レンタルチームID: 0000 0000 6T4M H9
English Version: Triple Genie and Celesteela – Team Report from the Hong Kong National Champion | Victory Road
はじめに
みなさんこんにちは!Pan Si Ming (@ChinaSapphire)です。私は小学4年生(10歳)からポケモンをプレイしています。最初にプレイしたゲームがポケモンサファイアだったため、Sapphire (蓝宝石)という名前を使っています。
私はこのパーティを使って香港大会で優勝、世界大会Day2で4-3の結果を収めました。また、ランクバトルではシーズン28で9位、シーズン33で7位にランクインした構築でもあります。
私の初めての構築記事なのでぜひご覧ください!
香港大会は私の初めての会場大会であると同時に、世界大会への切符を掴む唯一のチャンスでした。私はこの大会のために2月のINCの頃から準備をしてきました。
当時は香港で大会が開催されることを知らなかったので、世界大会に参加するCPを稼ぐためにアメリカのICに参加することさえ考えて、Peng Chongjun(@ChongjunVGC)に相談していました。
世界大会に出場することは長年の夢でした。前述のとおり1度しかチャンスがないことを分かっていたので、毎月500試合以上をこなして努力しました。
ところで、私はVGC競技プレイヤーになる前は特別なポケモンを集めることに熱中していました。日本やアメリカに住んではいませんでしたが、現地に住む友達経由でシリアルコードを集めていました。しかし、「サカキのニドキング」のような現地配信限定のポケモンの場合は直接日本に向かわないと手に入れることは不可能でした。最近は現地配信限定のポケモンが無くなってきていて嬉しいです。
構築経緯
シリーズ11(伝説1体のルール)では私は上記のパーティを使用していました。私はこのころからとつげきチョッキカイオーガを使っており、非常に気に入っていました。
唯一の心配として、チョッキカイオーガはまもるを使うことができずゴリランダーに弱いという点がありました。ここで私はウルガモスを採用しましたが、このポケモンに何ができるのかと聞かれることも多かったです。回答としてはシンプルで、草技を1/4で受けられること、カイオーガをゴリランダーで対策しているザシアン構築が多いこと、そしてそのザシアンにも強いことが採用の理由です。ウルガモスはゲーム終盤のザシアン+ゴリランダーを容易に対処できます。
カイオーガ対策にトリトドンを採用しているパーティの場合はウルガモスから大ダメージを与えることは出来ませんが、「たべのこし+ちょうのまい」のセットを用いることで長期戦では競り勝つことが出来ます。
シリーズ12では、ウーラオスをザシアンに変更しました。
新ルールではザシアン+カイオーガの構築が非常に流行しており、ウルガモスはもはや刺さっていませんでした。伝説1体ルールのザシアン構築はウルガモスに打点が乏しかったですが、カイオーガには簡単に倒されてしまいます。
そこでゴリランダー・トリトドンに強く、かつザシアンも怖くない代替案が必要でした。たどり着いたのがテッカグヤでした。
このパーティの考えはいたってシンプルです。私はザシアンを最も強力なポケモンと考えており、その弱点はほのおとじめんのみです。それぞれの弱点をカバーするため、ほのおに強いカイオーガとじめんを無効にできるひこうタイプ4匹を採用しました。
ゲーム内でも屈指の強力な技であるしおふきとおいかぜのコンボを使うためにトルネロス、カイオーガの苦手なでんきをカバーするためにランドロス、そしてくさ弱点をカバーするためのテッカグヤです。
また、8月のランクバトルでは160勝90敗で最終7位でした!
