レンタルチームID:0000 0005 WKLN 3N
以下の記事の日本語訳です。
Dallas Pokémon VGC Champion! Aaron Traylor’s Regionals Team Report
- 1 はじめに
- 2 構築経緯
- 3 構成
- 4 マッチアップ
- 5 対戦レポート
- 5.1 Day 1
- 5.1.1 ラウンド1: Thomas DeRosa 勝ち (1–0)
- 5.1.2 ラウンド2: Greg Rowson 勝ち(2–0)
- 5.1.3 ラウンド3: Patrick Donegan 勝ち (3–0)
- 5.1.4 ラウンド4: Justin Carris 負け (3–1)
- 5.1.5 ラウンド5: Alex Pharo 勝ち (4–1)
- 5.1.6 ラウンド6: Eric Ault 負け (4–2)
- 5.1.7 ラウンド7: Randall Segnar 勝ち (5–2)
- 5.1.8 ラウンド8: James Eakes 勝ち(6–2)
- 5.1.9 ラウンド9: Jon Hu 勝ち(7–2)
- 5.1.10 ラウンド10: Will Marks 勝ち(8–2)
- 5.2 Day 2 (Top Cut)
- 5.1 Day 1
- 6 おわりに
- 7 パーティ作成者
はじめに
皆さんこんにちは!Aaron Traylor (@TBFUnreality)です。
ゲーム部門の公式大会であるDallas Regional Championshipsで優勝することができました。この大会は参加者540人ほどの大会で、2日間にわたって15ラウンドを戦い抜き、3000$と200CP(世界大会出場に必要なポイントの半分)を獲得しました。
今回は、Wolfe Glick (@WolfeyGlick)とJustin Carris (@AzazeL_the_God)と構築し共に使用した構築について、簡単に書き残すことにしました。
構築経緯
大会の数週間前から構築を開始し、マッチングするであろう仮想敵について考えました。(これらのアーキタイプとは当日あまりマッチングしませんでしたが)
・サンパワーリザードン+にほんばれエルフーン
・トゲキッス+ドラパルト+ドリュウズ
・すなかきドリュウズ+バンギラス
・サマヨール+コータス+ドサイドン(+バタフリー)
・エルフーン+せいぎのこころウインディ/ルカリオ
・イエッサン♀+キョダイマックスカビゴン
・マイペースバンバドロ+オーロンゲ+ウインディ
また、構築するにあたって、次に挙げるこれらのポケモンも考慮しました。
・アイアント
・インテレオン
・じゃくてんほけんトゲキッス
・バークアウト、おにび持ちのいかくウインディ
・こだわりスカーフウオノラゴン
これらの相手に対して、いかなる戦略を取られた場合にも有利を取れるような構築を目指しました。
まず、うそなきエルフーン+いのちのたま持ちの速いジュラルドンの採用を決めました。勧めてくれたJustin Ramirez (@LukamirPB)とAaron Zheng (@CybertronVGC)に感謝します。
次にキョダイマックスリザードンとローブシンをアタッカーとして採用し、最後にトゲキッスとブルンゲルをアタッカーの補佐役として採用して、さまざまな戦略が取れるようにしました。
VGC2011,2016,2019にも「おいかぜ」と「トリックルーム」を両方採用した構築を使用した経験があり、この組み合わせが他の構築にはない柔軟性とパワーをもたらしてくれました。
構成
リザードン(キョダイマックス)
特性 | もうか(※海外の公式大会では現在、キョダイマックスリザードンは特性もうかのみ使用可能です) |
持ち物 | ヨロギのみ |
性格 | おくびょう |
実数値(努力値) | 153-*-99(4)-161(252)-105-167(252) |
技 | まもる/ブラストバーン ソーラービーム/エアスラッシュ |
ブラストバーンはエルフーンの「うそなき」と合わせて、ダイマックスをしない耐久型のトゲキッスを「キョダイゴクエン」で倒すために必要です。
もし耐えられたとしても「キョダイゴクエン」の追加効果によってターン終了時に倒すことができます。
素早さを落とし耐久に振った型も考えましたが、最速バークアウトウインディの数が非常に多いことが気になり試すことさえしませんでした。
(リザードンはいのちのたまを持っていることが多いですが、)私たちはいのちのたまリザードンよりもいのちのたまジュラルドンのほうが好みです。
エルフーン
特性 | いたずらごころ |
持ち物 | きあいのタスキ |
性格 | おくびょう |
実数値(努力値) | 136(4)-*-105-129(252)-95-184(252) |
