チームID:KNRCQP

はじめに

たからっく@mawaruyoworld)と申します。
剣盾のGS環境にてバリヤード角中さんの構築記事をはじめとする興味深い構築の数々を見て感銘を受け、それ以来ダブルバトルで勝つための取り組みを行ってきました。
その甲斐あって、ポケモンSVではシーズン4、シーズン5と続けて最終30位以内に入ることができました
ある程度の成果が現れてきたと感じる一方で、PJCS予選は抜けられず、まだまだ力不足を感じています。
今回はシーズン5で使用した構築をご紹介いたしますが、改善の余地も多いと感じておりますので、この構築記事を元に開拓を進めて頂ければ幸いです。

ポケモンの耐久力について

構築の紹介に入る前に、ポケモンの耐久力を最大化するための指標について記述させて頂きます。
私と同じような初級者~中級者の方がより対戦への理解を深められればと思って記す内容ですので、既知の内容である場合は読み飛ばしていただいて構いません。

まず、現在広く使われている耐久力の指標には、
1.H(B+D)最大化モデル
2.HBD/(B+D)最大化モデル
という2種類が存在いたします。
この2つのモデルが用いられる意図と、その差異について説明いたします。

1.H(B+D)最大化モデル

代表的な計算機:最大耐久指数計算機

物理耐久指数(HB)と特殊耐久指数(HD)の合計を最大にする耐久調整の指標です。
H種族値が並以下のポケモンは、Hに努力値を振り切ったのち、余りをBとDに振り分けることが基本となります。Hへの努力値振りを優先するため、BとDのうち高い方の耐久力を大きく伸ばすことができますが、低い方の耐久力はあまり伸ばすことができません。
一方、H種族値が極端に高いポケモンは、Hへの努力値を抑えてその分BかDに努力値を振り分けることとなります。この場合、BとDに好きなように努力値を振り分けられるため、カスタマイズ性に優れます。

まとめ
メリット:物理と特殊の両耐久を満遍なく上げることができ、H種族値の高いポケモンはカスタマイズ性に優れる。
デメリット:H種族値の低いポケモンは物理と特殊のうち低い方の耐久を補うことができない。

実際の例(H-B-Dで表記)
ひかえめニンフィアの耐久に252の努力値を振り分ける場合
努力値:244-4-4
実数値:201-86-151
Hに振り切ることで、物理特殊の両耐久を上げています。
特殊耐久は圧倒的ですが、物理耐久にはやや不安があります。

2.HBD/(B+D)最大化モデル

代表的な計算機:耐久調整ツール
物理攻撃と特殊攻撃を均等に受ける場合に、受けられる合計火力を最大にする耐久調整の指標です。
B種族値とD種族値のうち低い方を補う振り方となることが特徴です。
これは、BとDのうちどちらかが極端に低いと、そちらが足を引っ張って攻撃を受けられる回数が大きく減ってしまうためです。
種族値上の弱点を補うような努力値振りとなるため、さまざまなポケモンと打ち合う汎用性を得ることができます。
一方で、B種族値とD種族値のうち高い方の耐久を伸ばすことはあまり考慮しませんので、シングルバトルの受けポケモンのように、もともと物理か特殊の片方しか相手にしない想定のポケモンにとってはあまり適した指標ではありません。
ダブルバトルにおいては、物理と特殊のどちらも受ける必要があることが多いため、このモデルはダブルバトルにおいて優れた指標となります。
本記事には、こちらのモデルを参考にして耐久調整を行っている箇所があります。

まとめ
メリット:B種族値とD種族値のうち低い方の耐久を補えるため汎用性に富む。
デメリット:B種族値とD種族値のうち高い方の耐久はあまり伸ばせない。

実際の例(H-B-Dで表記
ひかえめニンフィアの耐久に252の努力値を振り分ける場合
努力値:84-164-4
実数値:181-106-151
Hに振り切らずBに大きく割くことで、高すぎる特殊耐久を削る代わりに低すぎる物理耐久を補っています。

構築経緯

構築のきっかけとなったのは、2023 Pokémon Vancouver Regional ChampionshipsにおいてAbdullah Mohayyuddinさんが使っていた構築です。