個別解説
カイオーガ
あめふらし | |
とつげきチョッキ | |
ひかえめ | |
187(92)-*-111(4)-209(156)-161(4)-142(252) | |
しおふき/こんげんのはどう かみなり/れいとうビーム |
私のカイオーガは、初めて対戦した相手を騙すポケモンでした。おいかぜを使用した高速パーティに見えるため、しんぴのしずくが想定されるようです。また逆にとつげきチョッキ持ちだということが分かると、素早さが低い個体だと思われることもありました。
チョッキカイオーガをおいかぜで運用したのは私が最初だったと思っています。当時はシリーズ11でした。
素早さを準速まで伸ばしている理由は、このパーティでは相手のカイオーガに先制することが非常に重要だと考えているためです。カイオーガの素早さは低めの方が良いと考えている人もいますが、このパーティにおいてはそうではありません。シリーズ11で素早さ実数値112のカイオーガを使っていましたが、おいかぜを使っても素早さ実数値224にしかならず、素早さが1段階上昇したボルトロスに抜かれてしまい使いづらかったです。
ちなみにシリーズ12開始時点ではH190、S139という個体を使っていましたが、HPを落としてもザシアンのじゃれつくを耐えるという理由からH187、S142に変更しました。
ザシアン
ふとうのけん | |
くちたけん | |
いじっぱり | |
188(164)-242(236)-136(4)-*-136(4)-181(100) | |
きょじゅうざん/じゃれつく せいなるつるぎ/まもる |
香港大会の時点ではH197で、素早さがボルトロスより低い個体を使っていました。私のパーティにはS操作手段が豊富で、抜かれていても大きな問題にならないと考えたからです。
しかしこれは1ターン目にボルトロスがこちらのザシアンを抜くためにダイジェットを打ってくる、という前提の上に成り立つ想定です。もしボルトロスより遅いことがバレていた場合は、ダイジェットではなくいきなりダイサンダーを打たれると手痛いダメージを受けてしまいます。
このことに香港大会前に気付いてはいたものの、使い慣れていることもあってこの時はそのまま持ち込みました。しかしボルトロスの使用率が上昇していることが見て取れたため、世界大会では素早さを変更しました。
霊獣ランドロス
いかく | |
いのちのたま | |
ようき | |
165(4)-197(252)-110-*-100-157(252) | |
じしん/そらをとぶ いわなだれ/まもる |
ランドロスについて言う事は特に多くありません。至って普通の構成だと思います。
素早さを削って耐久を上げているランドロスを多く見ましたが、私はおくびょうカイオーガに先制されるリスクを受け入れられませんでした。
また、おいかぜ下の最速ランドロスは多くの素早さ+1ザシアンに先制できることも非常に重要なポイントです。
化身ボルトロス
いたずらごころ | |
オボンのみ | |
ずぶとい | |
186(252)-*-121(156)-145-113(100)-131 | |
でんじは/かいでんぱ こわいかお/ちょうはつ |
ボルトロスもまた、相手を騙すことが出来るポケモンです。トルネロスがパーティにいることから、初見ではまけんきが想定されます…が、ボルトロスもいたずらごころです!
またシーズン28のレーティングにおいてはかみなりを採用していました(まもるも試していました)。あまり使う技でなかったので、命中率は気になりませんでした。
しかし、Jiseok Lee(@MeLuCaVGC)に対して「トリックルーム下で味方ザシアンにでんじはを打つ」動きを行ったところ、ザシアンが痺れ続けて負けてしまう事態が起きました。動いていれば恐らく勝っていたこともあり、かみなりをこわいかおに変更することにしました。
技構成に関して重要なのは、でんじはやかいでんぱの代わりにかみなりを打つような余裕があるのであれば、その試合はそもそも勝ち試合だということです。10まんボルトやかみなりを所持していないことによって敗北することは、基本的にはないと考えています。
耐久に関してはザシアンのじゃれつくを耐えるような数値にしています。
化身トルネロス
いたずらごころ | |
きあいのタスキ | |
おくびょう | |
164(76)-*-91(4)-177(252)-101(4)-168(172) | |
ぼうふう/おいかぜ こわいかお/まもる |