技 | おいかぜ/ムーンフォース あまえる/うそなき |
「あまえる」はリザードンのヨロギのみを組み合わせることで、ドリュウズ、バンバドロ、アイアントのダイマックス技を耐えるために必要です。
「うそなき」を使うことでこのパーティを攻撃的に扱うことができるようになります。
ブルンゲル
特性 | のろわれボディ |
持ち物 | カシブのみ |
性格 | ひかえめ |
実数値(努力値) | 193(149)-*-120(236)-133(124)-126(4)-81(4) |
技 | しおふき/シャドーボール ちからをすいとる/トリックルーム |
調整
B:いじっぱりドリュウズのいのちのたま「ダイアース」耐え
S:おいかぜ時最速ウインディ抜き
ブルンゲルは大会前日の木曜日に採用を決めたためあまり試す時間がありませんでしたが、パーティで最も重要なポケモンだと感じました。
素早さ4振りはおいかぜ時に最速ウインディを抜くことができます。
カシブのみを持つことで相手のドラパルトを無力化することができます。なぜならブルンゲルはいつもトリックルームを貼るため、その後攻撃的な味方と合わせてシャドーボールでドラパルトを落としに行けるからです。
ブルンゲルの火力がわずかに足りずに重要な試合を落とした場面が3回もあったため、もう少しとくこうを上げておきたかったです。
ジュラルドン
特性 | すじがねいり |
持ち物 | いのちのたま |
性格 | おくびょう |
実数値(努力値) | 145-*-135-172(252)-71(4)-150(252) |
技 | まもる/りゅうせいぐん ラスターカノン/10まんボルト |
最速ジュラルドンとエルフーンの「うそなき」の組み合わせに対抗できるポケモンはほとんどいません。
10まんボルトはダイマックス時に「ダイサンダー」を打つことで(あくびやねむりごなによる)ねむりを防ぐことができる重要な技です。
火力と素早さに振り切り相手を早急に処理するというコンセプトであり、とつげきチョッキやじゃくてんほけんといった持ち物はあまり効果的ではないため、コンセプトに合ったいのちのたまを持たせています。
ローブシン
特性 | こんじょう |
持ち物 | とつげきチョッキ |
性格 | いじっぱり |
実数値(努力値) | 200(156)-204(204)-116(4)-*-98(100)-71(44) |
技 | インファイト/マッハパンチ ドレインパンチ/いわなだれ |
3つのかくとう技はすべてローブシンにとって重要な技です。
できるだけ大ダメージを与える必要がある場合はインファイト、欠点(=インファイトの追加効果)なしにかくとう技を使ったり回復したい場合はドレインパンチ、先制技が必要な場合はマッハパンチと使い分けます。
「いわなだれ」は相手2体を攻撃できる技で、シャンデラ、リザードン、ギャラドス、トゲキッスに効果抜群で打てる技ですが、れいとうパンチを採用してもよかったかもしれません。
素早さに振っているため、おいかぜ時にひかえめジュラルドンを確実に抜けるようになっています。
トゲキッス
特性 | きょううん |
持ち物 | リリバのみ |
性格 | ずぶとい |
実数値(努力値) | 192(252)-*-143(116)-141(4)-139(28)-114(108) |
技 | このゆびとまれ/あくび てだすけ/マジカルシャイン |
調整
H:全振り
B:11n
S:準速バンギラス抜き
トゲキッスの素早さは準速バンギラスを抜けるまで振りました。また、これにより多くのトゲキッスミラーで先制することができ、相手のしんぴのまもりよりも先に「あくび」を打つことができます。
素早さを上げた後は適当に耐久に振り分けましたが、特に問題ありませんでした。
マッチアップ
基本的にはキョダイマックスさせるつもりがなければリザードンは選出せず、しっかり動きを決めていない限りはトゲキッスとエルフーンを同時に選出することはありません。
また、ローブシンを先発に出すことはめったにありません。
サンパワーリザードン+エルフーン
早い試合展開になります。こちらのリザードンはキョダイゴクエンにより相手のエルフーンを1ターンで倒せるのに対し、相手はそれができません(海外では特性サンパワーのキョダイマックスリザードンは使用不可能)。
ただし、相手がダイジェットから入ってきた後、こちらのリザードンを倒しうるポケモンを出すケースには注意が必要です。
トゲキッス+ドラパルト+ドリュウズ
エルフーン+リザードン+トゲキッス+ジュラルドンの組み合わせで有利に戦うことができます。
トゲキッスを倒してしまえば、ブルンゲル+ローブシンで簡単に勝つことも可能です。
もし相手の構成が攻撃的な場合はジュラルドンが倒されてしまうリスクこそありますが、防御的な構成の場合はジュラルドンを素早く倒すことができません。