A Sunny Day in Chilly Vancouver — Team Report from the Vancouver Regional Champion

晴れでCが上がる眼鏡ハバタクカミ+コータスの並びが非常に強力なパワーを持っていると感じたため、初手でこの2体を出すことを構築の起点としました。
相手視点では、超火力のハバタクカミを処理しながらコータスの最大火力ふんかを耐えるのが非常に困難であるというのが重要です。

ハバタクカミコータス

ハバタクカミを初手に出す場合、ディンルーのヘビーボンバーを耐える必要があったため、はがね半減かつじめん等倍のみずテラスを採用しました。
みずテラスならば、晴れで強化されるほのおタイプの技も半減することができるため、ウインディやイーユイといった強力なほのおタイプに対して生存機会を得ることができます

しかしながら、ハバタクカミ+コータスの並びには弱点があります。
こちらが相手の初手のポケモンを突破した次のターンにハバタクカミよりも速いポケモンを出されると、こちらの削れた盤面が一掃される可能性があるのです
それらの速いポケモンを抑え込むため、後発にはすばやさを操作する役割を持つテツノツツミを加えました。
また、テツノツツミは晴れ状態では制圧力の低いポケモンですので、試合後半の戦線を牽引してくれる強力なアタッカーとしてイダイナキバも加えました。

テツノツツミイダイナキバ

これらの4体を基本選出としたのですが、この構築にはまだ弱点がありました。
パーティ全体が攻撃的な傾向であるため、先制技を連打されたり、ずっと上から殴られ続けると耐えきれないという点です。
この問題を解決するため、サイコフィールドで先制技を防げ、トリックルームを有するイエッサン♀を構築に加えました。
また、同時にイエッサン♀との並びが強力であるグレンアルマも加えました。

イエッサンメスグレンアルマ

グレンアルマはあくタイプを有する災厄ポケモンたちに弱いと思われがちです。
しかし、この構築は初手に信じられないほどの火力を持つフェアリータイプのハバタクカミを据えておりハバタクカミで災厄ポケモンを削ってしまえばグレンアルマが非常に良く通る場合もあるため、必ずしも不利ではありません。
最終レート1994まで到達した最終日前日には、後発に据えたイエッサン+グレンアルマのおかげで連勝を重ねることができた場面もありました。

こうして6体が決定しました。
物理寄りの環境としては珍しく、6体中5体が特殊アタッカーとなっていますので、いかくに妨害されず安定した火力を出し続けることができます

テツノツツミハバタクカミイダイナキバイエッサンメスグレンアルマコータス

個別解説

ハバタクカミ

特性こだいかっせいハバタクカミ
持ち物こだわりメガネ
テラスタイプみず
性格ひかえめ
実数値(努力値)H133(20)-A×-B92(132)-C190(140)-D156(4)-S182(212)
ムーンフォース/マジカルシャイン
シャドーボール/パワージェム
調整
すばやさ:最速ルガルガン+2
特殊耐久:おくびょうC252ハバタクカミのシャドーボール耐え
物理耐久:ようきA252パオジアンのアイススピナー最高乱数以外耐え、いじっぱりA252コノヨザルのふんどのこぶし(威力50)最高乱数以外耐え

基本的に先発役であり、ほとんどの相手にマジカルシャインを連打します。
ウインディやギャラドスといったポケモンを手早く処理したい場合にはパワージェムを、オーロンゲやイッカネズミといったポケモンを確実に処理したい場合にはムーンフォースを使うことがあります。
シャドーボールは先発で出した際にはあまり使いませんが、詰めの場面で最善手になることがそれなりにあるので入れています。
このポケモンは数的有利を取ることが使命であるため、自身が倒されて数的不利を取らないよう積極的にテラスタルを使っていきます。
とくに、イーユイ、ディンルー、パオジアン、自分よりすばやさの高いハバタクカミなどを相手にするときはテラスタルを使うのが無難です。
この構築でテラスタルを使うのは7割方このハバタクカミでした。

