ファイアローのブレイブバード並みの先制技になるという話を耳にしました。そこで先発ダイマックスで相手の残数を減らし、削り残した相手をゴリランダーで一掃するようなパーティを考察しました。
初手ダイマックスさせるポケモンとして最初に試したのは、キョダイフンセキにより自身が倒された後も削りを行えるセキタンザンでしたが、こちらは既に対処法が知れ渡っており、素直に初手でギミックを起動させても相手の残数を減らす前に倒されてしまうことが多くあまり選出できませんでした。
次に、キョダイフンセキと似たような効果であるキョダイゴクエンを使えるリザードンを試してみることにしました。サンパワー時の火力を活かせるようににほんばれを使うヤミラミと組ませて使ってみましたが、ワイドフォースを得た影響からかイエッサンが環境にとても多く、サイコフィールド下でヤミラミが相手に干渉できず腐ってしまう場面が目立ちました。
ここでピカソさんがじゃくてんほけんを持たせた耐久振り弱点保険リザードンとピッピの組み合わせを以前使っていたことを思い出し、この組み合わせを試してみたところ、環境に増えているエースバーンでダイジェットしながらミロカロスやストリンダーで殴る構築やタスキバンギラスでこちらを削ってくる構築に対して弱点保険が有効に働く場面が多く、この2体を中心としてパーティを組むこととしました。
次にリザードンが腐ってしまう相手に対して選出し、ダイマックスさせるポケモンを考えました。相手のパーティに、ガオガエンやウインディなど高耐久の炎タイプに加えてバンギラスやドラパルトがいるとリザードンの攻撃を凌がれやすく、キョダイゴクエンも相手の炎タイプにターンを稼がれてしまいます。こういった構築に対して一貫するポケモンを考えたところ、アシレーヌの攻撃範囲とちょうど噛み合ったのでこのポケモンを裏選出のエースとして採用しました。
最後に残りの取り巻きですが、アシレーヌを立てるために必要なトリックルームを起動しつつリザードンの裏から出してかげうちで相手を縛れるミミッキュ、そしてアシレーヌが苦手とするゴリランダーやフシギバナに強く、こちらのゴリランダーの攻撃が一貫しないドラパルトに対しても一致弱点をつくことができるガオガエンを入れて構築が完成しました。
結果的に、リザードンによるビートダウンとアシレーヌ、ガオガエン、ゴリランダーでサイクルを回しつつ戦う2つの戦法が取れるパーティとなり、BO3でも十分に通用すると考えて大会での使用を決めました。
構成
リザードン
特性 | もうか | |
持ち物 | じゃくてんほけん | |
性格 | ひかえめ | |
実数値(努力値) | 171(140)-*-111(100)-171(212)-106(4)-127(52) | |
技 | ブラストバーン/ぼうふう ねっさのだいち/てだすけ |
調整
S: 準速ストリンダーや準速ミロカロスより遅く、ダイジェット1回でエースバーンより速い
ピカソさんの調整をそのまま使用。Sラインがちょうどよく、耐久も基本的にダイマックス前提で複数の攻撃を受けることを想定していたので特に変更する必要性を感じませんでした。
本構築におけるダイマックスエース。選出する場合は必ず初手におき、1ターン目からダイマックスさせます。ダイマックス中はキョダイゴクエンをどこかで撃つこと、相手の残数を減らすこと、ゴリランダーの攻撃を半減以下にできるポケモンを大きく削ることを意識して技選択していきます。
じゃくてんほけんは晴れ起動要員がいなくなったことで火力を補うために持たせたのですが、発動しなくても十分戦えるうえに、環境的に発動しやすくとても強力でした。
ブラストバーン: なるべく高い威力のキョダイゴクエンを撃つため。ダイマックスが切れた後は撃ちにくいですが、威力の高さでゴリ押すことができます。
ぼうふう: 保険発動後のダイジェット+相手の珠ダメでエースバーンを倒すことを考えると、エアスラッシュでは威力が足りませんでした。相手のラプラスやアシレーヌがダイマックスして雨を降らせることも多く、必中で撃てる場面はそれなりにありました。
ねっさのだいち: ゴリランダーを通すうえで邪魔なウインディ、ガオガエンなどを削るためにソーラービームを切って採用しています。ダイアースのD上昇がとても強く、ピッピ退場後にダイストリームを耐えたり、ピッピがDを上げて相手の特殊攻撃を耐えきったりするなど想定より便利な技でした。
