レンタルチームID: 0000 0005 145N MV
※サマヨールの特性を「おみとおし」に変更したレンタルチームも記事中に掲載しています。
はじめに
そーかい(@sokai_pokemon)です。
ポケモン日本一決定戦2020 王者決定戦(シニアカテゴリ)で優勝することができましたので記事を書かせていただきました。
今回、ご協力・応援いただいたみなさまありがとうございました。
構築経緯
王者決定戦は通常とは違う特殊なルールでした。
・事前にチーム(技、持ち物、特性)が公開される
このことから、公開されて強くなったり、弱くなったりする持ち物・技が出てきます。
また相手のパーティーを見たら対応不可能だったということがないように対応力の高いパーティーである必要があると考えました。
8/1日本一決定戦本戦のマスターカテゴリーはこのルールの集大成だったと思いますが、TOP4しか先に進めないため多くの方々が構築記事を公開しました。
そこで対応力の高い結論パーティーはフシギバナ/コータスかドラパルト/テラキオンの入ったチームであろうという事が分かりました。
ドラテラの方は、ガエン、アシレ、ゴリラにポリゴン2が入ったものが結論で、バナコーの方は、取り巻きが色々バリエーションがある感じです。
そこでこの2種軸のパーティーを回してどちらの感触が良いかを確かめました。
また、このルールで採用優先度が高いと考えているポケモンがありました。
・天候チェンジと削り、場合によってはエースになれるバンギラス
・チームの潤滑油ガオガエン
の3体です。
(日本一決定戦ではエースバーン ミロカロス ガオガエン ゴリランダー バンギラス トゲキッスというチームを使用しましたが、その時の使用感から)
そのようなイメージで迷っていたところ、構築相談をよくさせてもらっている、らきさん(@Lucki_poke)に連絡してみると上記3体を入れたさしすさんのバナコー構築を紹介していただきました。
実際にさしすさんはこの構築で来年のPJCSの権利を獲得しています。
早速そのパーティーを回していき、バナコーパーティーに対する理解度を深めていきました。
並びは結論と言っていい完成度だと思っています。
また今回は対戦相手が3人決まっており、初戦がふゆばれさんということも分かっていますので、そこに照準を絞る必要が出てきます。
その辺りの調整を構成の方で書いていきます。
構成
フシギバナ
特性 | ようりょくそ | |
持ち物 | いのちのたま | |
性格 | おくびょう | |
実数値(努力値) | 156(4)-*-103-152(252)-120-145(252) | |
技 | ヘドロばくだん/リーフストーム だいちのちから/まもる |
臆病CSぶっぱ
(晴れ状態でS+1エースバーンより速い)
このルール最強ポケモンです。
キョダイベンタツ後の1/6ダメージ4ターンは破格。
特性により晴れ状態で素早さ2倍。
コータスと組むことによって技を使わずにS操作ができます。
相手トゲキッスに遅れを取らないように最速、火力も削りたくないので特攻もぶっぱです。
まもるは、BO3最強の技です。
無いとわかると相手が楽になる技なのでなるべく多くのポケモンで採用すべきと考えます。
キョダイベンタツが入っている時のまもるも強いです。
コータス
特性 | ひでり | |
持ち物 | オボンのみ | |
性格 | ずぶとい | |
実数値(努力値) | 177(252)-*-190(100)-105-110(156)-38 ※S個体値26 | |
技 | ボディプレス/しっとのほのお あくび/まもる |
HB:陽気珠ドラパの130ホロウで13/16でオボン発動
HD:珠控えめキングドラの140晴れダイストリーム耐え、珠控えめドラパルトのりゅうせいぐん耐え
S:最遅モロバレルより早い調整。実数値38はじならし込みで25となり、最遅ドサイドンの40/じならし込み26を意識。
防御種族値が非常に高いところに更に振ることで防御方面は相当な硬さとなります。
そして、そのBの値で攻撃するボディプレスが主力級の攻撃技になります。
炎技は、迷いどころでした。