こだいかっせいでとくこうが上昇するハバタクカミ同士が対面した場合、すばやさが高い方が圧倒的な有利を取れます。
すばやさの調整ラインを見てみると、ひかえめハバタクカミが抜いておきたいポケモンとして最も速いのは真昼ルガルガン(S実数値180)、次点でイッカネズミ(S実数値179)でした。
よって、環境中に存在するひかえめハバタクカミのすばやさは最速で181であると考え、それを1ポイント上回るすばやさに設定しています。
実際に運用したところ、この予想はほぼ正しかったですが、タスキ持ちのひかえめハバタクカミに抜かれているということは何度かありました。
しかし、火力アップアイテムを持っていないならば被害は少ないので良しとしました。

コータス

特性ひでりコータス
持ち物ヨロギのみ
テラスタイプひこう
性格ひかえめ
実数値(努力値)H159(108)-A×-B161(4)-C150(252)-D97(52)-S52(92)
ふんか/オーバーヒート
だいちのちから/てだすけ
調整
すばやさ:4振りモロバレル+1

ハバタクカミと並べる、ひこうテラスのハバタクカメです。
相手のじめん技に合わせてテラスタルし、ふんかを叩き込む動きが強力です。
テラスタル前後で共通する弱点であるいわタイプへの対策として、持ち物はヨロギのみを持たせています。
これは、とくに対バンギルガンや対キラフロルで非常に有効に働きます。
前者は受け出し回数の増加、後者は行動保証の確保という点で重要です。
他の持ち物の候補としては、もくたんも強力であると思います。

素早さ調整はかなり自慢の出来であり、「上から眠らせればいいや」と油断して出て来るモロバレルを数多く屠ってきました

耐久調整についてですが、とくこうとすばやさを狙いの値に調整したのち、HBD/(B+D)最大化モデルでの耐久調整を参考に努力値を振り分けました

テツノツツミ

特性クォークチャージテツノツツミ
持ち物ブーストエナジー
テラスタイプゴースト
性格おくびょう
実数値(努力値)H131-A×-B134-C176(252)-D81(4)-S206(252)
フリーズドライ/こごえるかぜ
アンコール/まもる

耐久に振っても特殊技は耐えないのでCS振りにしました。
晴れ状態ではハイドロポンプでまともな火力が出ないため、こおり技のみの構成となっています。
メインウェポンでヘイラッシャへの打点にもなるフリーズドライ、採用理由のこごえるかぜ、そのほか相性良好なまもるアンコールを採用しました。
アンコールは詰めの場面において非常に強力な技ですので、テツノツツミを後発で出す本構築では活躍する場面が多いです
また、ゴーストテラスと合わせて相手のねこだましをアンコールする動きも可能ですので、ゴーストテラスとの相性も良いです。

イダイナキバ

特性こだいかっせいイダイナキバ
持ち物きあいのタスキ
テラスタイプじめん
性格ようき
実数値(努力値)H191(4)-A183(252)-B151-C×-D73-S152(252)
ぶちかまし/インファイト
いわなだれ/まもる

晴れ状態ではスカーフを持ってもすばやさをブーストしたハバタクカミに上から殴られてしまうため、きあいのタスキを採用しています。
スカーフと違って技を打ち分けられるため、チオンジェンやディンルーのどくテラスなど不意の事態に対応しやすいのも利点です。
いわなだれは雑に使える全体技としても強く、ひこうタイプへの有効打にもなるため、味方が浮いていないこのパーティではじしんよりも優先度は高いと思います。

イエッサン♀

特性サイコメイカーイエッサンメス
持ち物サイコシード
テラスタイプみず
性格ずぶとい
実数値(努力値)H177(252)-A×-B128(252)-C115-D126(4)-S105
サイコキネシス/このゆびとまれ
トリックルーム/てだすけ

HBに振り切ったイエッサン♀です。
特殊耐久がもともと非常に高いためHBに振りましたが、もう少し調整を考えても良かったかもしれません。
主にハバタクカミやグレンアルマのサポートとして選出します。
刺さっている相手にはトリックルームからコータスでの制圧を狙っていくこともあります