てだすけ: ダイウォールを使うために補助技が必要だったのですが、ピッピが倒れてリザードンが生き残った際、ゴリランダーのグラススライダーなどと合わせてより広い相手を縛れると考えててだすけを採用しました。使う機会はそれなりにありましたが、普通に守りたい場面も何度かあったため、この枠は検討の余地があると思います。
ピッピ
特性 | フレンドガード | |
持ち物 | しんかのきせき | |
性格 | なまいき | |
実数値(努力値) | 177(252)-*-94(204)-*-101(52)-36 ※S個体値0 | |
技 | このゆびとまれ/まもる てだすけ/うたう |
調整
D: 珠フシギバナのヘドロばくだん(=ダイアシッド)確定耐え
B: なるべく高く(エースバーンの珠アイアンヘッド耐え程度)
S: 最遅
バンドリやドラパルト、エースバーンが多く、初手に出てきやすいと考えていたので物理耐久に寄せた調整にしました。ここまで振っても一致ダイスチルなどはまず耐えないのでやや過剰だったかもしれません。
リザードンのサポート要員。特性のフレンドガードのおかげで、リザードンがダイロックやエラがみなどの一部の技を除いてだいたい耐えてくれるので、弱点保険の発動をサポートしつつ致命傷となる攻撃や脱出トリックなどの絡め手を防ぐのが仕事になります。簡単に切らずに生存させておいても後続のサポートができるので、切るか残すかの選択が悩ましいポケモンでもあります。
このゆびとまれ: リザードンにとって致命傷となる攻撃から守るために使用します。ピッピ自身の耐久はそこそこ止まりなので、HP管理は慎重にしましょう。
まもる: ピッピを迅速に処理しようとする相手に対して刺さります。ピッピは生存するだけで偉いポケモンなので使用する頻度はかなり多いです。
てだすけ: あらゆる場面で使います。具体的にはキョダイゴクエンに合わせてトゲキッスをスリップダメージ込みで倒したり、グラススライダーに合わせて多少削れたダイマックスポケモンを一気に落としたりします。
うたう: キョダイゴクエンのターンを低火力・高耐久のポケモンで凌ぎ切ろうとしている相手に特に刺さります。これに限らず、ピッピがやることがない時にとりあえず撃っておくと当たった時のリターンが大きく、一度見せるだけで相手はピッピを早めに処理しようと狙ってくるので行動が読みやすくなるという点でBO3で活かせる技でした。
ゴリランダー
特性 | グラスメイカー | |
持ち物 | こだわりハチマキ | |
性格 | ゆうかん | |
実数値(努力値) | 207(252)-194(252)-110-*-91(4)-94 | |
技 | グラススライダー/ウッドハンマー とんぼがえり/ばかぢから |
調整
HA振り切り
S:イエッサンに対してS関係をはっきりさせたかったので勇敢SV
リザードンが相手を疲弊させたところに後発で出し、高火力のグラススライダーで相手を一掃するのが主な仕事です。また、アシレーヌをダイマックスさせる選択肢を取った場合はサイクルに参加させウッドハンマーを押し付けたり、とんぼがえりで盤面を操作することでこちらのアシレーヌまたはゴリランダー自身の一貫を作る動きをすることが多いです。
もちものは可能な限り高火力のグラススライダーを撃ちたかったのでこだわりハチマキしかありえませんでした。
グラススライダー: この構築のすべての出発点。その火力はH振りダイマックスアシレーヌを乱数1発にできるほどであり、多少削ってしまえばほとんどのダイマックスした水タイプを縛れます。また、エースバーンやドラパルトなどの並みの耐久のポケモンは半減でも半分ほど削ることができ、気が付いたら相手の残ったポケモンすべてがゴリランダーに縛られているといった状況になることも珍しくありません。
ウッドハンマー: サイクルの中で高火力を押し付け、相手の想定を崩します。また、カビゴンやサマヨールのような低速高耐久のポケモンに対して撃つこともあります。
とんぼがえり: サイクルに参加させるうえで必要です。特に今はイエッサンが多く、フィールドの取り合いを制するためにも切ることができませんでした。
ばかぢから: はたきおとす、あるいは10まんばりきとの選択になると思います。詰めの場面でガオガエンを確実に倒したかったので一番火力が出るばかぢからを選択しました。一応ナットレイにも撃てます。
アシレーヌ
特性 | げきりゅう | |
持ち物 | リンドのみ | |