すなかきドリュウズ+バンギラス
マッハパンチでどちらかを縛ったり、インファイトでダイマックスしたバンギラスを倒せるためローブシンが輝きます。
エルフーンのあまえるでドリュウズからのダメージを抑えることも可能です。
サマヨール+コータス+ドサイドン(+バタフリー)
そこまで多くは居ませんが、ブルンゲルとジュラルドンで見ることができます。もしバタフリーがいる場合は、ダイサンダーを選択しエレキフィールドを展開することでねむりごなを防ぎましょう。
トリックルームから弱点保険を発動されるまでは簡単にブルンゲルを倒せるポケモンはいないうえに、ブルンゲルのしおふきをまともに食らいたくないポケモンだらけなのも有利な点です。(ラプラスを除く)
もし弱点保険を発動されても、ちからをすいとるで弱体化させることができます。
ふくろだたき+せいぎのこころ
トゲキッスがこのゆびとまれでふくろだたきを吸える上に、エルフーンのあまえるは特性せいぎのこころを持つポケモンを弱体化することができます。
イエッサン♀+キョダイマックスカビゴン
トゲキッスのあくび+ローブシンで倒すためにこの2体を連れていきます。
その状況を整えるためにイエッサンを早めに倒すことを意識しましょう。キョダイゴクエンでダメージを加速させるのも有効です。
マイペースバンバドロ+オーロンゲ+ウインディ
いわゆる「super horse」の組み合わせは、エルフーンのあまえるかうそなきを止めることは非常に困難です。
バンバドロ(もしくはメインアタッカーとなるポケモン)を機能停止に追い込むか、倒してしまいましょう。
アイアント
そのすばやさとダイロックを打ってくることから、アイアントは苦手なポケモンではありますがエルフーンのあまえるがかなり打ち合いを助けてくれます。
おいかぜ+ジュラルドンも、アイアントを相手するうえでは役に立ちますが、多くのアイアントはダイアースを打ってくるので注意は必要です。
多くのアイアント入りのパーティはこちらと同様攻撃的なものが多く、すぐに激しいゲーム展開になります。
そのため、最終的な目標は体力やのこりポケモンなどを犠牲にしてでも、キョダイマックスしたリザードンでアイアントを倒すことにあります。
インテレオン
インテレオンもまた、リザードンより早いためにすばやさ操作が必要なポケモンになります。こちらを上回るすばやさ操作を相手が用意していた場合はブルンゲルのトリックルームから状況をひっくり返すことが可能ですが、有効打に欠けるためリザードンかジュラルドンでインテレオンを攻撃することが重要です。
じゃくてんほけんトゲキッス
エルフーンのうそなき+キョダイゴクエン、もしくはジュラルドンの攻撃で楽に勝つことができます。
いかく+バークアウトウインディ
ローブシン+ブルンゲルで有利に戦えますが、その優秀なステータスからランクダウンを撒いてきます。いかくは試合自体に直接的な影響がないため、ランクダウンを乗り越えてウインディの隣のポケモンを倒すゲームになります。
幸運なことに、おにびを打たれた場合はローブシンのこんじょうにより相手にとって状況は不利になります。
こだわりスカーフウオノラゴン
トゲキッス、ブルンゲル、ジュラルドンが居るため、十分にサポートされていたとしても全く心配ありません。
さらに苦手なポケモンは以下の通りです。
オーロンゲ
エルフーンがねこだましから1ターンで倒されてしまう恐れがあり、でんじははリザードンとジュラルドンのすばやさを下げてしまいます。
私はオーロンゲは苦手だと考えていましたが、WolfeとJustinはそこまで苦手ではないと考えていた様です。
ニンフィア
ジュラルドンのダイマックスが終わったあとにニンフィアに出てこられると、ダメージレースで圧倒的に負けてしまいます。
リザードンとジュラルドン以外はニンフィアと打ち合えず、ローブシンとエルフーン、ジュラルドンはハイパーボイス2発で倒されてしまいます。
ヌメルゴン
とつげきチョッキを持っていた場合、エルフーンのうそなき+ジュラルドンの高打点を耐えてくる上に、こちらのパーティには特殊ワザのダメージを抑える方法がないためまともにダメージを貰ってしまいます。
対戦レポート
Day 1
ラウンド1: Thomas DeRosa 勝ち (1–0)
インテレオンやイエッサン♀は警戒すべき相手で、あまり当たりたくないカビゴンにも大会の序盤で当たってしまいました。
相手がしんぴのまもりはあくびを打ったあとに張ってもねむり状態を防ぐことができないことを忘れていて、とりあえず一勝をしました。
対戦相手のコータスが自分のローブシンを上回るすばやさで驚きましたが、3試合目では圧倒して勝つことができました。
ラウンド2: Greg Rowson 勝ち(2–0)
対戦相手は参加をキャンセルしていたので、不戦勝になりました。