練習中、火力が欲しい場面もありましたが、エースバーンに強くしたいことがあり「しっとのほのお」をチョイスしました。
実際ふゆばれさんのエースバーン選出を牽制できたと思われるので正解でした。
単純に攻撃するより、あくび→まもるから展開していくことで勝ち筋が生まれることがあります。
トゲキッス
特性 | きょううん | |
持ち物 | ピントレンズ | |
性格 | おくびょう | |
実数値(努力値) | 187(212)-*-116(4)-146(44)-136(4)-144(244) | |
技 | マジカルシャイン/エアスラッシュ このゆびとまれ/まもる |
HB:意地珠ドラパの130ホロウ耐え
S:最速マイナス1
このルール最凶ポケモンです。
サポートにもなれるし、突然エースにもなれるポケモンです。
素早さは最速より1下げることで自分のフシギバナと並んだときにダイアシッド⇒続いてC上昇マジカルシャインというコンボができます。
このゆびとまれは、情報公開制で無いとわかると弱くなる技の一つです。
バンギラス
特性 | すなおこし | |
持ち物 | じゃくてんほけん | |
性格 | いじっぱり | |
実数値(努力値) | 175-204(252)-131(4)-*-120-113(252) | |
技 | いわなだれ/うっぷんばらし ばかぢから/まもる |
意地ASぶっぱ
晴れリザードン等に必須の天候発動ポケモン。
持ち物は、弱点保険でないと相手に対する圧が少ないと判断。
また、サマヨールのじならしと、ガオガエンの味方とんぼ返りで発動できるようになっています。
素早さは悩みました。
パッと見はHA振り、最遅でもおかしくない感じですが、準速です。
これは試運転中に、相手の60族(主にアシレーヌ)との素早さ関係がわからずやりにくいとのことからこの設定となりました。
(61族のバンギは環境のアシレーヌをほぼ100%抜けていると考えました)
またトゲキッスのダイジェットや、じならし守るで上を取れる範囲も広がります。
うっぷんばらしは、トリル後じならし弱保発動コンボで威力が4倍になります。
弱保発動後のいわなだれも強いため、ダイマックスしてもしなくても強いです。
ガオガエン
特性 | いかく | |
持ち物 | ぼうじんゴーグル | |
性格 | わんぱく | |
実数値(努力値) | 202(252)-136(4)-126(36)-90-127(132)-91(84) | |
技 | フレアドライブ/バークアウト ねこだまし/とんぼがえり |
HB:威嚇の入った珠エースバーンの飛び膝15/16耐え
HD:控えめ珠バナのダイアース耐え
モロバレルのキノコのほうし対策を厚くしたかったのでぼうじんゴーグルを採用しました。
当初とつげきチョッキだったので、結果としてこの変更は非常に大きかったです。
またガオガエンはとても調整が重要なポケモンです。
耐久は上記B、D調整が必須になるため、アルカナさんの配分を参考にさせていただきました。
しかしこのチームではSは結果的にいらなかったので
相手のフシギバナやトゲキッス等へのフレアドライブの火力を上げる
ゆうかん201(244)-149(4)-126(124)-101(4)-127(132)-72(個体値31)
がベストだったかもしれません。
「すてゼリフ」でなく「とんぼがえり」なのは、バンギラスの弱保を発動させることができることと細かい削りが最終的に活きてくるとのアルカナさんの動画解説からです。
ただし対トリルなどバークアウトがないとキツイところがあるので「とんぼがえり」「すてゼリフ」の両採用はしませんでした。
サマヨール
特性 | プレッシャー | |
持ち物 | しんかのきせき | |
性格 | なまいき | |
実数値(努力値) | 147(252)-86-162(92)-*-188(164)-27 | |
技 | ナイトヘッド/じならし サイドチェンジ/トリックルーム |
HD:サンパワー珠リザの130晴れゴクエン耐え
今回持ち物が事前にわかっているため、おみとおしは無駄特性のためプレッシャーを採用しました。
とは言え、試合でこの特性が活用されることは想定していません。妥協ないぞ、というプレッシャーはかけられてるのではないでしょうか!?