性格 | れいせい | |
実数値(努力値) | 187(252)-*-95(4)-195(252)-136-58 | |
技 | ハイドロポンプ/ムーンフォース ふぶき/まもる |
調整
HC振り切り
S:最遅
リザードンを出しにくい相手やアシレーヌが通りやすい相手の時にダイマックスエースとして運用します。
もちものに関しては、いのちのたまは過剰火力気味であることと、自ら耐久を削りたくないことから、相手のゴリランダーに対してグラススライダーを耐えてダイアイスで倒すことができるようになるリンドのみを持たせました。ギャラドスやフシギバナとの対面でも比較的安全に動かせるようになったので良い選択だったと思います。また、ふぶきを採用したことでハイパーボイスを入れるスペースがなくなったので、必然的に特性はげきりゅうになりました。
ハイドロポンプ: できるだけダイストリームの火力を高くしたいが、ダイマックスが切れた後も殴り続けたいのでハイドロポンプを採用しました。
ムーンフォース: ドラパルトの弱点を突くほか、相手の水タイプの最大打点になります。ミストフィールドを張れるのも強力ですが、ゴリランダーとのフィールドの兼ね合いもあり、撃つタイミングに注意する必要があります。
ふぶき: 相手のゴリランダーに撃つほか、こちらのゴリランダーを通すうえで邪魔になる相手のトゲキッスを倒すために使います。自分であられを降らせば、ダイマックスが切れた後のふぶきが必中になるので覚えておくと便利です。
まもる: ダイマックスが切れた後も殴り続ける必要があるので、場持ちをよくするために持たせています。
ミミッキュ
特性 | ばけのかわ | |
持ち物 | のろいのおふだ | |
性格 | ゆうかん | |
実数値(努力値) | 159(228)-154(236)-106(44)-*-125-90 | |
技 | じゃれつく/ゴーストダイブ かげうち/トリックルーム |
調整
H: 16n-1
A: 11n
B: ばけのかわダメージ+A183ガオガエンのフレアドライブ耐え
S: 最遅
ガオガエン+何かに対して相手の攻撃を耐えながらトリックルームを起動し、アシレーヌで攻撃に転じたかったのでガオガエンの攻撃を耐えるまでBに振りました。
リザードンを選出した場合は後発に置いてかげうちやじゃれつくでの詰めを行い、アシレーヌをダイマックスさせる場合はたいてい初手に置いてトリックルームを起動します。
リザードンの後発で出すことを重視してかげうちやゴーストダイブの威力を上げるためにのろいのおふだを持たせていますが、環境にガオガエンなどが多くゴーストの通りが悪くあまり出さなかったことや、トリックルームを挑発に阻害される場面があったので代わりにメンタルハーブなどを持たせてもいいかもしれません。
ゴーストダイブ: 最大打点。相手のまもるを貫通するので詰めの計算がしやすいのですが、イエッサンのこのゆびとまれなどが怖いです。
かげうち: リザードンの削り残しをこの技で縛ります。ゴリランダーと並べてかげうち+グラススライダーで相手のタスキ持ちを倒したりもします。
じゃれつく: 悪タイプへの打点として。一致技であり、ガオガエンを削れる技が欲しかったので入れています。
トリックルーム: アシレーヌをダイマックスエースとして選出した場合の要です。リザードンの後発に置いた場合も切り返しのために使用する場合があります。
ガオガエン
特性 | いかく | |
持ち物 | とつげきチョッキ | |
性格 | いじっぱり | |
実数値(努力値) | 201(244)-165(116)-111(4)-*-124(108)-85(36) | |
技 | フレアドライブ/DDラリアット ねこだまし/とんぼがえり |
Sに関しては、環境初期でありS競争が始まっていないことや、トリックルーム持ちが多い環境であり最遅個体も多いと考えたためSの速いガオガエンがあまりいないと考えこれくらいのラインにしました。実際にほとんどのガエン対面でこちらが先に動いたと思います。
威嚇、ねこだましを両立できるガオガエンはサイクルをするパーティを組むうえで自然と入ってきました。また、リザードンの後発に置いた場合に火力がある程度欲しかったのと、相手の攻撃を確実に1回耐えたかったのでとつげきチョッキを持たせましたが、HPを一定量維持したい場面が多かったのでここはフィラのみの方が強かったかもしれません。