ラウンド3: Patrick Donegan 勝ち (3–0)
彼はじゅうりょくを使わずにさいみんじゅつを押し続けるというVGC2016を彷彿させるような戦術をしてきました。
こちらのブルンゲルとジュラルドンが刺さり勝ちました。
ラウンド4: Justin Carris 負け (3–1)
構築を共有したJustinにミラーマッチで完璧な立ち回りをされたため、勝つことができませんでした。
今大会においてBO3における1戦目で負けたのはこの試合のみです。
ラウンド5: Alex Pharo 勝ち (4–1)
こちらのあまえるエルフーンでバンバドロの火力を大幅にさげて、キョダイマックスリザードンのキョダイゴクエンの追加効果で相手のエルフーンに行動を許さないようにしました。
結果、うまくその立ち回りが刺さり勝利しました。
ラウンド6: Eric Ault 負け (4–2)
ヌメルゴンとギルガルドの並びと適切なサイクルの立ち回りに翻弄されましたが、なんとか初戦を勝利で飾りました。
しかし、2試合目以降はヌメルゴンに十分なダメージを与えられずダイマックスを消耗して負けてしまいました。
この試合に戻ることができたら、ダイマックスを使う前に勢いに乗って勝ちにいきたかったです。
ラウンド7: Randall Segnar 勝ち (5–2)
ラウンド5のAlex選手と似たようなパーティです。
エルフーン+ジュラルドンで相手を崩し続けてそのまま勝ちました。
ラウンド8: James Eakes 勝ち(6–2)
イエッサン♀とカビゴンの組み合わせはラウンド3のPatrickのパーティよりも正直きついです。
ですが、バンバドロを選出してきたので、自分のポケモンをあまり倒されることなく勝利することができました。
ラウンド9: Jon Hu 勝ち(7–2)
おいかぜ下でのキョダイゴクエンとジュラルドンを止める術が相手になく、押し切って勝ちました。
ラウンド10: Will Marks 勝ち(8–2)
このラウンドはギリギリの戦いでした。
リザードンとエルフーンでなんとか相手のポケモンを突破しようとしました。
3試合目では、Willがエルフーンのトリックルーム読みの行動をしてきましたが、そのままエルフーンによる展開を続けて勝ちました。
Day 2 (Top Cut)
トップ32: Dawei Si 勝ち
Daweiとこの試合で会うことが初めてだと思っていたのですが、面白いことに同い年で同じ学校に通っていたみたいです(笑)
私はオーロンゲを使うプレイヤーが上位に残ると予想していましたが、今大会ではトップ32にしてようやく当たりました。
第3試合では相手の予想よりも早く動いたブルンゲルがしおふきで崩して試合に勝ちました。
トップ16:Nathan Ortiz勝ち
中々厳しいマッチでしたが、トゲキッスとリザードンの組み合わせで運も良くゴリ押しで勝ちました。
トップ8:Justin Crubaugh 勝ち
オーロンゲ、次点でトゲキッスが厳しいマッチです。
この試合の時に戻ることができたらもっとアグレッシブに攻めていたと思います。
twitchでこの試合を見返すことができます。(試合は0:26:12に始まります)
準決勝:Justin Burns 勝ち
準決勝のJustinのパーティはトップ8でのJustinの構築と似ています。
彼が以前の私の試合を配信で見ていることはわかっていたので、パーティの情報がある程度バレている状態で対戦しました。
この試合はtwitchの公式放送のアーカイブで見ることができます。(試合は1:49:19に始まります)
決勝: Binjie Wang 勝ち
決勝では今大会最も当たりたくないアイアントに当たってしまいました…(笑)
この試合もtwitchで見れます。(試合は2:35:32から始まります)
悲しいことに、パーティを一緒に考えてくれたWolfeとJustinとの写真を撮ることがはできませんでした…
しかし、2011、2012から付き合いのある友達と一緒に写真を撮ったので最高の気分です!
おわりに
今回の大会では頂点まで勝ち進むことが出来、私のポケモン人生の中でも特に素晴らしい経験だったと思います。
会場配信で何度かお話しした内容ですが、沢山の勝利をもたらしてくれたこの構築に敬意を表したいです。
勝つことが出来てどんな気持ちか?と聞かれれば、確かに驚くほど嬉しいのですが、同時になるべくしてなった結果だとも思っています。
なぜなら、今回の構築は仲間の誰かが優勝できるだろうと思えるほどのパーティだったからです!笑
最後に、支えてくれたWolfe, Justin, Jonny, Aaron, Dannyに感謝を述べたいと思います。それではまたどこかでお会いしましょう。
レンタルチームID:0000 0005 WKLN 3N
パーティ作成者
Aaron Traylor