特防に相当厚くしています。トゲキッスのダイジェットも2回(急所と通常1回ずつ)なら耐えます。
「じならし」は「いたみわけ」と、ギリギリまで迷いましたが、トリル⇒じならしバンギ弱保発動コンボが刺さりそうな予感だったのでこちらを採用しました。
サイドチェンジは、事前公開されることにより最初から相手をバグらせることができる極悪、入れ得技です。
各選手パーティ公開後の選出と立ち回り考察
基本選出
選出は、相手チームに合わせる感じで難しいです。
どのポケモンも出すことができます。
ただし先発で超素直にバナコーや、有名になったサマヨバンギという選出はほとんどしません。
バンギを初手に出すと相手の初手ガエンに不利を取ります。
威嚇だけでなく、素早さ判定までされることになります。
なのでどちらかというとバナを先発して引き先にバンギがいる方が強いという考え方です。
ダイマックスを一番切りたいのはフシギバナで、切った場合は草技の通りが悪くても1回はキョダイベンタツを打ちたいです。
他にトゲキッスとバンギラスがエース候補です。
VSふゆばれさん(準決勝)
ふゆばれさんの構築でもっとも厄介なポケモンはモロバレルです。
素早さに振った型でダイジェットと合わせ上からキノコのほうしを打たれるのが一番厄介と考えていました。
そのためガオガエンに「ぼうじんゴーグル」を採用し対策を厚くしていました。
ところが、その上にトゲキッスの「このゆびとまれ」を切って「あくび」を採用するという鬼のような選択をしてきました。
これによりこちらがダイマックスを安易に切れなくなります。天才的な技選択だと思います。
対策を考えていると、
・サマヨールは技を受ける役目で、寝てしまっても問題ない
ということが見えてきました。
一般的にはモロバレルは早めに処理したいところですが、実はトゲキッスを処理することが最優先ということが分かりました。
他の先発としてはエースバーン/モロバレル、エースバーン/トゲキッスを予想していました。
1戦目 負け
vs
1戦目に課せられた課題としてモロバレルの素早さが遅いのか早いのかを見抜くということがありました。
相手選出は、まさかのウーラオス、モロバレル
2手目、ウーラオスにガオガエンが倒されましたが、ここはウーラオス引き読みでした。
最後、モロバレルの素早さが早いことが判りました。
2戦目 勝ち
vs
途中まで似たような感じに進みましたが、1本目ガエンを落とされた所でサマヨールに交代。
ダイアシッド2回とキョダイベンタツを入れることができ優位に立ちました。
バンギラスとトゲキッスが並び、バンギラスがダイマックスと読んだのですが、トゲキッスがダイマックスを切ってきました。
3戦目 勝ち
vs
予想していた選出が最後にきました(トゲキッス、モロバレル)。
こちらにサマヨールが出ているためダイジェットは打ちづらく、ダイマックスせず「あくび」を選んだトゲキッスに、フレアドライブを入れることができました。
このことによりふゆばれさんのプランが大きく崩れたと思います。
その後も強気にコータスを出さないで圧をかけ続けていくことができました。
VSマリンさん
やりたいことが分かりやすい構築でオーロンゲ、ウインディ、ダイマエース(ギャラドスorトゲキッス)、ウオノラゴンが基本選出と予想していました。
相手はトリルを止める術がないのでトリル、じならし弱保発動のバンギラスをたてるプランを想定しています。
リフレクター込みのASウオノラゴンが弱保発動+2バンギのダイロックで確1なのも安心材料でした。
こちら目線で見ると対策しやすいチームでした。
マリンさんの構築記事
VSみずさん(決勝)
1戦目 勝ち
vs
バナコー対策としてリザードンが入っているので1本目は出てくる予想でした。
ただ、みずさんの構築もマリンさんと同じくトリルを止める術がなくトリル、じならし弱保発動のバンギラスが刺さりそうでした。
実際には、トリル後、バンギラスの障害となるウーラオスが場にいたため、引かせるために一旦トゲキッスを出したのが刺さりました。
その後はトリル下のバンギラスがいわなだれで圧をかけ続けることができダイマ温存もできる有利展開に持ち込むことができました。
2戦目 勝ち
vs
2本目は、こちらのバナコー不選出をみて変えてくることを予想しました(ポリゴンZ)。
実際にほぼ予想通りになりました。
ただ2本目の初手は、相手がギャンブルしてきたら圧倒的不利になる状況で危険でした。
結果としては技を片方に重ねる安定択を取ってくれて助かりました。
こちらが1本先取していることでギャンブルを打ちにくい状況だったのが良かったです。
みずさんの構築記事
レンタルチーム
今回特殊ルールでサマヨールをプレッシャーにしましたが、実用性がないので「おみとおし」にしたレンタルチームも作りました。
・王者決定戦で使用した「プレッシャー」サマヨールのレンタルチーム
レンタルチームID: 0000 0005 145N MV
・「おみとおし」サマヨールのレンタルチーム
レンタルチームID: 0000 0003 YW5N GM
おわりに
これまで公式大会で、優勝まであと少しのところまでいったことはあったのですがなかなか優勝には手が届きませんでした。
シニアの間に優勝したいと思っていたので、今回優勝することができてとても嬉しいです。
コロナ対応で、来シーズンもシニアが継続になりそうなので、世界大会でも良い成績が出せたらいいなと思っています。
また今回、多くの方にフレ戦や相談にご協力いただきました。
特にらきさん、スボミーさん、カ・エールさん、バルドルさんには直前のBO3練習に付き合っていただき学ぶことが多かったです。
ポケモンで人と人の繋がりができるのも素晴らしい経験になりました。
関わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
レンタルチームID: 0000 0005 145N MV
パーティ作成者
そーかい
ジュニア
2016 PJCS 準優勝、WCS 6位
シニア
2018 PJCS TOP32
2019 PJCS 3位、WCS 34位
2019 学芸大祭Switch争奪杯優勝
2020 日本一決定戦王者決定戦優勝