ねこだまし: 詰めの場面で欲しいことが多いので採用しています。初手でトリックルームを確実に貼りたい時にも使うことがあります。
フレアドライブ: ゴリランダー、ナットレイを縛る他、トゲキッスなどゴリランダーの攻撃が通らない相手を削るために使用します。
DDラリアット: イエッサンやドラパルトに撃ちます。うっぷんばらしとの選択ですが、元の威力がこちらの方が高いことや、ダイスチルによるB上昇を無視できる点を評価してこちらにしました。
とんぼがえり: ガオガエンというポケモンを使う上で、威嚇やねこだましを使い回すことができるとんぼがえりやすてゼリフは切れない技だと思っています。
選出と立ち回り
基本選出➀
先発:+
後発:刺さってるポケモン2匹(>>> くらいの選出率)
7割くらいはだいたいこの選出になります。てだすけやこのゆびとまれを使い、リザードンが相手を1、2匹持っていきながらキョダイゴクエンを撃っているのが理想です。リザードンが倒れた後は後発を繰り出し、削れた相手を詰めていきます。
基本選出➁
先発:+
後発:+
アシレーヌにダイマックスを切る場合の選出の一例です。とんぼがえりで安全にアシレーヌを着地させながら、トリル下でダイマックスさせ暴れる展開が理想です。ミミッキュはトリルを起動した後は攻撃に参加するというよりは一度下げてサイクルの中でクッションとして扱うことが多いです。
対エースバーン+エルフーン+ストリンダーorミロカロス系統
先発:+
後発:+
フレンドガード補正がかかった状態でリザードンがストリンダーのオーバードライブやミロカロスの濁流を受ければ、安全に弱点保険が発動し、相手のポケモンは基本的にすべてワンパンできるようになります。相手がエルフーンを出している場合は忘れずに指を選択して脱出すりかえのケアをしましょう。
例外的にウオノラゴンが入っているパーティにはガオガエン+リザードンから入る場合があります。ねこだましが相手の弱気な行動を誘発しやすく、またガオガエンを即ピッピに交代すればエラがみのダメージを抑えつつ保険を発動させられるためです。
対ラプラス系統
先発:+
後発:+or
十中八九ラプラスが初手でダイマックスしてくるので、ピッピをうまく使いながらラプラスの隣をリザードンで落としていきます。相手が初手にサマヨールを置いてきた場合はうたうを使う隙が生まれやすいので狙っていきましょう。生き残ったラプラスはゴクエンのスリップと合わせてゴリランダーで縛れるので問題ありません。
対イエッサン+ブリムオン系統
先発:+
後発:+
ゴリランダーでフィールドを取って猫の圧をかけながらとんぼがえりで相手に負担をかけていきます。相手の後発にもよりますが、ブリムオンのキョダイテンバツで自傷し過ぎなければ、アシレーヌかゴリランダーのどちらかが通ると思います。
苦手なポケモン
ウインディ
リザードンがSを削っている影響で上からバークアウトを入れられてしまいます。
初見時は見かけ上リザードンが上を取っているので相手がまもるなどから入ってくれることもありますが、少なくともBO3の2本目からはそうもいかないのでダイジェット、ダイアースで早めに削るか、場合によってはアシレーヌ選出に切り替えることを考えます。
ナットレイ
リザードンが基本的に前半で倒れてしまうので、後発のてっぺきナットレイが相当厳しくなりがちです。
リザードンを後半まで取っておくか、早めにガオガエンと対面させててだすけフレドラで落とすか、ピッピで歌っててっぺきを積ませないかのどれかで対処します。
ギャラドス
こちらから弱点をつけないので、ある程度削ってからゴリランダーのグラススライダーで縛るくらいしか対処法がありません。
リザードンかアシレーヌを対面させれば削るのは比較的楽だと思います。
おわりに
鎧の孤島が出てからの短い準備期間でこのような結果を出せたことに自分でも驚いています。
この環境で対戦することはもうないと思いますが、新しい教え技の使用感などを把握できたことは今後にもきっと役立つと思っています。
最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!レンタルチームもございますので、ぜひ一度使ってみてください!
レンタルチームID: 0000 0000 9MG4 L5
パーティ作成者
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