グレンアルマ

特性もらいびグレンアルマ
持ち物いのちのたま
テラスタイプくさ
性格ひかえめ
実数値(努力値)H161(4)-A×-B121(4)-C194(252)-D101(4)-S126(244)
アーマーキャノン/ワイドフォース
エナジーボール/まもる

イエッサン♀がいるので構築に入ってきた、イエッサン♀のお友達です。
このポケモンは非常に高い火力を持ちますが、その真価は選出誘導力にあります。
相手のあくタイプをほぼ強制的に選出させるため、ハバタクカミが通しやすくなります
とくにディンルー入りの構築と戦う際、相手視点では「テラスタルしたディンルーでなければ晴れ下のハバタクカミを止められないが、テラスタルしたら後発のグレンアルマに一掃される」というようなジレンマが生じることがあります。
この点において、グレンアルマの採用はかなり意義のあるものであったと思います。

調整に関してですが、どのステータスも目安となるものを思いつかなかったので、ほとんどCSの5か所振りになっています。
もしこだわるのであればH個体値を削ってH実数値を159にし、珠ダメージの軽減を図るのもよいと思います。

選出と立ち回り

基本選出

先発:ハバタクカミコータス
後発:テツノツツミイダイナキバ

基本的な戦い方は晴れ下のハバタクカミとイダイナキバの火力を押し付けていくことですので、その点だけ意識すれば割と選出は自由です。
コータスやテツノツツミをイエッサン♀に変えたり、通りの良い相手にはグレンアルマを選出してもよいでしょう。
寿司など高耐久のポケモンに対しても、ひたすら火力で押して行けばなんとかなるので、専用の選出は用意していません。
ただし、パオジアン入りの相手に対して先発にイエッサン♀を出すとアイススピナーでフィールドを消されがちなので、グレンアルマとセットで運用する際は注意して下さい。
選出段階からトリルを撃ちたい場合はハバタクカミ+イエッサン♀から入ってトリルをし、後発にコータス+イダイナキバ or グレンアルマを入れておくとよいと思います。

立ち回りについてですが、初手はハバタクカミがマジカルシャインを撃ち、コータスがふんかかてだすけを撃つことが多いです
交代戦に向いていないパーティであるため、少しでも落とされる危険があるなら積極的にテラスタルを使います。
相手に範囲技がなさそうな場合、コータスは雑にふんかを押すと最大火力で通ることがそれなりにありますしコータスが削られてしまう場合はハバタクカミが生存できるケースが多いため、ふんかは積極的に使って構いません。

対イッカネズミ+コノヨザルに対してはかなり有利な動きがあるため特記しておきます。
まず、ハバタクカミがイッカネズミにムーンフォースを撃ちながらコータスがふんかを撃ちます。
一般的なイッカネズミはほぼムーンフォースで倒せるため、まもらなければ撃破、まもった場合でも次のターンに撃破という感じになります。
その間にコータスがふんかでダメージを稼いでくれるため、コノヨザルは後続のイダイナキバで押し切れます

対天候構築においては、初手に出したコータスを引いて大切に扱いながら、なるべく晴れ状態を維持することを心がけます
バンギルガン相手には不利かと思いきや、バンギラスが後出しからハバタクカミを受けられず、晴れならルガルガンよりもハバタクカミの方が速いためむしろ有利です。
一方で、ビビヨンディンルー+雪パのような構築にはなかなか勝てませんでした(浮いているポケモンがいないので、そもそもじしんディンルーが厳しいというのはあります)。

さいごに

長々と説明してきましたが、このパーティはシーズン6に入ってから勝つのがかなり難しくなったように思います。
微妙な環境の変化が原因だとは思うのですが、やはりパーティの完成度自体もまだまだ低く、もっと工夫していく必要があると感じています。
とはいえ、晴れハバタクカミの超火力は他の構築ではなかなか出せないものであり、使っていてやみつきになる魅力は秘めています。
もし興味を持っていただけたのなら、ぜひ一度試していただきたいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

チームID:KNRCQP

パーティ作成者

たからっく

(アイコン:るねつき様 @lunetuki

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