多くのトルネロスはこごえるかぜを持っており、私も以前のフォーマットでは有効な技だったと考えています。
しかし、現代にはレジエレキというポケモンが居ます。タスキレジエレキに対しておいかぜから入り、こごえるかぜを当てようとしても初ターンにエレキネットを選択されていると、トルネロスは先制されてしまいます。こわいかおであれば、いたずらごころによって先制で使うことができ、相手からも想定されにくいです。
こごえるかぜを採用しない都合でそこまで多くの素早さは必要ないかと思いましたが、レジギガス+マタドガスの並びのレジギガスより先に動いておいかぜを使うことが重要であるため、レジギガスを抜けるように168に設定しています。もしトルネロスがレジギガスを抜いていない場合、ダイアタック+マタドガスのちょうはつで補助技を止められてしまいます。
また、香港大会ではザシアンの素早さを169にしていたため、ザシアンがトルネロスより先に動くのを確認した多くのプレイヤーはザシアンの素早さを180以上で見積もっていたかもしれません。相手のザシアンも遅い個体の場合は、同速勝負に負けることに怖がってくれたため試合を優位に運ぶことが出来ました。
ボルトロスの方がトルネロスよりも役に立つことが多いですが、相手のパーティ次第でもあります。例えば、イエッサンを採用したパーティに対しボルトロスは無力ですが、トルネロスであればおいかぜ+しおふきのコンボを押し付けることが出来ます。
耐久面はカメックスのダイアイスやグラードンの-1ダイロックを耐えるように調整しています。
テッカグヤ
ビーストブースト | |
たべのこし | |
おだやか | |
203(244)-*-145(172)-127-146(92)-81 | |
かえんほうしゃ/やどりぎのタネ ワイドガード/まもる |
テッカグヤのビーストブーストは、とくぼうを上げるほうがぼうぎょを上げるより有効で満足できると感じました。ぼうぎょ上昇はザシアンのせいなるつるぎに無視されてしまうためです。
ワイドガードは非常に重要な技だと考えています。みがわりも強力ですが、ワイドガードには敵いません。
当初はテッカグヤを使っている人は私以外にはいませんでしたが、香港チャンピオンになり、決勝戦を見たSunoru(@sunoru_sidw)がNAICにテッカグヤを持ち込み、さらにSunoruの構築記事を見たアカザさん(@akaza0727)がボルトロスをレジエレキに変えたパーティを使いシーズン32(7月)で最終3位になっていました。そのため、世界大会では相手にテッカグヤの対処法が知られているのではないかと不安でした。
さいごに
WCSでトップカットに進むことはできませんでしたが、 Meaghan Rattle(@ResiUnleashed)がSunoruの6匹を使ってTOP8に入賞してくれたことは嬉しかったです。
このパーティを使う上で重要なことは、ボルトロスに頼りすぎないということです。ボルトロスは確かに強力ですが、万能ではありませんし簡単に狙われてしまいます。
このパーティは守備面がうまく構築されているので、いくらか柔軟に、あらゆる選出が可能です。
8月のランクマッチで7位に入ったほか、今までこのパーティで6度30位以内に入ることができました(s27: 21位&68位/s28: 9位/s29: 30位/s30: 26位/s31: 18位&88位/s33: 7位)。唯一入賞できなかった月は世界大会前にパーティが知れ渡らないようにしていた時期でした。
香港大会で優勝し、世界大会Day2で4-3という結果は最初のVGCシーズンとしては悪くなかったと思いますが、たくさん努力したのでもっといける自信はありました。
世界大会で負けてしまった試合のうち、2つのマッチは最も厳しいと事前に予想していたマッチアップでした。運が悪くても1回しか当たらないと思っていましたが、2回当たってしまいました。そしてもう1つの負けはEUICチャンピオンのEric Riosでした。
今ではDay2出場のすべてパーティがインターネットに上がっていますが、最も対処が厳しかったこのタイプのパーティはそこまで居なかったです(笑)
来年はもっと強くなって戻ってきたいと思っています。ここまで読んでくれてありがとうございました!
レンタルチームID: 0000 0000 6T4M H9
パーティ作成者
蓝宝石
S28:9th
S33:7th
Championships 2021-22 Hong Kong Champion
2022 Worlds Top 64 (Day 2 4-3)